2022年10月26日

【日中時間帯に『特急』が走る】京浜急行電鉄が2022年11月26日実施のダイヤ改正の概要を発表

2022年10月24日、京浜急行電鉄が同年11月26日(平日ダイヤは28日)に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。京浜急行電鉄の大規模なダイヤ改正は1999年7月以来約23年ぶりとのことです。
▲現行ダイヤの優等種別列車はエアポート急行以外では朝夕夜を中心に特急、日中を中心に快特・エアポート快特が運転されている。特急と快特の停車駅の違いは青物横丁(KK-04)・平和島(KK-08)・神奈川新町(KK-34)・追浜(KK-54)・汐入(KK-58)への停車か通過かの違いである。今回のダイヤ改正で日中の快特の一部を特急に変更、日中にも特急が走る
▲東京都交通局浅草線直通列車はエアポート急行・特急・快特(写真・5300形5320F)のほかに快特停車駅の京急蒲田(KK-11)を通過するエアポート快特も運転されている。空港線内での通過運転は快特以上で、特急以下の列車は各駅に停車する
▲平日朝の『モーニング・ウィング』に充当される2100形および新1000形1800番台“Le Ciel”(3号のみ)。このうち三浦海岸(KK-71)始発泉岳寺(A-07)行きの5号について運転時刻を約30分繰り上げ、9時前に泉岳寺に到着するよう変更される。
▲今回のダイヤ改正で減便となるエアポート急行は羽田空港第1・第2ターミナル(KK-17)と品川(KK-01)または逗子・葉山(KK-53)などを1本で結んでいる。逗子線方面に直通する列車には東京都交通局車両(5300形・5500形)での運用も含まれている。毎時6本運転されていたが毎時3本に変更され、普通との緩急接続も改善される。

現行ダイヤにおける優等種別列車として、羽田空港第1・第2ターミナルと各地を1本で結ぶエアポート急行、朝夕夜を中心に浅草線直通を含む特急、日中を中心に浅草線直通を含む快特・エアポート快特が運転され、特急が日中に走らないことから、特急以下の停車駅などを利用する場合はエアポート急行のみ利用する場合を除き、少なくとも1回以上の乗り継ぎが必要です。これは普通が頻繁にエアポート急行や快特(エアポート快特を含む)の待避を行っているためで(エアポート急行も快特を待避するものがある)、特急以下停車駅の利便性に影響しています。今回の大規模なダイヤ改正では日中の運転パターンを変更し、優等種別列車では浅草線直通の快特を停車駅を増やした特急に変更し(主に三崎口(KK-72)発着が中心だが、空港線直通の一部快特も特急に変更)、2100形充当の泉岳寺発着の快特と特急を約10分間隔で交互に運転します。これにより青物横丁・平和島など特急以下停車駅からの乗車機会が大幅に増え、平和島では特急と普通が緩急接続することで、特急以下停車駅だけでなく、エアポート急行以下停車駅や普通のみの停車駅からも平和島での乗り継ぎによって利便性向上が図られます。特急は空港線内は各駅に停車するため、空港線の特急以下停車駅からの利便性も向上します。例えば梅屋敷(KK-10)から品川に向かうと仮定する場合、現行ダイヤでは普通に乗車、途中平和島と鮫洲(KK-05)で快特を待避し、品川まで約17分かかるところ、改正後では梅屋敷から普通に乗車し、平和島で特急に乗り継ぐと、最短で約11分程度で品川まで到着するので、最大約6分の所要時間短縮となります。また葉山・逗子発着のエアポート急行は10分間隔(6本)の運転から20分間隔で(3本)運転に変更(減便)となり、日ノ出町(KK-39)や井土ヶ谷(KK-42)など京急蒲田~金沢八景(KK-50)間でのエアポート急行以下停車駅では停車列車が減るところがあるようです。なお減便されるエアポート急行に代わって、逗子線内では金沢文庫(KK-49)~逗子・葉山間で設定される普通列車に、空港線内では浅草線直通特急に代替される形になります。さらに残るエアポート急行は普通のみの停車駅との利便性向上のため、緩急接続する駅や待避駅を変更します。現行ダイヤでは京急川崎(KK-20)・神奈川新町・南太田(KK-41)で普通がエアポート急行を待避していますが(南太田では通過待ちのみ)、南太田の通過待ちは少なくなり上大岡(KK-44)での緩急接続に変更するのでしょうか。なお減便対象のエアポート急行には東京都交通局5300形・5500形が充当される平日31T運用や土曜休日17T運用が含まれていて、逗子・葉山に東京都交通局の車両が乗り入れなくなる可能性があります。

さらには平日朝の『モーニング・ウィング5号』(775A列車・海0756→泉0922)の運転時刻を約30分繰り上げ(海0728→泉0856)、泉岳寺到着が約30分早まります(泉岳寺では浅草線内通過運転のエアポート快特および浅草線内各駅停車の普通に接続)。

これ以外では平日ダイヤにおいては、朝の通勤時間帯の快特の一部(5本)を特急に変更、京急久里浜(KK-67)始発および逗子・葉山始発の特急羽田空港第1・第2ターミナル行き(2本)の運転取りやめ、一部列車における金沢文庫(KK-49)~神奈川新町・品川間での12両編成の運転取りやめ(上り6本、下り2本を8両編成に短縮)、21時以降の品川始発特急三崎口(KK-72)行き浦賀(KK-64)行きへの変更(堀ノ内(KK-61)で京急久里浜・三崎口方面に乗り継ぎが必要)が挙げられます。土曜休日ダイヤにおいては三浦半島方面への観光での利便性向上のため日中時間帯に20分間隔(1時間3本)の運転としていた久里浜線京急久里浜~三崎口間を、10分間隔(1時間6本)での運転に変更するものとみられ、その代わり19時以降の京急久里浜以南の区間を20分間隔(1時間3本)に、泉岳寺~三崎口間の快特を特急(上下6本)に変更するほか、19時以降の泉岳寺・品川~空港線直通のエアポート急行を快特(7本)に変更します。

詳細な変更の時刻については公式ホームページの別紙にありますのでご参照ください。

なお直通運転先の東京都交通局浅草線および京成電鉄でもダイヤ改正が実施され、浅草線は一部列車の減便程度ですが、京成電鉄ではスカイライナーの新鎌ヶ谷(HS-08)への新規停車(ただし青砥(KS-09)停車列車便に限定)、千葉線・東成田線・芝山鉄道線の3500形4両編成充当列車による一部区間でのワンマン運転開始が挙げられます。