2023年12月31日

【2023年の総まとめ】2023年の鉄道を振り返ります

2024年(令和6年)まであと少しになりました。そこで今回は2023年(令和5年)に起きた鉄道の動きを1月から振り返ります。ここでは私が特に印象的なものを中心に抜粋し紹介させていただくことをご了承ください。

【1月】東日本旅客鉄道山手線渋谷(JY-20)のホーム改良工事で約82年ぶりに島式ホームに
1月には東日本旅客鉄道山手線渋谷の大規模改良工事(4回目)が行われ、外回り1番線ホームが内回り2番線ホームと同じ島式ホームに移動し、山手線ホームが約82年ぶりに1面2線化されました。このあと11月中旬には山手線の線路の高さを並走する埼京線などと同じ高さにする工事が実施されました。ただし乗降の際は引き続き列車とホームとのあいだの隙間にご注意ください。なお1番線の発車メロディに変更はありません。

【1月】東急電鉄8500系8637Fが定期営業運転を終了、廃車回送される
▲田園都市線の顔として長らく活躍した8500系8637Fが長津田車両工場に回送され、最後の旅立ちとなった。東急電鉄から8500系が完全消滅となったが、長野電鉄などの同系列が譲渡された地方鉄道で引き続き見ることはできる。

1月には東急電鉄8500系8637FがBunkamura号ラッピングのまま定期営業運転を終了し、長津田車両工場に自走回送され、廃車除籍処分となりました。この動きにより東急電鉄から8500系が消滅しました。なお昨年11月中旬から東武鉄道伊勢崎線系統でのデジタル無線使用開始により、伊勢崎線系統に乗り入れないK運用を中心に充当されていました。さらにはデジタル無線に非対応であった東京地下鉄8000系8102Fが廃車され、東武鉄道に乗り入れない証を示す『サークルK』が再び消滅しましたね。

【1月】東日本旅客鉄道185系電車からサロ185形が消滅
▲現在は臨時列車向けに6両固定編成2本(12両)が残る185系。同系列で最後までサロ185形を組み込んでいた200番台宮オオOM08編成(クハ185-214以下7両)が廃車され、サロ185形が消滅。なおサハ185形は2022年のサハ185-1・サハ185-2の廃車をもって消滅している。

1月には185系で最後までサロ185形組み込みとなっていた宮オオOM08編成が廃車となり、同系列のサロ185形が形式消滅となりました。なおサハ185形は0番台都オオC1編成が6両に組成された際に余剰となったサハ185-1・サハ185-2の廃車をもって消滅しています。残る185系は新幹線リレー塗装の0番台都オオC1編成、最後のストライプ塗装の200番台都オオB6編成の合計2編成12両が団体専用列車や臨時特急列車で活躍中です。

【2月】東日本旅客鉄道E257系5000番台、臨時『踊り子』に初充当
▲波動輸送向けのE257系5000番台が『踊り子』に充当された。5000番台の『踊り子』充当は意外にも初めてである。愛称表示器や行先表示器に対応し、自動放送にも対応していた。なおグリーン車は2000番台とは異なり、4号車(元8号車)の半室のみとなっている。
▲『踊り子』に使用されるE257系2000番台。臨時列車でもこの2000番台が起用されることが多かった。今後も臨時列車の『踊り子』で5000番台が使用される可能性もあるかもしれない。

2月には波動輸送で活躍するE257系5000番台都オオOM-92編成(クハE257-5107以下9両)が初めて特急『踊り子』に充当されました。なお5000番台で運転された列車は8051M列車(下1012←東0730)と8056M列車(下1523→東1819)で、行先表示器や自動放送にしっかり対応していました。ただし2000番台とは異なり、4号車は普通車とグリーン車が半々のままであるほか、座席発売状況のランプは設置されていません。

【2月】小田急電鉄海老名検車区で現役通勤形車両を並べた撮影会を初めて開催
▲海老名検車区に並んだ現役通勤形電車。写真左端の8000形8051Fは2022年の大晦日から約3ヶ月間予備車扱いで運用されなかったが、8052Fを失った8252Fと組まれて4月に運用入りを果たす。なおこの写真では1000形以外はすべてトップナンバーで揃えられている。
▲36番構内留置線を挟む形で3形式ずつが並べられ、前半に3形式、後半に別の3形式の順番で撮影会が実施された。写真の種別行先表示は3月実施分の午前中に表示されたものだ。

2月には海老名検車区で現役の通勤形電車を並べた撮影会が開催されました。私は3月実施の撮影会に参加しましたが、このときには8000形8051F(4両固定編成)、1000形1065F(4両固定編成)、3000形3251F(日本車両製造1次車・6両固定編成)、線路1本を挟んで2000形2051F、4000形4051F、5000形5051Fが並べられました。なお2月実施分では前日に発生した信号装置故障によるダイヤ乱れの影響で、箱根登山鉄道専任編成を展示した1000形以外がすべてトップナンバーで揃うことは叶わず、5000形は5051Fの代わりに5055F、2000形は2051Fの代わりに2056Fが並べられました。

【2月】東急電鉄3000系、全13編成が8両固定編成に増強される
▲東急電鉄で最後まで6両固定編成で残っていた3000系3012Fが5000系ベースの新製車両のサハ3412+デハ3512を組み込み、3112Fとなった。東急電鉄の保有車両から6両固定編成が消滅した。
▲8両固定編成となった3000系。5000系ベースの中間増備車が組み込まれた際に改番が実施され、5000系以降の付番方法に改められた。このため元クハ3000がクハ3100(2代目・写真手前)に、元クハ3100(初代)がクハ3800となっている。

2月には相模鉄道との相互直通運転開始のダイヤ改正を控え、新製の中間増備車の組み込みを進めていた3000系の6両固定編成が消滅しました。奇数編成は3113Fをもって8両固定編成への増強が完了していましたが、偶数編成は3112Fをもって増強が完了しました。組み込みが実施された中間増備車についても制御装置は奇数番号が日立製作所製、偶数番号が東芝製になっており、前者のデハ3500は5000・5050系4000番台(一部電動車を除く)と同じ制御装置となり、既存車両では全電気ブレーキに対応しました。

【3月】京浜急行電鉄新1000形の制御装置からシーメンス製が消える
▲ついに新1000形からドイツ・シーメンス製の制御装置が消滅。イエローハッピートレインの1057編成がこの形式で最後のシーメンス製の制御装置を搭載していた。

3月には京浜急行電鉄ファインテック久里浜事業所に制御装置の更新工事のため入場していた新1000形1057編成(イエローハッピートレイン)が出場し、ドイツ・シーメンスの制御装置から日本・東洋電機製造の制御装置に更新され、シーメンス製の制御装置が完全消滅となりました。2021年は1033編成が車体更新と制御装置更新工事を受けましたが、シーメンス製の制御装置はIGBT素子でした。また車内の車番ステッカーにシーメンス製の制御装置を搭載する編成のみ“Powered by SIEMENS”の表記がありましたが、これも消滅しています。

【3月】各鉄道会社ダイヤ改正の話題
▲3月のダイヤ改正で開始された相模鉄道と東急電鉄との相互直通運転。いずれも新横浜線を介して直通しており、相模鉄道では20000系列が、東急電鉄では3000系、5000・5050系4000番台、5000・5080系が直通している。3020系はダイヤ改正時点では相模鉄道に直通していなかったが、直通運転対応後に直通運用を開始している。
▲東日本旅客鉄道では常磐線水戸~いわき間でE531系0番台・3000番台充当列車がワンマン運転に。これによりワンマン運転非対応のE501系の運用が縮小され、朝夕夜の一部での運用となってしまった。このうち元付属編成の1本(都カツK754編成)は団体専用列車向けとして『E501 SAKIGAKE(さきがけ)』となっている。

3月には各鉄道会社でダイヤ改正が実施されました。メインはもちろん相模鉄道と東急電鉄の相互直通運転ですね。これに伴って東急電鉄東横線(および横浜高速鉄道みなとみらい線)・新横浜線でワンマン運転が開始され、相模鉄道からは20000系列が、東急電鉄からは3000系や5000・5050系4000番台、5000・5080系が直通するようになりました。のちに3020系も直通対応施工完了後に直通運用を開始しています。東日本旅客鉄道ではE257系5500番台が高崎線特急『スワローあかぎ』を統合した『あかぎ』、『草津』を名称変更した『草津・四万』への定期的な充当を開始し、新たに2500番台での『あかぎ』運用が設定されました。これは5500番台が高崎線特急以外の運用にも使用されるため、その補填として2500番台の一部も充当されているようです。これにより651系1000番台の運用と同系列に連結されていたグリーン車の営業が終了となりました。常磐線水戸~いわき間でE531系0番台・3000番台が単独で充当される列車でのワンマン運転が開始され、同系列に搭載されている車外スピーカーから常磐線各駅で使用されている発車メロディが流れるようになりました。このためワンマン運転に非対応のE501系の運用が大きく縮小されるなどしました(1本は臨時列車向けに『E501 SAKIGAKE』に改造されている)。

【3月】西武鉄道新宿線の6000系、制御装置と種別行先案内表示器更新のため入場
▲玉川上水車両基地所属の6000系6101F。同系列で最後まで制御装置未更新、種別行先案内表示器が未更新であったが、この編成は4月に武蔵丘車両検修場に入場し、武蔵丘車両検修場の一般公開を経て更新工事が施工され、出場してすぐに運用復帰を果たしている。

3月には西武鉄道新宿線・拝島線で活躍する6000系6102Fの制御装置と種別行先案内表示器が更新され、制御装置はGTO素子からSiC素子に、種別行先案内表示器は幕式からフルカラーLED式となりました。4月には6101Fも同様の工事で入場し、6000系の種別行先案内表示器がすべてフルカラーLED式となったほか、制御装置は6157Fを除くすべての編成でSiC素子に更新されました。なお6101F6102Fの種別行先案内表示器は前面部は引き続き種別と行先で別々となっているほか、側面部は日本語と英語の交互表示ではなく、日本語に英語を併記した固定表示となっています。ただし池袋線から新宿線へと移ってきた6103F6104F6108Fでは日本語と英語の交互表示となっています。

【4月】小田急電鉄3000形リニューアル車(6両固定編成)が営業運転に
▲3000形リニューアル車がついに営業運転に入った。このうち最初に施工された3265Fは2021年から入場しており、リニューアル更新工事から1年以上かかって運用復帰となった。各年度の最初のリニューアル車両のみ旅客用扉が交換されている。

4月(厳密には3月31日)には小田急電鉄3000形リニューアル車が平日A12運用から営業運転を開始しました。最初に営業運転に入ったのは最初に施工された3265Fではなくその次に施工された3266Fであり、前照灯や種別行先案内表示器の更新、車内案内表示器の交換(ただし3次車のみに実施)、帯色の変更(入場前にロイヤルブルー帯を巻いた編成のみ)、旅客用扉の交換(3265F3267Fのみ)、クハ3250側(6号車)の電気連結器の撤去とスカート形状変更、中間車への車椅子スペース兼ベビーカースペースの追加設置が挙げられます。完全なる6両固定編成となったことでリニューアル車に統一された1000形4両固定編成との連結は一切できなくなるため、A運用限定となり、小田原線新宿(OH01)~新百合ヶ丘(OH23)間に基本的に入線しません。

【4月】舞浜ディズニーリゾートラインで開園40周年記念の限定ライナーが運転
▲舞浜ディズニーリゾートラインでは“Type C”100形111号編成(イエロー)の開園40周年記念の『ドリームゴーラウンド ライナー』が運転されている。運用時刻はディズニーリゾートラインのHPに公表されており、確実に狙うことができる。
▲リゾートラインでは“Type C”100形131号編成(ブルー)の『トイ・ストーリー ライナー』が運転されているが、『ドリームゴーラウンド ライナー』とは異なり運用時刻は公表されていない。運転間隔が短い時間帯(約3分間隔、4編成あたりで運用)を狙うのが確実か。

4月には舞浜ディズニーリゾートラインでディズニーリゾート開園40周年を記念して“Type C”100形111号編成(イエロー)に開園40周年の記念ラッピングを施した『ドリームゴーラウンド ライナー』が運転されています。運が良ければこの期間限定ライナーと“Type C”100形131号編成(ブルー)の『トイ・ストーリー ライナー』と2種類のラッピング車両を見ることができます。『ドリームゴーラウンド ライナー』の111号編成(イエロー)は運用時刻が公表されていて狙うことができますが、『トイ・ストーリー ライナー』の131号編成(ブルー)は運用時刻が公表されていませんので、運用本数が多い朝夜などを狙うといいでしょう。いずれも2024年まで運転予定ですので焦る必要はありませんが、『トイ・ストーリー ライナー』だけは運が必要ともいえます。

【4月】相模鉄道10000系8両固定編成で初の“YOKOHAMA NAVYBLUE”車両
▲10000系8両固定編成では初の3代目塗装となり、制御装置更新工事も行われた10704F。これまで制御装置更新工事だけは東日本旅客鉄道長野総合車両センターで行われていたが、その際には数日間かけての甲種輸送が必要だった。

4月には相模鉄道10000系8両固定編成で初の“YOKOHAMA NAVYBLUE”車両となった10704Fが登場しました。これまでの編成と異なり、制御装置更新工事・塗装や内装の変更がすべてかしわ台車両センターで施工されたことがポイントです。これにより数日間に及ぶ東日本旅客鉄道長野総合車両センターへの甲種輸送の手間が省かれています。今後の施工編成はかしわ台車両センターのみで済むのでしょうか。ちなみに相模鉄道では10代目となる『そうにゃんトレイン』が運転されており、これまでの偶数代で起用されてきた11004Fではなく、10周年記念ということで11001Fが起用されています。

【5月】東日本旅客鉄道『成田エクスプレス』のE259系に新デザイン車両
▲E259系に2代目の塗装が登場。塗装変更されたのは実質先頭車のみだが都クラNe005編成を皮切りに塗装変更が始まっており、全22編成で実施される予定だ。

5月には東日本旅客鉄道E259系に新デザイン車両がお目見えしました。最初に変更されたのは都クラNe005編成であり、大宮総合車両センターへの入場の際に新デザインへの切り替えが実施されているようです。全22編成に施工されますので、現行のデザインの記録もお忘れなく。また都クラNe007編成では“N'EX”ロゴマークが省略されるなど、変化も出てきているようです。またこの時期から導入された横須賀線・総武快速線向けのE235系1000番台では車体側面部の所属表記が省略された状態で出場しています。

【5月】小田急電鉄8000形・東武鉄道10000・10030系・リゾートラインなどが廃車に
▲小田急電鉄では撮影会を実施した8000形8060Fが廃車除籍処分に。この翌月には8052Fも廃車除籍処分となっている。今秋には8254F8256Fも廃車除籍処分となった。
▲東武鉄道10000系列では6両固定編成の11609F11666Fが廃車除籍処分となっている(注意…写真の車両ではありません)。2両固定編成はワンマン運転対応工事などリニューアル更新工事が進められている。
▲舞浜ディズニーリゾートラインでは“Type X”10形31号編成が廃車除籍処分に。昨年就役の“Type C”100形141号編成とともに新旧のパープルでの同時運用を実現していた。

5月には小田急電鉄8000形では8060Fが、東武鉄道10000系列では11609F11666Fが、舞浜ディズニーリゾートライン“Type X”10形では31号編成がそれぞれ廃車除籍処分となりました。8000形8060Fでは廃車除籍処分前に撮影会を実施したほか、リゾートライン“Type X”10形31号編成では車内に『リーナ・ベル』の装飾をして運転されていた関係で、昨年11月にデビューした“Type C”100形141号編成との同じ色での同時運用が実現していました。

【6月】東京都交通局5300形の最後の編成(5320F)が馬込車両検修場から陸送される
▲最後まで残っていた5300形5320Fが廃車解体処分のため陸送された。これまでは京浜急行電鉄ファインテック久里浜事業所に自走回送されてから行われていたが、5320Fだけは車両基地から直接陸送されたのである。

6月には東京都交通局浅草線で最後の5300形であった5320Fが廃車除籍処分のため馬込車両検修場から直接陸送されました。定期営業運転は2月に終了していました。これまでは自走でファインテック久里浜事業所に向かってから廃車となりましたが、この編成だけはトラブル防止のためか馬込車両検修場から直接陸送される形がとられました。

【6月】相模鉄道8000系8713Fが初代塗装を復刻
▲8000系の残存編成の前照灯移設工事や種別行先案内表示器などの更新工事が進み、登場当初からの原型形状を残していた8713Fが初代塗装を前面部のみのラッピングで復刻した。クハ8713はロゴマークなし、クハ8513はロゴマークありで復刻された。

6月にはミステリートレインに充当された8000系8713Fが初代塗装に復刻され、初代塗装のままで営業運転に入りました。これと同時期に8711Fが前照灯移設や種別行先案内表示器の更新工事などを受けています。なおこの初代復刻塗装での運転は8月下旬あたりまで行われ、9月には前照灯移設などの工事で入場し、原型車両が消滅しました。初代塗装復刻当時は車両番号がオリジナルフォントとなっていましたが、のちに初代塗装消滅前のフォントにしっかり復刻されていました。

【6月】小田急電鉄4000形4058F、車内LCD式旅客案内表示器がセサミクロに
▲4000形でワンマン運転対応改造工事を受けた4058Fでは初めて車内LCD式旅客案内表示器がセサミクロタイプに更新された。4059F4060Fもこのような仕様に更新されている。
▲4000形4059F4060Fでもワンマン運転対応工事で車内LCD式旅客案内表示器がセサミクロ対応に更新済みとなっている。以降のワンマン運転対応工事施工車には車内LCD式旅客案内表示器の更新が進みそうだ。

6月には2023年度最初の4000形のワンマン運転対応工事施工となった4058Fで車内LCD式の旅客案内表示器のセサミクロ化が確認され、アニメーションが加わりました。同形式でのLCD式旅客案内表示器のセサミクロへの更新は初めてのことになり、今年度施工分の4059F4060Fでも更新が確認されました。現在入場中の4066Fでも更新されることが見込まれます。

【7月】東武鉄道新型特急形車両N100系“SPACIA X”がデビュー
▲初代スペーシア100系を置き換えるために登場した“SPACIA X”のN100系電車が営業運転を開始した。当面は2本体制のため、1運用は固定運用、1運用は特定の曜日のみ100系に変更して運転される運用となっている。

7月には日立製作所笠戸事業所で製造された“SPACIA X”のN100系(N101FN102F)が営業運転を開始。土曜休日ダイヤとあって『けごん7号』と同ダイヤの『スペーシアX1号』が1番列車となりました。乗車の際には特急券が必要ですが、コンパートメントなど特別車両への乗車にはさらに特別車両料金が必要になります。今年度はさらに2編成(N103FN104F)が追加投入される見通しです。

【7月】東海旅客鉄道N700系1000番台・2000番台、N700S系の車内チャイムが変更
▲東海旅客鉄道所属のN700系1000番台・2000番台とN700S系の車内チャイムが2003年から使用されてきた“AMBITIOUS JAPAN”から『会いに行こう』に変更された。

7月には東海旅客鉄道に所属するN700系1000番台(N700A)・2000番台(N700a)とN700S系0番台(N700S)の車内チャイムが全編成で『会いに行こう』に変更され、始発終着駅と途中駅に関わらず同じチャイムとなったようです。車内チャイムの変更は約20年ぶりとなります。ただし西日本旅客鉄道に所属するN700系4000番台(N700A)・5000番台(N700a)・N700S系3000番台(N700S)では変更はありません。

【8月】東日本旅客鉄道E653系1000番台元新ニイU-102編成、勝田車両センターに復帰
8月にはE653系1000番台で特急『いなほ』(新潟~酒田・秋田間)に使用されていた新ニイU-102編成が秋田総合車両センターへの入場で水色塗装に変更され、勝田車両センターに再転属(復帰)となりました。編成番号は国鉄特急色編成の続番で『K71』となり、都カツK71編成となっています。10月14日からは営業運転に入り、主に臨時特急列車などで使用されています。

【8月】東急電鉄東横線の平日下り急行列車で“Q SEAT”サービスの運用を開始
▲東横線の5000・5050系4000番台で4号車・5号車に転換クロスシートの“Q SEAT”を組み込んだ編成を使用し、平日夕夜の下り急行列車での有料座席指定サービスを開始した。このため平日56K運用・平日57K運用・平日64K運用が“Q SEAT”組込編成の固定運用に。

8月には東急電鉄東横線の平日下り急行列車で有料座席指定サービスの“Q SEAT”の本格運用が開始されました。編成の4号車・5号車に“Q SEAT”車両を組み込む4000番台4112F4113F4114F4115Fで運用され、その車両に着席乗車する際には指定券が必要になります(それ以外の車両は指定券不要)。直通運転先の横浜高速鉄道みなとみらい線では指定券不要で”Q SEAT”車両に乗ることができます。なお折り返しの一部上り急行列車では有料座席指定サービスは適用されませんが、座席は下り方を向いたまま運転される場合があります。

【8月】宇都宮ライトレールが開業
8月には東日本旅客鉄道東北新幹線・宇都宮線・日光線の宇都宮駅東口(01)と芳賀・高根沢工業団地(19)を結ぶ宇都宮ライトレールが開業しました。その専用車両としてHU300形19編成(HU301HU319の57両)が準備され、開業前には脱線事故などがあったりしましたが、26日に開業を迎えました。開業時から信用乗車方式がとられており、ICカード利用者は扉付近に設置されたICカードリーダーにタッチしてすべての扉から乗降できる方式となっています(乗車時は緑色、降車時は黄色のICカードリーダーにタッチする)。

【9月】東日本旅客鉄道E127系0番台、南武線支線仕様となり営業運転を開始
▲南武線支線でのデビューを果たしたE127系0番台(写真は新潟時代のもの)。都ナハV1編成では所属表記(横ナハ)を記したが、都ナハV2編成では所属表記が省略される(新ニイを消したのみ)などの違いがみられる。
▲205系1000番台は都ナハW1編成都ナハW2編成が国府津車両センターに疎開留置され、都ナハW4編成のみ残存している。E127系0番台に混ざって運用されることがある。

9月には新潟車両センターに残存し弥彦線やE129系の落雷被害による上越線での代走運用に就いていたE127系0番台が転用改造工事で南武線支線仕様(都ナハV1編成都ナハV2編成)となり、2編成4両が鎌倉車両センター中原支所に配属され、営業運転を開始しました。同系列で初めて転落防止幌の設置や車内防犯カメラの設置など新潟地区時代にはなかった仕様が搭載され、南武線支線で使用されてきた205系1000番台2本を置き換えました。

【9月】小田急電鉄ロマンスカー“VSE”50000形50002Fがすべての運用を終了 
▲特別団体専用列車を含むすべての運用を終了したロマンスカー“VSE”50000形50002F。最終運用は50001Fとともに使用された特別団体専用列車であった。現在は喜多見検車区に留置されているが、廃車除籍処分が予想されている。

9月には小田急電鉄ロマンスカー“VSE”50000形50002Fが特別団体専用列車としての運用を終了しました。これは同形式の検査期限の関係によるもので、50002Fが一足先の引退となりました。現在は喜多見検車区で休車状態となっており、動向が気になるところ。ちなみにトップナンバーの50001Fは12月まで運用されました。今後はロマンスカーミュージアムに先頭車が保存されることになります。

【9月】東急電鉄3020系、相模鉄道への直通運転を開始
▲相模鉄道への直通運用を開始した3020系。2023年3月のダイヤ改正から約半年が経過して少数派の3020系も直通対応工事が施工され直通運用に入るようになった。運が良ければ相模鉄道完結運用にも3020系が充当されることはある。

9月には東急電鉄3020系3121Fが初めて相模鉄道への直通運用に入るようになり、相模鉄道完結運用での運用にも充当されるようになりました。のちに3122F(SDGsトレイン)・3123Fも直通運用に入るようになり、限定運用は解かれたようです。なお製造当初からこの系列は相模鉄道直通対応の準備工事はされていましたが、相模鉄道での運用に対応する無線などは設置されていませんでした。

【10月】東日本旅客鉄道E657系フレッシュひたち復刻塗装車がすべて出揃う
▲E657系フレッシュひたち復刻塗装の最後に登場したオレンジパーシモン塗装の都カツK3編成。郡山総合車両センターでの検査施工時に塗装変更された。
▲これでフレッシュひたち復刻塗装の全5編成が揃った。E653系0番台時代に連結器をもっていたことから、連結器カバーは復刻塗装編成に限り外されている。次回検査時の2026年まではこの塗装で運用される予定だ。

10月には東日本旅客鉄道E653系都カツK3編成が郡山総合車両センターでの検査施工の際にオレンジパーシモン塗装に変更され、E653系フレッシュひたち復刻塗装の編成5本が出揃いました。最初の4編成(都カツK1編成都カツK2編成都カツK12編成都カツK17編成)は元基本編成の塗装ですが、最後の1編成(都カツK3編成)だけは元付属編成の塗装となっています。2026年まではこの塗装での運転となり、最遠では仙台まで顔を出すことがあります。なお東海道線からの直通の臨時特急列車としては復刻塗装車は使用されませんでした。

【10月】相模鉄道8000系の前照灯移設・種別行先案内表示器の更新が完了
▲8000系で行われていた前照灯の移設工事などが最後の8713Fをもって終了した。8000系は現役の全編成で種別行先案内表示器の更新が完了し、自動放送が設置された。

10月には相模鉄道8000系の前照灯移設や種別行先案内表示器の更新工事が8713Fをもって完了しました。これで現役の全編成で列車番号表示器が白色LED式、種別行先案内表示器がフルカラーLED式となり、自動放送装置が搭載されました。ただし3代目塗装への変更は8709Fを除いて行われておらず、2代目塗装のままとなっています。

【10月】東武鉄道8000系8111Fが南栗橋車両管区七光台支所に転属、野田線で営業運転へ
▲東武博物館が所有し南栗橋車両管区春日部支所に配置されていた8000系8111Fが検査施工でセイジクリームからツートンカラーに再び変更され、それだけでなく優先席ステッカーや女性専用車ステッカーを貼付され、七光台支所に転属するという展開に。

10月には東武博物館所有の8000系8111Fが検査施工により、セイジクリームからツートンカラーに再び変更されたほか、さらには優先席のステッカーとクハ8111に野田線仕様の女性専用車ステッカーが貼付され、野田線(アーバンパークライン)の南栗橋車両管区七光台支所に転属することが明らかとなり、後日に東武鉄道から正式に発表されました。11月1日から営業運転に投入され、野田線全線で運用されています。この編成の転入で8150Fが廃車除籍処分となっています。

【11月】相模鉄道11000系11002Fで『おかいもの電車』の復刻ラッピング
▲11000系11002Fの先頭車部分にのみ『おかいもの電車』の復刻ラッピングが施された。かつてこの『おかいもの電車』は相模鉄道で実際に運転されたことがある。

11月には相模鉄道11000系11002Fに『おかいもの電車』の復刻ラッピングが先頭部分のみに施工され、12月下旬まで運転されました。なお前面部デザインはクハ11002・クハ11902で微妙に異なっており、クハ11002では鳩が買い物かごを咥えるイラストに『オカイモノ 急』と書かれていましたが、クハ11902では『オカイモノ 急』が『ドッチモ 定期』となっていました。運用は公表されており、容易に狙うことができましたね。

【11月】京浜急行電鉄新1000形が出場・タブレット端末での自動放送使用開始
11月には京浜急行電鉄新1000形8両固定編成の1701編成が総合車両製作所横浜事業所から登場しました。先に出場していた1501編成と同一仕様のようで、車番にはすべてハイフンが採用されています。デハ1501-1から成る1501編成とデハ1701-1から成る1701編成が登場したことにより、老朽化が進む1500形が置き換えられています。また京浜急行電鉄では25日のダイヤ改正に備えて、タブレット端末を用いた自動放送が使用されるようになったほか、『エアポート急行』が『急行』に再び改称されるなど、ダイヤ面でも大きく変化しました。

【11月】小田急電鉄5000形5055Fが『もころん号』に
▲2020年就役の5000形で初のラッピング電車となった5055F。同社子育て応援マスコット『もころん』が前面部にデザインされ、クハ5055・クハ5455で異なっている。運用は公表されていないが、『小田急アプリ』から確認できる。2024年5月まで運転の予定だ。

11月には小田急電鉄子育て応援マスコット『もころん』を先頭車の一部にラッピングした『もころん号』が営業運転に入りました。5000形で前面部のみですがラッピング電車が運転されるのは就役してから初めてのこととなります。両先頭車の運転台部分には『もころん』のぬいぐるみが乗せられているほか、クハ5055は朝の空、クハ5455は夕の空とデザインが異なっています。なおラッピング電車として運用される前に試運転を行っているほか、大野総合車両所で車輪削正の作業を受けてからの営業運転となりました。

【12月】小田急電鉄ロマンスカー“VSE”50000形50001Fがすべての運用を終了
▲小田急電鉄ロマンスカー“VSE”50000形で孤軍奮闘を見せていた50001Fがすべての運用を終了した。1日に平日ダイヤで最後の客扱い走行を見せたほか、9日には撮影会と特別団体専用列車の運転が行われた。10日はラストランイベントで全線を走行し『小田急アプリ』にも走行位置が表示された。

小田急電鉄ロマンスカー“VSE”50000形で孤軍奮闘していた50001Fがすべての運用を終了しました。最終運用となった10日には箱根登山鉄道を含む全区間(江ノ島線→小田原線→多摩線→小田原線→箱根登山鉄道区間→小田原線)を走行したほか、これまで海老名(OH32)終着であった分を成城学園前(OH14)に延長したため、終着地の成城学園前で多くのファンが駆けつけました。約18年間、箱根の観光を支えてきましたが、ついに引退を迎えてしまいました。現在は喜多見検車区に休車状態で留置中と思われますが、先頭車はロマンスカーミュージアムでの保存を検討しているとのことですので、保存展示に期待しましょう。

【12月】東日本旅客鉄道E531系0番台付属編成、全編成がワンマン運転対応へ
▲常磐線・水戸線で活躍するE531系0番台。数少ないワンマン運転非対応車両の都カツK461編成とワンマン運転準備工事車の都カツK483編成がワンマン運転対応に改造された。改造後はホーム検知装置が設置されている。

12月には東日本旅客鉄道常磐線のE531系0番台付属編成で数少ない非ワンマン運転対応車両が相次いでワンマン運転対応工事を受け、付属編成は3000番台を含む全編成がワンマン運転に対応しました。これまでは都カツK461編成都カツK483編成の2本については水戸線と常磐線水戸~いわき間のワンマン列車には充当されませんでしたが、土浦~水戸~いわき~原ノ町間(いわき~原ノ町間は全列車)に拡大されるため、それに備えた工事を行ったようです。

【12月】東京地下鉄9000系で初の8両固定編成となった9109Fが営業運転に
▲9000系9109FがB修繕工事を施工されたモハ9309とモハ9609のあいだに2021年製造の中間付随車のサハ9405とサハ9509の2両を組み込み8両固定編成となった。既存車側の6両にはB修繕工事が実施されたが、工事内容が一部変更されている。

12月には東京地下鉄南北線の9000系9109Fが同系列で初めて8両固定編成となり、営業運転に復帰しました。既存車側の6両にB修繕工事が施工され、制御装置はIGBT素子からSiC素子に更新、車内案内表示器の更新と車内防犯カメラの設置、袖仕切り板に透明なアクリル板の追加設置などが施されました。中間増備車は16000系をベースとしており、貫通扉の形状が異なっているほか、既存車(制御車・電動車)と中間付随車で内装が大きく異なっています。ただし東急電鉄の保有車両とは異なり、8両を表す“8 CARS”のステッカーはありません。

2023年は新型コロナウィルスの第5類移行に伴い、行動様式が大きく変化しました。来年はダイヤ改正のほか、鉄道の日の10月14日は第2月曜日とあり、国民の祝日であるスポーツの日(旧体育の日)と重なるようです。鉄道にもいったいどういう動きが見られるか楽しみです。それではよいお年をお迎えください。