2023年12月16日

【様々な変化がある改正に】東日本旅客鉄道が2024年3月16日実施のダイヤ改正の概要を発表

2023年12月15日、東日本旅客鉄道が2024年3月16日(平日ダイヤは18日)に実施する予定のダイヤ改正の概要を発表しました。今回も【新幹線】と【在来線】(メインは首都圏エリア)に分けて紹介します。また支社別のプレスリリースでも詳しい紹介がありますので、各最寄路線の管轄支社の発表も併せてご参照ください。

【新幹線】
▲北陸新幹線では西日本旅客鉄道区間の金沢~福井~敦賀間が延伸開業し、『あさま』以外の愛称列車が敦賀発着に。延伸区間での全列車停車駅は途中駅では福井のみで、新たに速達タイプの『つるぎ』が設定される。なおダイヤ改正後の最速達列車の『かがやき』は下りが503号(敦1028←東0720)で上りが514号(敦1713→東2023)となる。
▲山形新幹線『つばさ』ではE3系に代わる新型車両E8系を営業運転に順次投入するが、一部列車はE3系で運転となる場合がある。またE8系の運用投入に伴い、同系列と併結運転する『やまびこ』はE2系1000番台からE5系に変更される。

北陸新幹線では金沢~福井~敦賀間が延伸開業し、長野発着の『あさま』を除く愛称列車が敦賀発着となります。なお東京~敦賀間の『かがやき』は朝夕時間帯を中心に9往復、東京~敦賀間の『はくたか』は5往復の運転となります。さらに延伸開業区間の途中福井のみに停車する速達タイプの『つるぎ』が運転されます。延伸開業区間では『かがやき』『はくたか』と『つるぎ』で列車により停車駅が異なるので十分気をつけてください。なお金沢発着列車であっても富山または金沢で『つるぎ』に乗り継ぐと敦賀に行ける場合があります。

山形新幹線ではE3系1000番台・2000番台を置き換えるために登場した新型車両E8系を順次営業運転に投入し、『つばさ』(東京~山形間の1往復、東京~新庄間の2往復)の3往復に投入される予定で、最速達列車となる下りの131号(新1231←東0924)と上りの124号(山0712→東0935)はE8系で運転されますが、これらの列車と122号(新0540→東0912)以外はE3系での運転となる場合があります。さらにE8系で運転する列車の最高時速を宇都宮~福島間で300km/hに向上させ、所要時間の短縮を図るほか、東京~福島間で併結運転を行っている『やまびこ』はE2系1000番台からE5系に変更します。

上越新幹線では設備のリニューアル工事や地震対策工事などを着実に実施する夜間作業時間を拡大するため、下りの一部最終列車の時刻を繰り上げます。現行ダイヤで新潟行きの最終新幹線は『とき351号』(351C列車・潟2352←東2140)となっていますが、ダイヤ改正後は約20分繰り上げた『とき347号』(潟2325←東2120)に変更し、21時40分発は高崎行きの『たにがわ475号』となるほか(高2236←東2140)、上越新幹線の下り最終の『たにがわ477号』は各駅発車時刻を約20分繰り上げます(高2336←東2240)。なお越後湯沢行きの最終新幹線については変更はありません。

また一部の新幹線で新型コロナウィルスの5類移行後における利用状況の回復状況を鑑みて、定期列車を増発します。東北新幹線では『はやぶさ』『やまびこ』と『こまち』1往復、北陸新幹線では『かがやき』2往復、上越新幹線は東京発越後湯沢行きの『たにがわ』1本のみが増発となります、ただし『やまびこ』は朝の上り2本と夕方の下り2本が仙台~盛岡間で運転取り止めとなり仙台発着になります。

【在来線特急列車】
在来線特急列車では首都圏と房総エリアを結ぶ各特急列車(『しおさい』『わかしお』『さざなみ』)の全席指定席化や特急『しおさい』に塗装リニューアルを実施したE259系(都クラ)の投入が発表されました。詳しく見ていきます。
▲今回の改正で新たに総武本線の特急『しおさい』として投入されることとなったE259系(都クラ)。特急『しおさい』は東京(JO-19)の総武地下2番線から発車するが、東京~佐倉(JO-33)間では同系列が充当される『成田エクスプレス』との誤乗に注意だ。乗車前に発車標と側面部のフルカラーLED式種別行先案内表示器をしっかりと確認することが重要だ。
▲特急『しおさい』に塗装のリニューアルを実施しているE259系が投入されることとなり、房総特急の全定期営業運転から撤退することとなった255系。5編成(45両)しかいないため、一部編成は臨時列車で残る可能性はあるが、それ以外は廃車除籍処分となる可能性が。
▲特急『ひたち』に充当されるE657系。主に仙台発着列車の時刻が変更され、利用しやすい時間に運転される。これにより首都圏エリアおよび仙台エリアへの滞在時分が拡大されて利便性が向上する。
▲特急『湘南』は一部列車の運転区間を見直し平塚(JT-11)~小田原(JT-16)間を削減、平塚発着に変更となるほか、『踊り子』は網代(JT-24)停車がなくなる。『湘南』については平塚以西の利用者が多くないのだろう。
▲特急『富士回遊』は1往復が増発され、新宿(JC-05)~大月(JC-32)間で甲府(CO-43)発着の特急『かいじ』との併結運転となる。

首都圏を発着する特急列車では、房総エリアの特急列車(特急『しおさい』・『わかしお』・『さざなみ』)の全席指定席化(自由席の廃止)と、特急『しおさい』へのE259系の投入、それに伴う255系の全定期営業運転の終了などが挙げられます。長らく房総特急を支えた255系の定期営業運転からの撤退は驚きましたね。

房総エリアの特急列車では大きな変化が見られます。新たに特急『しおさい』に特急『成田エクスプレス』で使用しているE259系を投入し、E257系500番台とE259系での運転に変更するほか、特急『わかしお』・『さざなみ』の全定期列車をE257系500番台での運転に変更します。これにより255系は全定期営業運転を終了することになります。E257系500番台については『わかしお』・『さざなみ』中心の運用とするため、『しおさい』は東京~佐倉間の平日1往復のみ(4号・11号)の運用となるほか、同系列の2編成連結の10両編成での運転を取りやめ、すべて単独編成で運転されます。また『しおさい』・『わかしお』・『さざなみ』ともに自由席を廃止し全席指定席となります(これに合わせて特急料金体系が変更され、『踊り子』・『湘南』・『ひたち』・『あずさ』などと同じになる)。255系は一部編成が臨時列車で残るかもしれませんが、動向が注目されます。また『しおさい』・『わかしお』では朝夕の通勤時間帯に増発される列車があるほか、『わかしお』の土気停車、『しおさい』の四街道(JO-31)停車が増えます。また『しおさい』は全列車が船橋(JO-25)停車となります。

特急『成田エクスプレス』では中央線八王子(JC-22)発着で残る2往復が廃止され(E259系の中央線乗り入れ終了)、すべて新宿(JS-20)発着となります。八王子発着列車では途中の立川(JC-19)・国分寺(JC-16)・三鷹(JC-12)・吉祥寺(JC-11)に停車する列車となっていますが、これがなくなるため新宿での乗り継ぎが必要です。また千葉(JO-28)および佐倉に停車する列車を増やすほか、一部列車の運転時刻変更で7時台~19時台をおおむね30分間隔での運転とすることで利便性を向上します。さらに『成田エクスプレス』で特急料金が変更され、発着駅に空港第2ビル(JO-36)・成田空港(JO-37)を含む特急料金(基本的に変更なし)、両駅を含まない特急料金(『成田エクスプレス』であっても大船(JO-09)~千葉間や東京~成田(JO-35)間などの場合は全席指定席となる『しおさい』などと同じ特急料金)に分かれます。またグリーン車料金についても変更されますので気をつけてください。

特急『ひたち』では仙台発着列車の運転時刻を変更し、下りは19号(19M列車・仙2028←品1545)を新21号として1時間繰り下げ(仙2134←品1645)、上りは14号(14M列車・仙1014→品1451)・26号(26M列車・仙1606→品2053)を新12号(仙0848→品1351)・新22号(仙1416→品1852)として運転し、利用しやすい時間に変更することで首都圏および仙台エリアへの滞在時間が拡大されることで利便性が向上します。なお新19号・新14号・新26号はいわき発着となります。

東海道線特急『湘南』では上り2号(3072M列車・平0625→東0720)と6号(3076M列車・小0641→東0756)の所要時間を短縮するほか、5号(3075M列車・小1942←東1830)と14号(3084M列車・小0825→東0932)は平塚~小田原間が運転取りやめとなり、平塚発着となります。また『踊り子』では伊東線網代への停車取りやめにより、一部列車の所要時間が短縮されます。

中央線特急『富士回遊』では訪日外国人(インバウンド)の増加で利用者が増えているため、午前中の下り1本、午後の上り1本を増発し、『かいじ』との併結運転とします。また特急『あずさ』では一部列車が9両編成から付属編成を連結した12両編成での運転に変更します。

このほか、奥羽本線秋田~青森間を結ぶ特急『つがる』では1往復のみ速達化した『スーパーつがる』とし、途中停車駅は東能代・鷹巣・大館・大鰐温泉・弘前・新青森のみとなります。これに伴い、八郎潟・森岳・二ツ井・碇ヶ関・浪岡に停車する列車が1往復分減便となります。

【在来線普通列車】
▲京葉線では日中時間帯以外で外房線・内房線・東金線直通となる列車の快速運転(すなわち通勤快速・快速の運転)を取り止め、各駅停車での運転に変更される。これにより外房線での快速・通勤快速が停車しない各駅から京葉線方面を1本で結ぶ利便性は向上されるが、途中の新木場(JE-05)~蘇我間の途中無停車の列車は完全になくなる(ただし特急列車は京葉線内の途中無停車は継続)。
▲常磐線では新たに土浦~水戸間、いわき~原ノ町間でE531系0番台・3000番台単独によるワンマン運転に変更される。ただし土浦~水戸間はE531系0番台基本編成(グリーン車付き)の充当が朝夕夜に、ごく一部の列車にE501系の充当があるため、日中時間帯のみのワンマン運転となるが、いわき~原ノ町間では全列車がE531系でのワンマン運転となる。
▲鶴見線では205系1100番台から12月24日デビューのE131系1000番台への置き換えが完了となり、ダイヤ改正からワンマン運転が導入される。このために鶴見(JI-01)3番線・4番線で発車メロディを聞くことはできなくなる。
▲中央線では早朝時間帯の上り列車の所要時間を約5分前後短縮するほか、日中時間帯に大月発着列車を1時間に1本以上とするように設定し(高尾(JC-24)発着の中央特快5往復分の運転区間を大月まで延長)、青梅線立川と五日市線武蔵五日市(JC-86)を直通運転する列車を夕方に下り2本、夜間に上下1往復増やす。

在来線では新型コロナウィルスの5類移行後の利用状況に合わせて運転変更が実施され、直通運転の増加や運転区間の延長、増発列車があるようです。一方では京葉線と外房線・内房線では朝夕時間帯の通勤快速・快速の運転取りやめ(各駅停車への格下げ)があるようです。

京葉線では朝夕時間帯に運転されている通勤快速・快速(外房線内も通過運転あり)の運転を取り止め、すべて各駅停車での運転となります。東金線成東からと外房線勝浦からのE233系5000番台分割編成による通勤快速も各駅停車に変更となり、外房線の発着駅は勝浦から上総一ノ宮に変更されます。これによりE233系5000番台の6両固定編成の上総一ノ宮~勝浦間の入線がなくなることになります。そのため京葉線の快速は外房線直通(外房線内各駅停車)を含む日中時間帯のみの運転となり、それ以外は直通列車を含めて各駅停車になると思ってください。また内房線・外房線では利用状況に応じて列車の増減があります。

常磐線では土浦~水戸間、いわき~原ノ町間でE531系0番台・3000番台付属編成単独の運用に限りワンマン運転が導入されます(友部~水戸間は水戸線直通で導入済み)。土浦~水戸間はE531系0番台基本編成の走行が朝夕にあるほか、E501系充当列車があるため、日中時間帯のみワンマン運転となりますが、いわき~原ノ町間では全列車でワンマン運転となります。このためいわき以北の各駅で発車メロディが車外メロディ(E531系に限りご当地メロディを流すことができる)に変更されます。また原ノ町始発いわき行きの最終列車の発車時間が繰り上がるほか、土浦以南の区間では10両編成から15両編成に増強する列車があります(一部は勝田発着があり、土浦で増解結を実施)。

中央線では特急『成田エクスプレス』が八王子~新宿間で乗り入れを終了することに伴い、通勤特快や特急列車の待避駅が変更となることから、早朝時間帯の上り快速列車の所要時間を短縮するほか、日中時間帯に大月発着列車を5往復増発し(中央特快・1時間1本以上が大月発着になる)、利便性を向上するほか、青梅線・五日市線では立川と武蔵五日市の直通列車を増やすことで拝島(JC-55)での乗り継ぎをなくし利便性を向上します。

鶴見線では全列車で205系1100番台が使用されていますが、12月24日から営業運転を開始するE131系1000番台に置き換えられ、ワンマン運転を開始します。鶴見以外の各駅に発車メロディはありませんが、鶴見3番線・4番線の発車メロディは聞き納めとなります。乗降の際には半自動ドアスイッチの操作が必要となるかもしれません。

それ以外の路線については、相模鉄道直通列車では夜間帯の運転本数を見直す代わりに早朝時間帯に新宿発着1往復を増発します。横浜線では朝夕時間帯(平日5往復・土曜休日7往復)の根岸線直通列車(主に桜木町(JK-11)発着)を増やします。相模線では早朝・夜間帯の海老名以北の利便性向上のため、海老名発着列車を橋本まで延長します。南武線では平日の快速列車の川崎(JN-01)始発、立川(JN-26)始発の発車時刻を分かりやすくします。宇都宮線・高崎線では一部の快速列車(前者はラビット、後者はアーバン)の普通列車への格下げがあり、前者については上野(JU-02)発21時台~22時台、宇都宮発19時台~20時台のラビットが運転取り止めに、後者については上野発20時台~22時台、高崎発16時台~20時台のアーバンが運転取り止めとなるため、上りの快速ラビットが1本のみ、上りの快速アーバンが無くなり、夜間は下りの快速ラビットは3本、下りの快速アーバンは2本のみとなります(ただし両路線ともに午前にも下り2本は残る可能性がある)。東海道線の快速アクティー(現在は消滅済み)も晩年は夜間の下り2本だけでしたから、快速アクティーのようにいずれは消滅してしまう可能性はゼロではないかもしれません。

これ以外にも運転本数の増減や運転区間の延長短縮となる列車がありますので、各最寄路線の支社別の発表を細かく確認しておきましょう。