2020年10月31日

【制御装置更新へ】相模鉄道10000系10702F(10両固定編成)が東日本旅客鉄道長野総合車両センターに入場

2020年10月27日から30日にかけて、相模鉄道10000系10702F(10両固定編成)が制御装置の更新工事のため東日本旅客鉄道長野総合車両センターまで甲種輸送されました。
▲相模鉄道10000系10702F(10両固定編成)が10701Fに続いて制御装置更新のため相模貨物ターミナルから国鉄色のEF65形2096号機に導かれ、長野総合車両センターに入場した。

この編成は3代目塗装への変更に向けた準備段階として長野総合車両センターでの制御装置の更新工事に入るものと考えられます。10000系10702Fは10701Fの次に登場した10両固定編成であり、東日本旅客鉄道長野総合車両センターに入場する10000系はこれで2編成目となります。前回の10701Fでは制御装置を更新して2代目塗装のまま出場しましたが、制御装置確認などのため試運転は実施するものの営業運転にはつかず、そのあと3代目塗装となっています。このため10702Fも制御装置更新のあと来年度の3代目塗装への変更を想定した動きになるものと思われます。10000系で残る制御装置未更新の編成は8両固定編成(全5編成)と10両固定編成の10708Fのみとなります。今冬は録音のチャンスかもしれません。

2020年10月30日

【1編成8両に増強】東京都交通局三田線向け新型車両『6500形』を導入へ

2020年10月29日、東京都交通局が三田線と直通運転先の東急電鉄目黒線で使用している既存車両6300形の後継車両となる新型車両の導入を発表し、その形式を『6500形』とすることが発表されました。
▲三田線の既存車両6300形1次車・2次車の後継として導入される新型車両は『6500形』に。この形式の投入で1次車・2次車(制御装置がGTO素子)の13編成が置き換えられるが、既存車両が6両編成であるのに対し運用範囲の各路線の車両増強を見越して当初から8両編成で登場することになる。

東京都交通局の公式ホームページを確認するとすでに実車として6500形の写真が掲載されており、既存車両とは全く異なる前面部の顔つきに衝撃を受けました(ただし地下鉄車両のため前面貫通扉はある)。同形式のトップナンバーは6501Fとなっており、ここからは一部個人的な予想が含まれますが、編成は6501-1+6501-2+6501-3+6501-4+6501-5+6501-6+6501-7+6501-8となっていて、6501-1と6501-8が制御車、6501-4と6501-5が中間付随車、それ以外の4両は中間電動車と思われます。前面部・側面部ともに種別行先案内表示器はフルカラーLED式で駅ナンバリングに対応しているほか、車内には全車両(各号車)に車椅子やベビーカーでも利用できるフリースペース、首都圏新都市鉄道TX-3000系と同じ横長のLCD式の旅客案内表示器が搭載されているほか(千鳥配置で車内防犯カメラもある)、吊革の形状が旅客用扉付近と座席付近で少し変わっており、一部はその高さが下げられています。車内照明はLED式、制御装置はSiC素子を使用しているほか、ラッシュ時間帯でのスムーズな乗降のため乗降口付近を広くとっています。

この形式は最終的に志村車両検修場に8両13編成(104両)が導入され、6300形1次車・2次車の6両13編成(78両)を置き換えていくものと思われます。置き換え対象よりも26両多いのは6500形が運用路線での8両編成化への増強に備えて新製当初から8両編成で登場するためであり(東急電鉄3020系も当初から8両編成で登場しているが、早めに営業運転に投入することを考えて付随車2両を抜いて営業運転に投入されている)、既存車両の置き換えを兼ねているためです。公式ホームページの写真にあった6501Fから6513Fまでが導入され、既存車両の6300形の6301F~6313Fの動向が注目されます。

【終電繰上でどうなる?】東日本旅客鉄道が2021年3月ダイヤ改正での終電繰り上げの詳細を発表

2020年10月21日に東日本旅客鉄道が発表した2021年3月実施のダイヤ改正で行われる首都圏エリアの終電繰り上げの詳細が判明しました。これは新型コロナウィルスの感染拡大の影響による終電間際の利用者減少および鉄道の保守整備の時間確保及びそれのスピードアップによるサービス向上を目的としたものと思われます。こうなると終電間際の種別行先に大きな影響が出そうですね。今回は路線別に記載します。

なお終電繰り上げは首都圏エリアの大半の17路線、初電繰り下げは5路線となっています。時間の繰り上げ・繰り下げの時間分数によってはこの先の乗り継ぎのダイヤも大きく変わる可能性があるので、2021年3月のダイヤ改正以降は初電(5路線)と終電間際での発着時刻と行先にご注意ください。ただし金曜日など土日祝日や連休に近い日などは“3密”を避けるために臨時列車を増発して運転する可能性があるので、その情報を頭に入れておけば、終電間際に賢く帰宅ができるかもしれません。

【山手線】
▲山手線で運用されるE235系0番台(東トウ・写真は43編成と49編成)。この系列は上野東京ライン開業に伴う運用数の変化でE231系500番台よりも2編成(22両)少ない50編成(550両)の導入だが、終電の繰り上げで運用数がさらに減って予備車が増えるかもしれない?

山手線の場合、外回りは全体的に約20分近い繰り上げが多く、特に若者の多い渋谷(JY-19)では約19分の繰り上げとなります。同駅外回りの時刻表基準で見ると現行ダイヤと比べると1本減ですが、来年3月以降は終電で最遠で池袋(JY-13)の各駅まで北上するには現行よりも約20分早く渋谷1番線ホームに辿り着いていないといけません。なおホームの拡幅工事などが進められている品川(JY-25)では終電で最遠でも五反田(JY-23)以北の各駅へと向かうには現行よりも約20分前に品川2番線ホームに辿り着いていないといけません。ただし大崎(JY-24)へは時刻繰り上げはありそうですが、最終池袋行きの後にも何本かはありそうです。

内回りは全体的に西半分の池袋・新宿・渋谷発で約20分の繰り上げですが、東半分の品川・東京(JY-01)・上野(JY-05)発では現行どおり(変更なし)となっています。ただし渋谷発基準で内回り終電を使って品川まで向かう場合は現行よりも約26分の繰り上げとなるので十分に注意してください。これは本来の品川行きの列車が2021年3月以降は池袋行きに短縮となるためであり、池袋から品川へ内回り列車で向かうには現行よりも約30分前程度に池袋6番線ホームに辿り着いていないといけません。

【京浜東北線・根岸線】
▲京浜東北線と根岸線で運用されるE233系1000番台(宮サイ)。この路線では終電繰り上げのほか初電の繰り下げが実施される。今後は初電・終電の時刻に細心の注意が必要だ。

京浜東北線では品川(JK-20)5番線ホーム発基準で掲載されている南行についてはばらつきがありますが、特に桜木町(JK-11)行きは現行よりも30分以上の繰り上げとなるほか、磯子(JK-06)行きでも現行よりも約25分の繰り上げとなります。南行の場合は最短で蒲田(JK-17)までであっても現行よりも約15分以上繰り上がるので注意しましょう。一方の北行では上野(JK-30)1番線ホーム発基準で赤羽(JK-38)~南浦和(JK-42)間が現行どおりである以外の区間では約20分前後の繰り上がりとなり、京浜東北線終電で浦和(JK-43)以北へ移動する場合は現行ダイヤよりも約25分早く、赤羽までの各駅の場合は現行ダイヤよりも約20分早くホームに辿り着いていないといけません。ただし京浜東北線と並走している宇都宮線・高崎線の各停車駅間のみを移動する場合はその限りではありません

またこの路線では初電の繰り下げも実施され、赤羽~東十条(JK-37)間のみ約12分、根岸線桜木町~大船(JK-01)間は僅か約3分の繰り下げとなっていますが、それでも早朝4時台からの運行であり、それ以外の区間はほぼ現行どおりになります。

【東海道線】
▲東海道線で運用されるE231系1000番台・E233系3000番台(いずれも横コツ)。終電間際では2015年の上野東京ライン開業以降数少なくなった東京(JT-01)・品川(JT-03)発着列車となっている(列車番号に“M”が入る)。

東海道線では下り最終列車の745M列車を基準に記載されており、途中の平塚(JT-11)までは現行どおりですが、主に同駅以西で時刻が繰り上がり、国府津(JT-14)では約7分、小田原(JT-16)では約15分繰り上がります。こうなると現行ダイヤの745M列車は小田原行きから平塚行きに短縮される可能性があるかもしれません。このため東京・品川から平塚以西に行くには現行よりも約20分程度早く両駅の東海道線下りホームに辿り着いていないといけません。

【横須賀線】
▲横須賀線で運用されるE217系(横クラ)。E235系1000番台が投入されるのは2021年3月の改正前後の可能性はありそう。現行ダイヤでは久里浜(JO-01)行き終電は東京(JO-19)発基準で逗子(JO-06)行き終電の2本前、大船(JO-09)行きの1本前に設定されている。

横須賀線では久里浜行きは2229S列車、逗子行きは2381S列車を基準に記載されており、大船までは現行どおりですが、同駅以遠は約20分ほど繰り上がります。横須賀線終電で大船以遠に向かう際には十分注意が必要です。東京発の横須賀線最終は最遠でも大船行きに短縮される可能性があるかもしれません(鎌倉車両センター入庫)。

【南武線】
▲南武線川崎(JN-01)~立川(JN-26)間で運用されるE233系8000番台・8500番台(横ナハ)。南武線では支線の終電時刻変更はないものの、本線側では一部区間を除いて全体的に約10分前後の繰り上がりとなる。

南武線の場合、稲城長沼(JN-18)→立川間のみ現行どおりである以外はほぼ全体的に約10分前後の繰り上がりとなり、立川発の上りは全区間で約10分の繰り上がりに対し川崎発の下り基準で登戸(JN-14)までは約15分程度の繰り上がりとなります。川崎から登戸へ終電で移動するには川崎5番線・6番線ホームに現行よりも約15分早く辿り着いていないといけません。

【横浜線】
▲横浜線で運用されるE233系6000番台(横クラ)。ほぼ全体的に時刻が繰り上がるが下りの八王子(JH-32)行きは現行どおりであるほか、上りの町田行きが約15分の繰り上がりである以外は僅か約3分の繰り上がりである。こうなると町田行きの終電は橋本止まりに短縮か。

横浜線の場合ほぼ全体的に時刻の繰り上がりがありますが、下りの八王子行きは現行どおりで橋本(JH-28)行きが全体的に約12分の繰り上がり、上りは八王子発の町田(JH-23)行きが約15分繰り上がる以外は僅か約3分の繰り上がりにとどまります。ただし最終の町田行きが橋本行きに短縮されることが予想されるため、橋本以南町田までの各駅へ終電で向かうには現行よりも約15分早く横浜線ホームに辿り着いていないといけません。

【中央線・青梅線】
▲中央線・青梅線で運用される209系1000番台とE233系0番台(写真)。こちらは現行どおりの五日市線を除き下り終電の繰り上がり幅が全区間で大きく、特に青梅線青梅(JC-62)以西(東京アドベンチャーライン)では約37分の繰り上がりとなる。

中央線・青梅線の場合、下りで全体的に終電の繰り上がり幅が大きく、中央線運用のメインである東京(JC-01)~高尾(JC-24)間で約30分の繰り上がりとなります。さらに先の大月(JC-32)までも約16分の繰り上がりですから、中央線沿線の方には影響が大きくなりそうです。青梅線では青梅までは約22分繰り上がりであるのに対し、同駅以西では約37分の繰り上がりとなります。しかもその列車は青梅まで10両編成で運転し、青梅で6両側を切り離す列車でもあるので(しかも翌朝は中央線直通列車になる)、終電で青梅以西に帰るためには現行よりも約40分前にホームにいないといけませんので、利用者は少なめですが大変そうです。

【武蔵野線】
▲武蔵野線で運用される209系500番台およびE231系0番台・900番台。終電繰り上がりは南浦和(JM-25)~府中本町(JM-35)間のみで南浦和~西船橋(JM-10)間は現行どおりである。

武蔵野線の場合、下りではを基準として東所沢(JM-30)~南浦和間は約4分の繰り上がりとなりますが、府中本町~東所沢間は約26分の繰り上がりとなり、府中本町~新秋津(JM-31)の各駅から東所沢へ終電で移動する際には現行ダイヤよりも約30分程度早くホームに辿り着いていないといけません。一方の上りでは南浦和~東所沢間は現行どおりですが、東所沢以遠では約12分程度繰り上がります。終電で府中本町方面へ移動する際には現行よりも約15分前後早くホームに辿り着いてないといけません。

【中央線・総武線各駅停車】
▲中央・総武線で運用されるE231系0番台全車4扉車とE231系500番台(写真・いずれも八ミツ)。こちらは終電繰り上げのほかに初電の繰り下げが実施され、末端に近い区間の三鷹(JB-01)~中野(JB-07)間と津田沼(JB-33)~千葉(JB-39)間で約15分前後となる。

中央・総武線各駅停車の場合、西行・東行ともに御茶ノ水(JB-18)発を基準として西行では中野まで約7分であるのに対し三鷹までは約25分と3倍以上の時間繰り上げとなります。両駅には車両基地(中野は車両が所属していない中野電車区があり、三鷹は東京地下鉄東西線直通用のE231系800番台も所属する三鷹車両センターがある)があるため、三鷹行きの一部が中野行きに短縮される可能性があります。西行終電で中野以西に向かう際には現行ダイヤよりも25分以上早くホームに辿り着いていないといけません。一方の東行では津田沼までは約16分であるのに対し千葉までは約23分の繰り上げとなります。東行終電で津田沼以東に向かう際には現行ダイヤよりも約25分程度早くホームに辿り着いていないといけません。ただし錦糸町(JO-22,JB-22)以東で並走する総武快速線は初電繰り下げなどの変更はないため、総武快速線の各停車駅間を終電で移動する場合はその限りではありません

【京葉線】▲京葉線で運用される209系500番台千ケヨ34編成とE233系5000番台。下りの終電は現行ダイヤでは新習志野(JE-12)行きでも海浜幕張(JE-13)行きでもなく蘇我行きである。ただ来年3月以降は海浜幕張以遠の終電繰り上げ幅が大きいため、新習志野行きに短縮となる可能性もありそうだ。

京葉線の場合、現行ダイヤの終電は東京(JE-01)発の2423Y列車を基準に掲載されており、新習志野までの各駅は約11分の繰り上げに対し同駅以遠は2倍以上の約30分の繰り上げとなっています。なお京葉線列車のみで考えると、終電間際に新習志野および海浜幕張で終点になる列車はなく、蘇我行きか蘇我以遠(内房線君津および外房線上総一ノ宮)に向かう列車がほとんどです(しかもそこで滞泊となる運用もある)。こうなると終電の行先が蘇我から京葉車両センターに近い新習志野に短縮される可能性もありそうです。

【宇都宮線・高崎線】
▲宇都宮線・高崎線で運用されるE231系1000番台・E233系3000番台(いずれも宮ヤマ)。上野(JU-02)発基準で宇都宮線黒磯行き(1644E列車で熱海[JT-21]始発)を除き、東海道線と同じく終電は上野東京ラインに直通しない上野発着であり、高崎線863M列車は終着が籠原ではなく高崎であり、高崎到着時刻が関東首都圏を発車する列車で最も遅い(25時37分)。

宇都宮線・高崎線の場合、いずれも上野発、宇都宮線は565M列車、高崎線では高崎以遠を除き863M列車を基準に掲載されており、いずれも宇都宮線は小金井を超えて宇都宮まで、高崎線は籠原を超えて高崎まで運転されています。小金井または籠原までは現行どおりですが、両駅以北で繰り上がりとなり、宇都宮までは約24分、高崎までは約21分の繰り上がりとなります(高崎車両センターに近い上越線新前橋までは約37分繰り上げ)、こうなると関東首都圏で最も遅く到着する高崎線終電も2021年3月ダイヤ改正前日までとなり、終電の行先が宇都宮行き・高崎行きから小金井行き・籠原行きにそれぞれ変更となる可能性があります。

【埼京線・川越線】
▲埼京線全線と川越線大宮(JA-26)~川越間で運用されるE233系7000番台(宮ハエ)と東京臨海高速鉄道70-000形。新宿(JA-11)以南は相模鉄道直通列車を含めてほぼ現行どおりだが、北行では赤羽(JA-15)までの各駅で約20分の繰り上げ、赤羽以北~大宮間は現行どおりであるが、川越線直通では約13分繰り上がる。

埼京線の場合、池袋(JA-12)発の北行基準で赤羽以北の終電は新宿24時00分発の川越行き、赤羽までの各駅はそのあとに2本あります。それを繰り上げ、赤羽までの各駅は約20分、大宮以北の川越線各駅へは約13分の繰り上げとなります。日進以北へ終電で帰宅する際には現行ダイヤよりも約15分前後早くホームに辿り着いていないといけませんし、赤羽までの各駅であれば約20分早くホームに辿り着いている必要があります。なお相模鉄道直通列車などに変更はありません。

【常磐線(快速列車)】
▲常磐線上野(JJ-01)~取手(JJ-10)間で運用されるE231系0番台(東マト)と常磐線の原ノ町までの定期運用があるE531系0番台・3000番台(水カツ)。こちらは取手~土浦間を除き終電が約20分前後繰り上がるほか、下り上野~松戸(JJ-06)間と上り取手~松戸間の初電の繰り下げも実施される。

常磐線(快速)の場合、上野発を基準に取手~土浦間が現行どおりである以外は現行ダイヤよりも約20分前後の繰り上げが実施され、最大で取手まで(直流電車の末端区間)と勝田まで約23分の繰り上げとなります。勝田行きの終電は品川始発の上野東京ライン列車、土浦行きの終電は上野発で設定され、いずれもE531系の充当列車ですが、取手までの区間の終電は上野発で設定され、グリーン車のないE231系0番台の充当列車となっています。また初電の繰り下げも実施され、下りでは上野~松戸間で現行よりも約3分、上りでは取手~松戸間で現行よりも約9分の繰り下げとなります。この区間の初電もほとんどE231系0番台の充当列車です。

【常磐線(各駅停車)】
▲常磐線各駅停車の綾瀬(C-19,JL-19)~取手(JL-32)間で運用されるE233系2000番台(写真右端)。この区間では小田急電鉄4000形(写真左端)と東京地下鉄16000系(写真中央)が乗り入れており、主に松戸車両センター本所と我孫子派出所を出入庫するほか、綾瀬検車区で滞泊する車両もある。こちらも終電繰り上げと初電繰り下げが実施される。

常磐線各駅停車の場合、綾瀬発を基準として我孫子(JL-30)までほぼ全体的に約15分~16分の繰り下げとなります。基本的に終電間際でも直通運転を行っている東京地下鉄千代田線内の発着が多いですが、最終列車に近いものでは綾瀬検車区入庫を兼ねた綾瀬発着列車のほかに北千住(C-18)発着列車があります。北千住発着列車は綾瀬~北千住間が千代田線ですが、この区間は常磐線との重複区間でもあり、常磐線内完結列車と捉えることもできなくはありません。こういったレアな列車にも影響が出そうですね。また初電車は松戸以北で約16分の繰り下げとなります。松戸車両センター出庫列車に北千住方面と我孫子方面の両方向がありますので、我孫子方面を繰り下げる形になります。

これまで長々と路線別に記述してきましたが、2021年3月のダイヤ改正で首都圏の在来線の終電繰り上げに伴って、ある問題がでてきます。それは“GoToトラベルキャンペーン”などで旅行から帰宅する場合や出張から帰京するときなど、東京を発着する各新幹線から在来線の乗り継ぎ(終電間際の利用)でどこまで移動できるか、ということです。
▲東北新幹線では現行ダイヤの盛岡20時29分発の『やまびこ70号』(70B列車)、上越新幹線では現行ダイヤの新潟21時35分発の『Maxとき350号』(350C列車)のいずれかを利用した場合、在来線で乗り継ぎしても東海道線の大磯(JT-12)~小田原間と横須賀線の北鎌倉(JO-08)~逗子間には到達できなくなる。
▲北陸新幹線では現行ダイヤの金沢21時00分発の『かがやき518号』(3518E列車)を利用した場合、在来線で乗り継ぎしても東海道線の鴨宮(JT-15)・小田原と横須賀線の北鎌倉~逗子間には到達できなくなる。
▲東海旅客鉄道がN700系(2代目0番台[N700Sタイプ]・1000番台・2000番台・3000番台・4000番台・5000番台)を使用して運行する東海道新幹線では新大阪21時24分発の『のぞみ64号』を利用した場合、新横浜(JH-16)・品川などで途中下車すれば不可能ではないが在来線で乗り継ぎしても青梅線区間、南武線登戸以北の各駅、横須賀線逗子以遠の各駅、常磐線は天王台(JJ-09,JL-31)・取手の各駅には到達できなくなる。

最初に東北・北海道・秋田・山形・北陸・上越新幹線からですが上り列車で東京に23時30分過ぎに到着する新幹線に影響が出てきます。上記の東北新幹線・上越新幹線の2列車から乗り継ぎとなると、東海道線では終電が平塚行きとなる、横須賀線では終電が大船行きとなることが予想されるため、それぞれ同駅以遠には辿り着けません。さらに北陸新幹線の上記列車から乗り継ぎとなると、東海道線では国府津行き、横須賀線では大船行きとなることが予想されるため、両駅以遠の各駅には辿り着けません。東海道新幹線からの場合は新横浜または品川で途中下車して乗り継いでも青梅線の各駅、南武線登戸以北の各駅、横須賀線逗子以遠の各駅、常磐線は天王台・取手の各駅へは辿り着けません。そのため今後夜遅くの新幹線で帰京する場合など注意が必要です。その場合に備えて新幹線列車の変更などを検討した方がいいと思います。

本来は東京五輪開催に備えて終電繰り下げなども検討されましたが、新型コロナウィルスの流行により、東京五輪の開催が延期されたほか、もともと線路保守点検の時間をさらに確保する必要性があったことも相まってか逆に終電繰り上げと初電繰り下げの発表へと至りました。新型コロナウィルスとともに共存して日々の生活を送る“Withコロナ”のなかで鉄道もそれに合わせて変わっていくものではないかと感じてくることでしょう。来年3月以降の初電および終電の時刻には十分注意し、周辺の大手私鉄などの終電に関する最新情報にも注意して鉄道を利用していってほしいと個人的には思います。

2020年10月27日

【貴重な白い車体】小田急電鉄8000形8255Fのクハ8255・デハ8205が大野総合車両所から搬出される

2020年10月中旬に運用を離脱し、空調装置などが撤去された小田急電鉄8000形8255F(6両固定編成・チョッパ制御更新車)の新宿(OH01)寄り2両のクハ8255・デハ8205が同年10月27日に車体を分割のうえ大野総合車両所から搬出され北館林荷扱所まで陸送されました。
▲踏切事故に巻き込まれた8000形8264F以外で初めて経年劣化による廃車除籍処分となった8255Fのクハ8255とデハ8205が大野総合車両所を去る。2012年に初代の5000形(4両固定編成・6両固定編成)が引退して唯一の白いボディである8000形だが8251Fの動きに注意だ。

先に廃車除籍処分となった1000形1054F・1081F(付随車以外の6両)が車体を分割のうえで2両ずつ搬出されているので、今回の8000形8255Fも2両ずつを3回に分けて搬出されていくものと思われます。これで唯一残る界磁チョッパ制御更新車の8251F(6両固定編成)の動向が注目されることになります。今後もしものことですが8251Fが廃車除籍処分となると同形式から界磁チョッパ制御車両が消滅し、小田急電鉄の保有車両すべてがVVVFインバータ制御車両となります(通勤形電車のVVVFインバータ化100%が実現する、ただしロマンスカーは“LSE”7000形7004Fの引退で全車両がVVVFインバータ制御車両となっている)。この次はデハ8305とデハ8405、そしてデハ8505とクハ8555で搬出されていくことでしょうね。

【8000形の在籍状況】※2020年10月27日現在
4両固定編成…16編成(64両) 6両固定編成…14編成(84両) 合計148両

《4両固定編成》16編成(64両)
8051F・8052F・8053F・8054F・8055F・8056F・8057F・8058F・8059F・8060F・8061F・8062F・8063F・8064F・8065F・8066F
《6両固定編成》14編成(84両) 
8251F・8252F・8253F・8254F・8256F・8257F・8258F・8259F・8260F・8261F・8262F・8263F・8265F・8266F

【廃車除籍済編成】2編成(12両)
《4両固定編成》0編成(0両)
《6両固定編成》2編成(12両)
8255F・8264F
※8264Fは踏切事故による廃車

【8255Fの編成組成】※青色が搬出された車両
クハ8255+デハ8205+デハ8305+デハ8405+デハ8505+クハ8555

2020年10月25日

【引退から約8年】小田急電鉄ロマンスカー“RSE”20000形、ロマンスカーミュージアム搬入準備へ

2020年10月24日終電後に、小田急電鉄ロマンスカー“RSE”20000形20001Fのデハ20001とサハ20151が大野総合車両所での車体洗浄作業などの整備を受け、4両固定編成の1000形1068Fに牽引され海老名検車区へ回送されました。この2両もロマンスカーミュージアムでの展示のため搬入されるものとみられます。
▲2012年3月のダイヤ改正で引退したロマンスカー”RSE”20000形の先頭車のデハ20001と2階建て車両のサハ20151がついに海老名検車区へ。両者ともロマンスカーミュージアムへ搬入されるものとみられる。2階建て車両の『スーパーシート』が非常に懐かしい。
▲保存車両のデハ20001とサハ20151を海老名検車区に導いた1000形1068F。保存車両が連接台車でないため、4両固定編成の1068Fによる牽引の形がとられ、クハ1068の後ろにはサハ20151が連結された。

今回輸送されたロマンスカー“RSE”20000形のデハ20001とサハ20151は上り方先頭7号車の下枠交差式パンタグラフを搭載する制御電動車と4号車の2階建て中間付随車で、同形式を当時の特急『あさぎり』(現在の『ふじさん』)だけでなく『はこね』として使用することも考慮して7両固定編成とされていました。同形式の3号車と4号車に2階建て車両(中間付随車)が組み込まれ、3号車1階席は普通席、4号車1階席はセミコンパートメント3室に対し2階席は特別席とされ『スーパーシート』と呼ばれていました(『あさぎり』は2階席はグリーン車として使用)。なお『スーパーシート』に着席する際には通常の特急料金に加えて特別料金(スーパーシート料金)が必要でした。このロマンスカー“RSE”20000形は20001Fと20002Fの7両2編成(14両)が在籍、当時静岡車両区に在籍していた東海旅客鉄道371系静シスX1編成(現在は富士急行8500系)とともに2012年3月ダイヤ改正前日まで『あさぎり』を中心に運用され、371系が使用できない時に限り同系列の代走運用に使用されることもありましたね。引退後は元20002Fのうちデハ20002・サハ20052・デハ20302の3両が山梨県の富士急行に譲渡され、富士急行8000系として『フジサン特急』に使用されています。元20001Fは輸送された2両に加えて下り方先頭1号車のデハ20301とともに保存されていましたが、運用増加に伴う保存車両の一部解体によりデハ20301のみが解体処分となっていました。これで保存車両のロマンスカーは“RSE”をもってすべて搬入されることになりそうです。一方で海老名検車区西側の49番構内留置線横にある車両保管スペース(元々ロマンスカー“SE”初代3000形が静態保存されていた場所)にはすでに引退した通勤形電車の一部(2200形2両・2600形・9000形1両ずつ)が保存されていますが、これらの車両は引き続きその場所に保存するのでしょうか?

ところで1000形1068Fがロマンスカー“RSE”20000形2両を牽引中に、残念なことに悪質な鉄道ファンによる非常に遺憾な行為がありました。途中の座間(OH31)では鉄道ファン3名が終電後の上り2番ホームに乱入する騒ぎがあり、一時徐行運転で通過中の牽引列車が緊急停止して発見した乗務員がその3名を追跡する場面がありました。こういう行為は同じ鉄道ファンの人間として遺憾極まりない行為であり、その3名については処罰されるべき案件だと思っております。場合によってはその詳細な状況を鉄道会社が確認すれば被害を訴えることが可能なわけですから、こうした行為は今後も絶対にすべきではありませんし決して許されるべきものではありません。別件ではありますが、東日本旅客鉄道205系5000番台千ケヨM20編成のラストランの時にも一部の鉄道ファンによる行為で問題になっており、心が痛いです。

2020年10月24日

【埼京線内代走運用想定?】相模鉄道12000系12104Fが東日本旅客鉄道川越車両センターに貸し出された理由

2020年10月19日に相模鉄道かしわ台車両センター所属の12000系12104Fが新横浜線経由で東日本旅客鉄道川越車両センターへ自走回送され、埼京線新宿(JA-11)以北には約8ヶ月ぶりに入線したようです。川越車両センターに貸し出されたものと思われます。
▲東日本旅客鉄道埼京線直通列車に使用される12000系12104Fが埼京線新宿以北へ足を踏み入れた。12000系がダイヤ乱れなどの際に埼京線新宿以北でも運用されたことがあるが、それとは別の目的があるようだろうか。

これは2019年3月に新設された埼京線板橋(JA-13)に隣接する留置線に入るための確認試験のために貸し出されたものと思われます。2019年11月の直通運転開始以降は12000系は現時点で新宿以北に直通しませんが(基本的にE233系7000番台での運用となる)、E233系7000番台の埼京線中心の運用に板橋での留置線に入る運用が設定されているために、今後も12000系が代走で新宿以北で運用されることも考慮してその試験を行った可能性が十分に考えられます。同系列の留置中にE233系7000番台だけではなく東京臨海高速鉄道70-000形とも並び(ただし新宿以南ではすれ違うことがあり、並ぶ光景は見られなくはない)、埼京線を走る3系列が並ぶなど珍しい光景となりました。12000系の運用は直通列車だけでなく自社の横浜(SO-01)発着の運用もあるために確率はかなり低いですが同系列の新宿以北での定期運用が実現すると面白そうですね。

2020年10月23日

【各1編成ずつに】東京臨海新交通7300系7351Fと7500系7561Fに『ゆりかもめ開業25周年』ヘッドマーク

2020年10月16日から、東京臨海新交通ゆりかもめの7300系7351Fと7500系7561Fに『ゆりかもめ開業25周年』ヘッドマークが掲出されています。これは同年11月に開業25周年を迎えることから、それを記念して7300系と7500系の各1編成ずつに掲出されているものです。
▲『ゆりかもめ開業25周年』ヘッドマークを掲出した7300系7351F。前面部・側面部に『35』と書かれた車両が当該である(写真は画像加工済み)。このヘッドマークは7300系の改良タイプである7500系7561Fにも掲出されており、こちらは前面部・側面部に『56』と書かれた車両が当該である。

東京臨海新交通ゆりかもめは1995年に新橋(U-01)~有明(U-13)間が開業し、2006年に有明~豊洲(U-16)間が延伸開業し、現在の形態となっています。開業当時は片開きの7000系18編成(7011F~7181F)と7200系8編成(7211F~7281F)が使用されてきましたが、7300系18編成(7311F~7481F)と7500系8編成(7511F~7581F)にすべて置き換えられ、7200系で最後まで残っていた7261Fが引退したばかりです。なお7351Fと7561Fに掲出されているヘッドマークは11月15日までなので、約1ヶ月間の限定となっています。

【5+5の組成】相模鉄道7000系7751F(10両固定編成)が営業運転から離脱

2020年10月18日の土曜休日65運用を最後に相模鉄道7000系7751F(10両固定編成)が営業運転から離脱しかしわ台車両センターに留置されているようです。営業運転を行っている7000系は7754Fのみとなっています。
▲相模鉄道に残る7000系のうち5+5の組成となっていた7751Fが営業運転を離脱。

この編成は20000系20105Fが甲種輸送されたタイミングで運用を離脱しているため、動向が注目されています。中間の5号車と6号車は制御車から改造の付随車(サハ7551・サハ7752)となっているため、廃車となると先頭車から改造された付随車が消滅するほか、中間に元先頭車を含む同系列が消滅することになります。7000系は11月上旬にかしわ台車両センターで行われるイベントで引退となり、系列消滅になりそうです。

2020年10月22日

【11000系と同数に】相模鉄道20000系20105Fが日立製作所笠戸事業所を出場、甲種輸送される

2020年10月19日、日立製作所笠戸事業所で製造された20000系20105F(10両固定編成)の甲種輸送がかしわ台車両センターまで行われています。なお途中の相模貨物ターミナルまでの牽引機はEF210形149号機です。
▲日立製作所笠戸事業所から5編成目の20000系が出場。この20105Fも10両固定編成で登場している。今年度分導入予定数(全6編成)の4編成目(合計5編成)で11000系の在籍数(5編成)と同数となったが、あと1編成登場すると12000系の在籍数(6編成)に並ぶ。

20000系はこの編成の登場で5編成目(合計50両)となりました。途中の相模貨物ターミナルからは5両ずつに分割され、数日間に分けてかしわ台車両センターに搬入されます。このときはすでに7000系(7751F・7754F)の引退が発表されており、“YOKOHAMA NAVYBLUE”の車両がだいぶ増えてきて主力になりつつあるのを実感しますね。今年度はあと2編成分が増備されるようですが、いまのところ10両固定編成のみで登場しているので、次も10両固定編成(20106F)となるでしょうか。

2020年10月21日

【全編成が海を渡る】東日本旅客鉄道205系5000番台千ケヨM20編成がインドネシアに譲渡される(42編成/42編成)

2020年10月21日、東日本旅客鉄道京葉車両センター所属の205系5000番台千ケヨM20編成がドアステッカーを撤去のうえインドネシアへの譲渡のためEF81形140号機の牽引で所属先から千葉貨物ターミナルまで配給輸送されました。なお千ケヨM20編成の最終運用は平日01E運用(新習志野[JE-12]~府中本町[JM-35]間の1往復のみ)でした。
▲京葉車両センターに最後まで残っていた205系5000番台千ケヨM20編成がインドネシアへ旅立った。これで武蔵野線向けの205系0番台・5000番台全42編成(336両)のインドネシア譲渡が完了することになる。

これで武蔵野線向けの205系の配給輸送列車は最後となり、当初からの予定通り全42編成がインドネシアに譲渡されることになります。最後尾の編成番号は『42』でデザインは薔薇の花束のデザインに英語で“Thank you”と書かれた『ジャカルタ』幕でした。武蔵野線向けの205系がインドネシアに向けて出発するときに前半の27編成(216両)は所属先から総合車両製作所新津事業所まで輸送し、新潟港よりインドネシアへ輸出される形でしたが、28編成目の千ケヨM1編成から所属先から千葉貨物ターミナルまで輸送し、千葉港からインドネシアに輸出される形に変更され、配給輸送経路の大幅短縮とインドネシアへの輸出の推進が図られました。武蔵野線から205系が姿を消したことにより、同路線は209系500番台11編成(菱形パンタグラフ車4編成、自動放送非対応3編成)とE231系0番台33編成(自動連結器あり1編成、車外スピーカー設置準備工事あり3編成)・900番台(試作車・千ケヨMU1編成)の2系列3タイプに置き換えが完了となりましたが、一部で細かい差異がみられるので面白いですね。E231系0番台千ケヨMU22編成(元東マト118編成)の転入で京葉線カラーで唯一残っている209系500番台千ケヨ34編成の武蔵野線転入の可能性はほぼ無くなったものと思われます(試作車的扱いで故障頻発で廃車となったE331系千ケヨAK1編成の穴埋めの影響もある)。

【事故廃車以外では初】小田急電鉄8000形8255F、廃車除籍処分へ

2020年10月20日、小田急電鉄大野総合車両所に休車状態で留置されていた8000形8255F(6両固定編成・チョッパ制御更新車)の空調装置やパンタグラフが撤去されています。同編成はVVVFインバータではない界磁チョッパ制御を維持したまま更新された編成であり、この動きから事故廃車以外では初めての廃車除籍処分になるものと思われます。
▲1983年に登場し、2002年度に8000形8251Fとともにリニューアルされたが界磁チョッパ制御更新車のまま残っていた8255Fの空調装置などが撤去された。この編成は廃車除籍処分となったか。残るチョッパ制御の車両はトップナンバーの8251Fのみで、その編成も廃車となるとデハ8400形が形式消滅となる(それ以外はリニューアル更新工事の際にデハ8400形からサハ8450形に変更されている)。
▲江ノ島線開業90周年ラッピング電車として運用された8000形8255F。界磁チョッパ制御のままリニューアルされたため連結器が2段化されなかったために併結できる形式が限定され、8059Fがリニューアル車となった2013年度以降は6両編成のA運用に入っていた。
▲動向に注意が必要な界磁チョッパ制御更新車の8000形8251F。このトップナンバーも1982年の登場から実に約38年と、徐々にベテランの域に入ろうとしている。しかしながら界磁チョッパ制御更新車もそう長くはないだろう。

同編成は登場から約37年間(リニューアルされてからは約17年間)に渡る活躍でした。同形式の4両固定編成に未更新編成が存在した時は10両編成のE運用にも充当されていましたが、2013年度に8059Fのリニューアルをもって未更新編成が消滅して以降は6両編成のA運用に充当されるなど単独運用が中心となっていました。またこの編成は江ノ島線開業90周年記念のラッピング電車として運用され、江ノ島線だけでなく小田原線の一部区間(日中時間帯では主に新松田[OH41]~小田原[OH47]間)や多摩線でも運用されることが多かったです。このあとは北館林荷扱所への陸送に向けた準備が進められそうです。なお8000形の廃車除籍は2007年度リニューアル車の8264Fが小田原線本厚木(OH34)~愛甲石田(OH35)間での踏切事故により廃車となりましたが、それに関係なく廃車除籍処分となるのは8255Fが初めてのことです。8255Fの廃車除籍処分により8000形の在籍数は4両固定編成が16編成、6両固定編成が14編成となり、同形式全体の在籍両数は148両となりました。今後は唯一の界磁チョッパ制御更新車である8251Fの動向が注目されることになりそうです。

8255F、約37年間におよぶ活躍お疲れさまでした。

【8000形の在籍状況】※2020年10月20日現在
4両固定編成…16編成(64両) 6両固定編成…14編成(84両) 合計148両

《4両固定編成》16編成(64両)
8051F・8052F・8053F・8054F・8055F・8056F・8057F・8058F・8059F・8060F・8061F・8062F・8063F・8064F・8065F・8066F
《6両固定編成》14編成(84両)
8251F・8252F・8253F・8254F・8256F・8257F・8258F・8259F・8260F・8261F・8262F・8263F・8265F・8266F

【廃車除籍済編成】2編成(12両)
《4両固定編成》0編成(0両)

《6両固定編成》2編成(12両)
8255F・8264F
※8264Fは踏切事故による廃車

【8255Fの編成組成】※左側が新宿(OH01)寄り
クハ8255+デハ8205+デハ8305+デハ8405+デハ8505+クハ8555

2020年10月20日

【武蔵野線を去る】東日本旅客鉄道205系5000番台の最後の1編成、千ケヨM20編成が営業運転を終了

2020年10月19日、東日本旅客鉄道京葉車両センター(千ケヨ)所属で最後の205系5000番台である千ケヨM20編成が武蔵野線での営業運転を終了しました。同日の最終運用は平日01E運用の500E列車(習0527→府0653)→701E列車(習0840←府0703)でした。これに伴い直通運転先の京葉線での運用も終了しました。
▲2002年から2005年と2008年に投入された武蔵野線向けの205系電車。写真の5000番台で最後まで残った千ケヨM20編成が営業運転を終えた。

この編成はインドネシアに譲渡するための準備に入ったものとみられます。同編成の先頭車はクハ205-5・クハ204-5と量産車のトップでもあり最古参ナンバーでもあります。電動車の5000番台を含めて新製当初は山手線向けの編成として使用されていました。中間の付随車は埼京線向けの編成から転用されたもので大窓仕様となっていました。この編成の運用離脱で武蔵野線仕様は消滅し、東日本旅客鉄道に残る205系は500番台の相模線仕様、600番台の日光線・宇都宮線仕様、1000番台の南武線支線仕様、1100番台の鶴見線仕様、3100番台の仙石線仕様となっています(他の鉄道会社では富士急行に譲渡された6000系がある)。

【搬入準備の整備へ】小田急電鉄ロマンスカー“RSE”20000形の保存車両が車体洗浄作業に

2020年10月19日、小田急電鉄ロマンスカー“RSE”20000形20001Fの上り方先頭車7号車のデハ20001と4号車の2階建て車両サハ20151が大野総合車両所での構内入換が行われ、車体洗浄作業を受けています。ロマンスカーミュージアムへの搬入準備とみられます。
▲2012年3月に初代5000形(4両固定編成・6両固定編成)とロマンスカー”HiSE”10000形とともに引退して約8年が経つロマンスカー”RSE”20000形(写真は2011年12月撮影、画像が粗いですが一部加工してあります)。

保存車両のロマンスカー“RSE”20000形のデハ20001とサハ20151は制御電動車と2階建ての中間付随車であり、当時の特急『あさぎり』(現在の『ふじさん』)のほか特急『はこね』として使用することも考慮され、後者の2階席は『スーパーシート』と呼ばれ(『あさぎり』では2階席は『グリーン車』として使用)、普通席(特急料金のみ)より高い料金設定となっていました(特急料金+スーパーシート料金)。同形式は当時の静岡車両区に在籍していた東海旅客鉄道371系(現在の富士急行8500系)とともに2012年3月ダイヤ改正前日まで運用されました。ロマンスカー“RSE”20000形は7両2編成(14両)が在籍し、このうちの元20002Fはデハ20002・サハ20052・デハ20302の3両が富士急行に譲渡され、富士急行8000系として『フジサン特急』に使用されています。これで保存車両のロマンスカーは“RSE”で最後になるでしょうか。

2020年10月19日

【旧形置き換え?】箱根登山鉄道3000・3100形“ALLEGRA”(3103+3104)が甲種輸送される

2020年10月16日から17日にかけて川崎重工業兵庫工場で製造された箱根登山鉄道3000・3100形“ALLEGRA”の2両が甲種輸送されました。車両は機関車次位からクモハ3103+クモハ3104となっています。
▲箱根登山鉄道3000形“ALLEGRA(アレグラ)”の2両固定編成が増備された。これで同形式は1両単車が3001~3004の4両、2両固定が3101+3102と3103+3104の合計8両となった。
▲箱根登山鉄道3000形“ALLEGRA”の最新鋭を牽引した新鶴見機関区のEF65形2067号機(現在は国鉄色となっている)。

3000形“ALLEGRA”が増備されるのはクモハ3003・クモハ3004以来のことです。クモハ3003・クモハ3004と同様に前照灯がLED化されているほか(2両固定編成では初めて)、一部仕様変更(抗菌仕様の採用)が行われているものと思われます。前回のクモハ3101+クモハ3102では東海旅客鉄道御殿場線の松田(CB04)まで輸送し、1両ずつに分割して小田急電鉄1000形4両固定編成(未更新車両)の牽引により入生田(OH50)に隣接する車庫まで輸送されていましたが、その場合御殿場線および小田急電鉄小田原線の終電を待ったうえで一部の箱根登山鉄道列車を運休にする措置がとられていました。今回はそれを可能な限り避けるためか富士(CA08,CC01)までの輸送となっているため、この先の輸送経路が注目されます。富士は東海道本線と身延線が接続するところですが、電化区間の身延線に行くことはそもそも考えにくいですし…。

2020年10月18日

【ちょっとおまけも】相模鉄道で20000系4編成をキャッチ?

10月17日、東日本旅客鉄道での撮影のあとは相模鉄道へ。まずは横浜(SO-01)にて。
8000系8705F。3023レ(土曜休日68運用)。
9000系9702F。2719レ(土曜休日65運用)。20000系20101F。6757レ(土曜休日44運用)。まず20000系のトップナンバー。
8000系8704F。3025レ(土曜休日64運用)。
9000系9705F。6759レ(土曜休日62運用)。同系列で唯一2代目塗装を経ず3代目塗装となった編成です。かなり珍しいですよね。
11000系11004F。1033レ(土曜休日45運用)。
11000系11001F。3027レ(土曜休日52運用)。この系列は当初の計画から変更となり、東日本旅客鉄道埼京線方面へは直通しない方針となったため、“YOKOHAMA NAVYBLUE”となっても横浜発着のみの運用となりそうです。
20000系20102F。6031レ(土曜休日55運用)。20000系増備車、横浜では初めての撮影。なお折り返し時間が短いため、気になる内装チェックは後回しです。
8000系8709F。2721レ(土曜休日58運用)。3代目塗装の8709F、横浜で初めて撮りました。
20000系20104F。6761レ(土曜休日54運用)。今度は20000系で今現在最も新しい20104Fに出会いました。
車内のLCD式旅客案内表示器は2画面となり、広告画面と停車駅案内画面が横並びとなりました。なお写真では写ってはいませんが千鳥配置で車内防犯カメラも設置されています。
車両間貫通扉の取っ手は20101Fの黒色に対し20102Fから灰色に変更されました。
一般座席よりも座高が少し高いユニバーサルデザインシートですが、20101Fでは優先席のみの導入であるのに対し20102F以降では一般座席の3人掛けにも導入されました。取っ手の色は黄色で優先席のユニバーサルデザインシートと同様です。また20101Fではユニバーサルデザインシートへの荷物棚の設置が省略されていましたが、やはり座席の下に荷物を置く機会が少ないからか、20102Fではユニバーサルデザインシートの上部にも荷物棚が設置されています。
8000系8708F。2021レ(土曜休日61運用)。8000系のフルカラーLED車で唯一の制御装置更新車。3代目塗装の8709Fは3色LED車でしたので、8000系の今後のリニューアルの予想となると3色LED車の編成を優先するのでしょうか?
10000系10707F。6763レ(土曜休日14運用)。
8000系8712F。1035レ(土曜休日42運用)。
10000系10704F。3029レ(土曜休日11運用)。珍しい8両編成の特急を見たところで先ほどの8000系8712Fに乗り、かしわ台(SO-17)へ。
20000系20103F。なんとかしわ台ではホームに留置されている20103Fを目撃。『59』と表示があるため、土曜休日59運用で出庫したものとみられます。これで20000系4編成を制覇することに。
雨の中かしわ台で降りたのはかしわ台車両センターへの経路を確認するため。もう間もなく引退となる7000系の記念イベントに当選した時のことを考えて徒歩ルートでの移動の確認のためです。
するとかしわ台車両センターの23番留置線に“YOKOHAMA NAVYBLUE”となった10000系10701Fの姿が。初めて間近で見ました。
『休車』の看板が掲出されていたので当面動かないものと思われます。車番の『10701』を収めました。番号など細かいところを見ないと11000系と見間違えるのも無理はありませんね。

撮影は以上になります。雨が降り続いていましたが撮影とロケハンした甲斐がありますね。