2020年10月21日

【事故廃車以外では初】小田急電鉄8000形8255F、廃車除籍処分へ

2020年10月20日、小田急電鉄大野総合車両所に休車状態で留置されていた8000形8255F(6両固定編成・チョッパ制御更新車)の空調装置やパンタグラフが撤去されています。同編成はVVVFインバータではない界磁チョッパ制御を維持したまま更新された編成であり、この動きから事故廃車以外では初めての廃車除籍処分になるものと思われます。
▲1983年に登場し、2002年度に8000形8251Fとともにリニューアルされたが界磁チョッパ制御更新車のまま残っていた8255Fの空調装置などが撤去された。この編成は廃車除籍処分となったか。残るチョッパ制御の車両はトップナンバーの8251Fのみで、その編成も廃車となるとデハ8400形が形式消滅となる(それ以外はリニューアル更新工事の際にデハ8400形からサハ8450形に変更されている)。
▲江ノ島線開業90周年ラッピング電車として運用された8000形8255F。界磁チョッパ制御のままリニューアルされたため連結器が2段化されなかったために併結できる形式が限定され、8059Fがリニューアル車となった2013年度以降は6両編成のA運用に入っていた。
▲動向に注意が必要な界磁チョッパ制御更新車の8000形8251F。このトップナンバーも1982年の登場から実に約38年と、徐々にベテランの域に入ろうとしている。しかしながら界磁チョッパ制御更新車もそう長くはないだろう。

同編成は登場から約37年間(リニューアルされてからは約17年間)に渡る活躍でした。同形式の4両固定編成に未更新編成が存在した時は10両編成のE運用にも充当されていましたが、2013年度に8059Fのリニューアルをもって未更新編成が消滅して以降は6両編成のA運用に充当されるなど単独運用が中心となっていました。またこの編成は江ノ島線開業90周年記念のラッピング電車として運用され、江ノ島線だけでなく小田原線の一部区間(日中時間帯では主に新松田[OH41]~小田原[OH47]間)や多摩線でも運用されることが多かったです。このあとは北館林荷扱所への陸送に向けた準備が進められそうです。なお8000形の廃車除籍は2007年度リニューアル車の8264Fが小田原線本厚木(OH34)~愛甲石田(OH35)間での踏切事故により廃車となりましたが、それに関係なく廃車除籍処分となるのは8255Fが初めてのことです。8255Fの廃車除籍処分により8000形の在籍数は4両固定編成が16編成、6両固定編成が14編成となり、同形式全体の在籍両数は148両となりました。今後は唯一の界磁チョッパ制御更新車である8251Fの動向が注目されることになりそうです。

8255F、約37年間におよぶ活躍お疲れさまでした。

【8000形の在籍状況】※2020年10月20日現在
4両固定編成…16編成(64両) 6両固定編成…14編成(84両) 合計148両

《4両固定編成》16編成(64両)
8051F・8052F・8053F・8054F・8055F・8056F・8057F・8058F・8059F・8060F・8061F・8062F・8063F・8064F・8065F・8066F
《6両固定編成》14編成(84両)
8251F・8252F・8253F・8254F・8256F・8257F・8258F・8259F・8260F・8261F・8262F・8263F・8265F・8266F

【廃車除籍済編成】2編成(12両)
《4両固定編成》0編成(0両)

《6両固定編成》2編成(12両)
8255F・8264F
※8264Fは踏切事故による廃車

【8255Fの編成組成】※左側が新宿(OH01)寄り
クハ8255+デハ8205+デハ8305+デハ8405+デハ8505+クハ8555