2021年1月31日

【代走運用です】小田急電鉄ロマンスカー“EXEα”30000形30054Fが土曜休日N75運用に充当で箱根登山鉄道に入線

2021年1月30日と31日、小田急電鉄ロマンスカー“EXEα”30000形30054F(4両固定編成)が所定では“MSE”60000形で運転される土曜休日N75運用に充当され、0709レ0052レの1往復で箱根登山鉄道に入線しました。通常は両形式の6両固定編成のみが箱根登山鉄道には入線し、4両固定編成は折り返しまで待機するため箱根登山鉄道に入線することはありません。
▲(イメージ)ロマンスカー“EXEα”30000形30054F(写真の手前4両側)が単独で土曜休日N75運用に充当され、0709レ0052レで箱根登山鉄道に足を踏み入れた。
▲(イメージ)同形式4両固定編成が箱根登山鉄道に入線するのは2019年12月以来のこと。このときは“GSE”70000形70052Fが相武台前(OH30)での人身事故の当該車両となったために土曜休日には予備留置のある“EXE”または“EXEα”の4両固定編成が急遽代走に使用されたのである。このときは30052Fが充当された。

ロマンスカー“EXEα”30000形4両固定編成が箱根登山鉄道に入線するのは2019年12月以来で約1年2ヶ月ぶりのことです。その当時は7日に相武台前で発生した人身事故の当該車両が“GSE”70000形70052Fであり、フロントガラスの修理で運用を離脱したため、急遽土曜休日に海老名検車区予備で留置される“EXE”または“EXEα”4両固定編成を使って代走運転が行われ、30052Fが充当されました(30252Fはこのとき土曜休日N33運用を代走した)。このときは70052Fの穴埋めをする形だったためか、同形式が土曜休日N31運用に代走で充当されていたときがありましたので、それ以来のこととなります。

今回の代走は1月25日早朝にロマンスカー“VSE”50000形50001Fが喜多見検車区から大野総合車両所に臨時回送され入場しており、展望座席のあるロマンスカーが50001Fの出場まで3本体制となっています。展望座席のあるロマンスカーの運用を確認すると30日と31日の土曜休日N33運用が他形式での運用となることは判明していました(空席照会から充当は“EXE”または“EXEα”の6両固定編成)。30日の土曜休日N33運用には“EXEα”30000形30254F(6両固定編成)が充当されたため、土曜休日N75運用に30054F(4両固定編成)が充当された形です。

ちなみに同形式の30052Fは過去に何度か箱根登山鉄道に入線したことがあります。2019年1月(“VSE”と“MSE”が1編成ずつ大野総合車両所に入場中だった)、8月(このときは相方の30252F(6両固定編成)が踏切事故による運用離脱があった)、12月(相武台前の人身事故当該車両の“GSE”のフロントガラス修理による運用離脱の関係)に代走使用されており、8月分は平日でも4両固定編成で代走使用されたことがあります。4両固定編成単独の代走を見かけたときは違和感がありました。本来の充当車両の検査入場や不慮の事故などで早急な修繕が必要なときにあり得るかもしれませんので、展望座席のあるロマンスカーの土曜休日の運用でN33運用またはN34運用が他形式での運用となる場合には土曜休日N75運用の充当車両にも着目したほうがいいですね。

【TJライナー増発も】東武鉄道が2021年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表

2021年1月26日、東武鉄道が同年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表しました。今回の改正では野田線(アーバンパークライン)以外の終電繰り上げと東上線の“TJライナー”の増発がメインとなっています。なおここで掲載のダイヤは改正前後の平日ダイヤとなります。

▲伊勢崎線(スカイツリーライン)で運用される10000系列と50000系列。浅草(TS-01)発の最終列車は24時09分発の北千住(TS-09)行き普通列車となるが、曳舟(TS-04)では東京地下鉄半蔵門線からの準急北越谷(TS-22)行き(東急電鉄田園都市線内始発)と接続をとる。またその準急は西新井(TS-13)で日比谷線からの北春日部(TS-28)行き普通列車と接続をとる。
▲伊勢崎線(スカイツリーライン)の日比谷線直通列車で運用される70000系列。北越谷以北の最終列車である北春日部行き普通列車は日比谷線からの直通列車で西新井で準急との接続を受ける。そのあと日比谷線からの最終列車である北越谷行き普通列車があり、こちらは浅草発北千住行き最終列車からの接続を受ける形になる。

伊勢崎線(スカイツリーライン)浅草発の終電は現行の24時23分発の区間準急から約14分繰り上がり同駅24時09分発の普通列車となり、北春日部までの各駅へ移動する際には途中駅での乗り継ぎが必要になります。改正後の24時09分発の普通列車に乗ると、曳舟で半蔵門線から直通してくる準急(曳舟24時16分発)と接続し、北千住で日比谷線から直通してくる普通列車(北千住24時34分発)と接続します。浅草から西新井以北へと終電で移動するとなると曳舟と西新井(または草加(TS-16))で2回の乗り継ぎが必要です。曳舟で普通から準急に乗り継いだ場合、西新井で先行していた日比谷線から直通してくる普通列車と同時発車となるため、同駅で接続がとられるものと思われます。準急が北越谷止まりですから、西新井か草加で普通列車に乗り継ぐと最遠で北春日部(北春日部25時05分着)まで移動することができます。浅草から北春日部まで直行する区間準急の最終は浅草23時57分発(北春2450←浅2457)となるので注意してください。一方の上りでは浅草行き普通列車の最終は現行ダイヤよりも約12分の繰り上がりで24時07分発となります。こちらは南栗橋(TN-03)始発の準急押上(TS-03)行きからの接続となります。また伊勢崎線(スカイツリーライン)・日光線の浅草と新栃木(TN-12)を結ぶ特急『リバティけごん』(500系6両編成で運転)の1往復(208号・253号)の運転を取りやめ、このうちの上り列車は春日部(TS-27)発の浅草行きに変更となります。春日部発だと特急『リバティけごん』ではなく『スカイツリーライナー』に変更されていてもおかしくはありませんね。

【東上線】
▲東上線で運用される50000系列(写真は転換クロスシート車の51092F)。終電繰り上げのほか、有料座席指定列車“TJライナー”の上り池袋(TJ-01)行きが2本増発され、4本となる。

東上線では池袋発を基準として準急川越市(TJ-22)行き最終列車が24時44分発が24時30分発(約14分の繰り上がり)、普通成増(TJ-10)行き最終列車が24時45分発から24時35分発(約10分の繰り上がり)にそれぞれなり、池袋行きは約7分繰り上がりとなります。なお池袋行きについては成増以北では小川町(TJ-33)23時05分発の準急が最終となり、成増で志木(TJ-14)始発の普通(成増以南の各駅の最終列車)と接続する形になります。一方で50000系列の転換クロスシート車で運転される有料座席指定列車の“TJライナー”の森林公園(TJ-30)発池袋行きを2本増発し(森0627→池0726・森0752→池0849)、コロナ禍における着席通勤のニーズを増やします。この2列車の設定により一部列車で運転区間変更、運転取りやめ、運転時刻変更などがありますので気を付けてください。

それ以外では鬼怒川線の一部列車の時刻を変更するほか、土曜休日の伊勢崎線の一部上り列車で久喜(TI-02)行きから東武動物公園(TS-30)行きに行先延長する列車があります。終電についてはくれぐれも乗り遅れの無いように気を付けましょう。

2021年1月30日

【終電繰り上げ注意】西武鉄道が2021年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表

2021年1月26日、西武鉄道が同年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表しました。多摩川線および山口線(レオライナー)以外の路線で実施されます。まずは終電繰り上げについてです。
▲(イメージ)西武鉄道池袋線・新宿線で運用される小手指車両基地所属の40000系。新宿線へは小手指車両基地から送り込みの形で充当されている。
▲(イメージ)特急『小江戸』に使用されている南入曽車両基地所属の10000系。クラシック塗装の10105F(写真・写真は小手指車両基地在籍時に代走運用された時)とVVVFインバータ制御の10112Fを含む6編成が在籍中だ。

まず終電繰り上げは多摩川線と山口線以外の全路線で実施されます。なお池袋線池袋(SI-01)と新宿線西武新宿(SS-01)の各駅を発車する終電時刻(前者は飯能(SI-26)行き、小手指(SI-19)行き、保谷(SI-12)行き、後者は本川越(SS-29)行きとそれに接続する拝島線拝島(SS-36)行き、新所沢(SS-24)行き、上石神井(SS-13)行き)が掲載されていますが、それ以外の路線でも終電繰り上げが実施されますので気を付けてください。

【池袋線池袋発の行先別終電】※一般列車のみ
飯   能 行き…平日(現行)24時09分発 ➡ (改正)23時52分発 ※(繰上)約17分
        …土休(現行)23時52分発 ➡ (改正)23時40分発 ※(繰上)約12分
小   手   指 行き…平日(現行)24時44分発 ➡ (改正)24時14分発 ※(繰上)約30分
        …土休(現行)24時18分発 ➡ (改正)24時14分発 ※(繰上)約  4分
保   谷 行き…平日(現行)24時45分発 ➡ (改正)24時18分発 ※(繰上)約27分
        …土休(現行)24時35分発 ➡ (改正)24時18分発 ※(繰上)約  7分
【新宿線西武新宿発の行先別終電】※一般列車のみ
本   川   越 行き…平日(現行)24時01分発 ➡ (改正)23時46分発 ※(繰上)約15分
        …土休(現行)23時47分発 ➡ (改正)23時35分発 ※(繰上)約12分
新   所   沢 行き…平日(現行)24時47分発 ➡ (改正)24時18分発 ※(繰上)約29分
        …土休(現行)24時10分発 ➡ (改正)24時18分発 ※(繰下)約  8分
上 石 神 井 行き…平日(現行)24時50分発 ➡ (改正)24時20分発 ※(繰上)約30分
        …土休(現行)24時33分発 ➡ (改正)24時20分発 ※(繰上)約13分
*注意…本川越行き終電は小平(SS-19)で同駅始発の拝島行き終電に接続

土曜休日の新所沢行きが約8分繰り下がっている以外はすべて繰り上がっていますのでご利用の際には十分ご注意願います。なお平日のみ池袋線の飯能行き終電のあと、新宿線の本川越行き終電のあとにそれぞれ特急列車(前者は001系による『むさし55号』、後者は10000系による『小江戸53号』)を運転します。乗車の際には乗車券や定期券のほかに特急券が必要ですが、飯能行き・本川越行きの各終電が準急であるため、それに乗り遅れてしまった場合でもそのあとの『むさし』または『小江戸』に乗ると途中で準急を追い抜きます。前者はひばりが丘(SI-13)、後者は新宿線東村山(SS-21,SK-05)で追い抜くダイヤとなっています。ただし前者の『むさし』の場合、池袋の次の停車駅が所沢(SS-22,SI-17)となっているので注意が必要なほか、後者の『小江戸』の場合、東村山では本川越行き終電(準急)が4番ホームに、後発の『小江戸』が5番ホーム(一般列車の上りホーム)に到着するため、東村山での特急から準急へ乗り継ぐ場合は階段移動を伴います。そのため階段移動を伴わない所沢での乗り継ぎをお勧めします。このため最終の特急列車は池袋線は池袋から所沢以遠、新宿線は西武新宿および高田馬場(SS-02)から東村山以遠の帰宅客をターゲットにした列車ともいえそうです。

それ以外では平日の秩父鉄道との直通運転および平日金曜日の池袋線系統の特急の西武秩父(SI-36)までの延長運転(飯能~西武秩父間延長)を取りやめます。また2021年春の『西武園ゆうえんち』のリニューアルオープンに先立ち、西武遊園地(ST-07,SY-01)を『多摩湖』、遊園地西(SY-02)を『西武園ゆうえんち』に改称します。ちなみに各駅の終電発車時刻についてはプレスリリースよりご覧になってください。

2021年1月29日

【あと5編成でコンプリート】東京都交通局5500形5522Fが総合車両製作所横浜事業所を新製出場

2021年1月27日、総合車両製作所横浜事業所で製造された東京都交通局5500形5522Fが同事業所を出場し、馬込車両検修場まで自走回送されました。5500形の在籍数は22編成(176両)となり、あと5編成(40両)で同形式の導入は完了となります。
▲着々増備が進む5500形は22編成目に突入。あと5編成で当初予定の27編成216両のすべて出揃うことになる。この歌舞伎のような顔つきも見慣れただろう。

この前の1月25日に5300形5312Fが京浜急行電鉄ファインテック久里浜事業所へと廃車回送されているため、実質両者が入れ替わる形となっています。5300形は残り7編成(56両)ですが、コロナ禍ということもあって引退記念ヘッドマークを掲出せずひっそり姿を消す可能性もあり得そうです。5500形導入と5300形廃車の動きはいよいよ佳境を迎えることになりそうです。

2021年1月28日

【新車デビューは5月?】京浜急行電鉄が2021年3月27日実施のダイヤ改正の概要を発表

2021年1月27日、京浜急行電鉄が同年3月27日実施のダイヤ改正の概要を発表しました。終電繰り上げの実施などがメインですが、終電繰り上げは下り列車については以前紹介しましたが今回は上りの繰り上げが一部判明していますので追加します。
▲(イメージ)有料座席指定列車『モーニング・ウィング』『イブニング・ウィング』に使用されている2100形。このうち『モーニング・ウィング』1本(3号)で新1000形1800番台の転換クロスシート車(1891編成・1892編成)が増結される。

下り列車については昨年11月に発表された通りの終電繰り上げとなっていますが、改めて確認をしておきましょう。泉岳寺(A-07)・品川(KK-01)から直通となる浦賀(KK-64)・三崎口(KK-72)方面の終電の大半は特急となります。三崎口のほかに三浦海岸(KK-71)、京急久里浜(KK-67)、逗子・葉山(KK-53)、金沢文庫(KK-49)に向かう終電で特急を利用する必要があります。ここで掲載されるダイヤは平日が基準となっていますが、掲載されている特急列車がすべて品川始発とは限りませんのでご注意ください。また変更のない列車でも変更前変更後の時刻を記載していることにご注意願います。

【現行ダイヤと比較した終電一覧】
【三崎口行き】
 《変更前》三2409←品2250 ➡ 《変更後》三2409←品2250
【三浦海岸行き】
 《変更前》海2441←品2332 ➡ 《変更後》海2424←品2314
【京急久里浜行き】
 《変更前》久2501←品2402 ➡ 《変更後》久2431←品2332
【金沢文庫行き】
 《変更前》文2501←品2423 ➡ 《変更後》文2441←品2402

※注意…上記4列車は変更前・変更後も特急。途中以下の列車に乗り継ぎができます。
特急京急久里浜行き…上大岡(KK-44)で普通浦賀行き終電
          (乗り継ぎ後《変更前》浦2447➡《変更後》浦2442)
特急金沢文庫行き…京急川崎(KK-20)で普通神奈川新町(KK-34)行き終電
         神奈川新町で普通上大岡行き終電 上大岡で普通金沢文庫行き終電

【羽田空港第1・第2ターミナル(KK-17)行き】
 《変更前》羽2428←品2404 ➡ 《変更後》羽2423←蒲2412・蒲2411←品2402
※注意…変更前は直通のエアポート急行、変更後は京急蒲田(KK-11)で普通に乗り継ぎ
    変更後の蒲2411←品2402の列車は特急金沢文庫行き終電

【京急川崎行き】
 《変更前》川2426←品2406 ➡ 《変更後》川2426←品2406
※注意…変更前・変更後の種別は普通

【逗子・葉山行き】
 《変更前》逗2451←八2444・八2443←品2402 ➡ 《変更後》逗2437←品2346
※注意…変更前の八2443←品2402は現行の終電繰り上げ前の特急京急久里浜行き終電
    変更前の逗2451←八2444は現行の終電繰り上げ前の逗子・葉山行き終電

【小島新田(KK-26)行き】
 《変更前》小2412←川2403 ➡ 《変更後》小2412←川2403
※注意…ダイヤ改正後は特急逗子・葉山行き終電(逗2437←品2346)から接続

下り列車の終電については以上の通りですが、上り列車については空港線と逗子線の終電が繰り上がるのみでそれ以外は変更がないようです

【羽田空港第1・第2ターミナル発】
 《変更前》羽2420→蒲2431 ➡ 《変更後》羽2410→蒲2421
※注意…京急蒲田で普通京急川崎行き終電に接続、京急蒲田の発着ホーム注意

【逗子・葉山発】
 《変更前》逗2431→八2438 ➡ 《変更後》逗2407→八2414

また終電前の三密回避による混雑緩和などを目的に神奈川新町行き特急1本(新2412←泉2348)、神奈川新町行きエアポート急行1本(新2418←羽2348)の2列車が増発されます。増発の特急については神奈川新町で普通金沢文庫行き終電に乗り継ぎができます。終電繰り上げについてはここまでとなります。また新型コロナウィルスの影響から昨年5月より品川~京急蒲田間で運休していた普通列車について、輸送力適正化および乗務員の労働環境の改善を図るため、約10分間隔で運転すること(再開する形)となります。

ここで別の話題になりますが、GW後の2021年5月6日から三浦海岸発品川行き『モーニング・ウィング3号』(海0609→品0728)について、金沢文庫で使用車両の2100形に新製中の新1000形1800番台トイレ付きの転換クロスシート車(1891編成・1892編成のいずれか)を増結し、金沢文庫以東を12両編成で運転することが発表されました。これにより座席数は2100形のみの539席から新1000形の分の128席が追加され、667席となります。金沢文庫から先は上大岡に停車しますが、乗車専用であり、品川までの下車はできません。金沢文庫で増結作業をするため、金沢文庫と上大岡の発車時刻に変更が発生しますので注意してください。各乗車駅では乗降口が変更となる可能性がありますので(金沢文庫と上大岡では3号のみ乗降口追加の可能性あり)、有料座席指定列車を使う機会の多い方は必ず確認をしてください。特に3号となると既存の2100形よりもコンセントのある新1000形1800番台のトイレ付転換クロスシート車の方に人気が集中して座席の争奪戦になりそうな予感がします。というのも同車両にはコンセントがあるのでスマートフォンの充電やPCの使用にすごく便利ですし、2号車に車椅子対応洋式トイレ、3号車に男性用トイレがあるため、長時間移動にも対応できます。5月6日以降は2100形と比較してみるのもいいかもしれませんが、個人的には新1000形1800番台の方を選ぶと2100形に戻ることはできなくなりそうな気がしますね。

2021年1月27日

【終電繰り上げ注意】東京地下鉄が2021年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表

2021年1月26日、東京地下鉄が同年3月13日実施のダイヤ改正の概要を発表しました。今回のダイヤ改正では夜間保守・作業時間の確保に伴う終電繰り上げと、コロナ禍における利用状況の混雑の平準化を図るため一部時間帯で運転本数のシフトや増発実施がメインとなっています。ただし現行ダイヤにおける終電繰り上げとは異なるものとなっています。なお終電繰り上げについては昨年11月に発表されたものがベースとなっていますので、この記事では省略させていただきますことをお許しください。

※終電繰り上げの時分などについては東京地下鉄ホームページのプレスリリースをご参照ください。なお今回は簡単に紹介するため、写真は掲載いたしません。

【銀座線】
銀座線では終電繰り上げのほか、平日の朝ラッシュ時間帯の7時台と夕方ラッシュ時間帯の17時台前後で渋谷(G-01)~浅草(G-19)間の各1往復がシフトとなります。列車の運転時間帯をシフトすることで全体の列車運転本数を減らさずに車内混雑を可能な限り分散させ平準化させることができそうです。

【丸ノ内線】
丸ノ内線では終電繰り上げのほか、平日の朝ラッシュ時間帯の7時台と夕方ラッシュ前の16時台で荻窪(M-01)~池袋(M-25)間の各1往復がシフトとなります。オフィスが多い西新宿(M-07)・新宿(M-08)や東京(M-17)・大手町(M-18)を通る路線のため、これらの各駅を利用する通勤客を考慮したシフトとなりそうですね。

【日比谷線】
日比谷線では終電繰り上げのみが実施され、線内運転よりも直通列車が多いため運転本数のシフトはありません。この路線の最終列車は中目黒(H-01)発広尾(H-03)行き以外は東武鉄道スカイツリーライン直通列車ということで、乗り過ごしにはくれぐれもご注意を。

【東西線】
東西線では終電繰り上げのほか、平日の朝ラッシュ時間帯の7時前後に中野(T-01)~西船橋(T-23)間の1本をシフト、15時台~17時台に同区間で増発します。学生の多い高田馬場(T-03)・早稲田(T-04)やオフィスの多い大手町(T-09)・茅場町(T-11)を通るほか、地下鉄では珍しく浦安(T-18)以東で千葉県を通る路線である(一部列車で東葉高速鉄道にも直通するうえに千葉からの通勤客も多い)ため、これらに配慮したシフトが組まれていそうです。なお終電のうち土曜休日のみ中野発の東陽町(T-14)行き(深川検車区入庫)が妙典(T-21)行き(深川検車区行徳分室入庫)に変更となり、時刻も少し繰り下がります。

【千代田線】
千代田線では終電繰り上げのほか、時差通勤に合わせて早朝時間帯と夕方ラッシュ時間帯前に列車増発が実施されます。5時台に(綾瀬検車区出庫で)北綾瀬(C-20)~代々木上原(C-01)間、6時台と16時台に代々木上原~綾瀬(C-19)間でそれぞれ1本ずつ増発されます。なお16時台は朝の運用後に代々木公園(C-02)に近接する留置線に留置されている編成がいるので、それの再出庫を早めて代々木上原から営業列車に充当となる可能性もありそうです。なお終電は北千住(C-18)発の区間列車が繰り上がる以外は変更がありません。

【有楽町線】
有楽町線では終電繰り上げのみ実施され、列車のシフトはありません。なお平日の新木場(Y-24)方面の最終列車のみ東武鉄道東上線内始発(土曜休日はどちらも和光市(TJ-11,Y-01,F-01)発)、有楽町線新木場発の和光市方面は土曜休日のみ小竹向原(Y-06,F-06)行きで、同駅で副都心線からの和光市行きに乗り継ぎが必要となっています。

【半蔵門線】
半蔵門線では終電繰り上げのほか、夕方ラッシュ時間帯前の15時台・16時台に渋谷(DT-01,Z-01)~押上(Z-14,TS-03)間の2往復のシフトが実施されます。基本的には東急電鉄田園都市線と直通運転をしている列車が大半であるため、学生の多い九段下(Z-06)・神保町(Z-07)やオフィスの多い大手町(Z-08)を通ることや横浜市内から通勤している人への配慮がなされたシフトとなりそうです。

【南北線】
南北線では終電繰り上げのみ実施され、列車のシフトはありません。平日の赤羽岩淵(N-19,SR-19)方面の終電は埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線直通列車(ただし土曜休日は白金高輪(N-03)始発の赤羽岩淵行きとなり、目黒(N-01)方面からは東京都交通局三田線直通列車から接続)、目黒方面は東急電鉄目黒線直通列車を除き線内運転の列車となります。

【副都心線】
副都心線では終電の繰り上げのみ実施され、列車のシフトはありません。終電は渋谷(TY-01,F-16)方面・和光市方面ともに東急電鉄東横線直通列車であり、後者は渋谷発の最終列車が新宿三丁目(F-13)行きとなります。このため同駅以遠の終電が繰り上がることになります。

終電の繰り上げと一部列車の運転本数シフトがある以外はほぼ変更はありません。終電を利用する機会が多い方は3月13日以降、乗り遅れや乗り過ごしにご注意ください。

2021年1月26日

【最新編成】小田急電鉄5000形5055F(川崎重工業兵庫工場製造)が性能確認試運転を実施

2021年1月8日に川崎重工業兵庫工場を出場した小田急電鉄5000形5055F(クハ5055+デハ5005+デハ5105+サハ5155+サハ5255+デハ5205+デハ5305+サハ5355+デハ5405+クハ5455)の試運転が同月25日に小田原線で実施されました。
▲川崎重工業兵庫工場で製造された5000形5055Fが足慣らし。種別行先案内表示器にある『試運転』表示から文字サイズは大きくなっていた。

川崎重工業兵庫工場で製造された5000形は5052F以来ですが、最初の2編成とは異なり種別行先案内表示器の文字サイズは最初から大きいものとなっています。ちなみに初代5000形では5255Fの下り方先頭車で存在した『5555』のぞろ目の番号は2代目にはありません。これは10両固定編成でMT比を1:1(5M5T)で下り方先頭車がクハ5450形となっているためです。同形式はあと1編成が登場するものとみられるため、現在もリニューアルされていない1000形やチョッパ制御更新車で残る8000形8251Fの動向が注目されます。

2021年1月24日

【今後どうなる】小田急電鉄小田原線登戸(OH18)のホームドア設置で1000形ワイドドア車に影響?

2021年1月9日と16日終電後に、小田急電鉄小田原線の登戸(OH18)の1番ホーム・2番ホームにQRコードを読み取って開閉するタイプのホームドアの本体が設置され、動作確認を経て同年3月から本格稼働を開始する予定となっています。こうなると1000形のワイドドア車(5編成・30両)に影響を及ぼすものとみられています。
▲現在は6両編成単独のA運用がメインの1000形ワイドドア車。すでに女性専用車ステッカーが撤去されており10両編成の運用に入ることはない。新宿(OH01)4番ホーム・5番ホームへのホームドア設置以降、6両編成単独の運用で奮闘している1000形ワイドドア車も登戸のホームドア設置で影響が出そうだ。

ここで登戸のホームドア設置とともに1000形ワイドドア車に焦点を当てたのは、同形式ワイドドア車が関係するA運用と、そのA運用のなかに登戸を通る営業列車が存在することです。最初に言及した通り、同駅に設置されたホームドアは各形式の一部旅客用扉に貼付されたQRコードを読み取ってホームドアを開閉する仕組みであり、1000形ではワイドドア車の全編成と一部の非リニューアル編成にはQRコードが貼付されていません(廃車除籍済みの編成を除く)。現在はホームドア本体が設置されたのみで稼働はしておらず、1000形ワイドドア車が登戸に乗り入れる運用に充当することは形式上可能です。ここで1000形ワイドドア車の充当があるA運用と、登戸に乗り入れる営業列車を調べてみると、下記の通りとなります。

【登戸に乗り入れる6両編成の営業列車】※2020年3月ダイヤ時点
《平日》下り…7901レ(平日A12運用・唐0652←成0619)
    上り…6706レ(平日A22運用・小2336→成2507)
《土休》下り…6509レ(土曜休日A12運用・小0728←成0549)
    上り…6718レ(土曜休日A22運用・小2336→成2507)

運用上の流れを調べると、A12運用の場合では平日は直接多摩線の往復運用に、土曜休日は昼過ぎまで小田原線新松田(OH41)~小田原(OH47)間のシャトル運用を挟みますが、順当であれば昼過ぎからの多摩線往復運用に繋がっており、多摩線往復運用に1000形ワイドドア車が充当されなくなるのではないか…と思われていました。

しかし翌々運用を調べてみると、ホームドアが設置された登戸を通らずに多摩線運用に充当できる方法がありました。平日の場合はA12運用の7901レに充当されないと多摩線の往復運用に繋がらないため、1000形ワイドドア車の多摩線往復運用への充当は厳しいですが、土曜休日の運用にヒントがありました。土曜休日のA12運用は小田原線のシャトル運用のあとに大野総合車両所に一度入庫するように運用が組まれていて、その再出庫から多摩線往復運用に繋がっています。このためその再出庫から1000形ワイドドア車を充当させることが可能です。平日・土曜休日はいずれもA12・A13・A14・A15の各運用、土曜休日はそれに加えてA18の各運用で多摩線往復運用が含まれており、ほとんど終日多摩線往復となるのはA13・A14・A15の各運用であるため(土曜休日はA18運用も該当するが、最初と最後には小田原線の運用が含まれている)、土曜休日A12運用・土曜休日A18運用のいずれかで1000形ワイドドア車を送り込めば多摩線往復運用に充当でき、平日・土曜休日A15運用または土曜休日A18運用に充当されれば登戸を通らず多摩線往復運用から脱出することができるわけです。平日・土曜休日ともにA15運用は多摩線往復が終了した後に大野総合車両所に回送のうえで入庫となるので、この方法を実際に試すとなると、土曜休日A12運用の再出庫と平日・土曜休日A15運用に1000形ワイドドア車の可能性が出てきます。可能な限りホームドア設置駅となった登戸を通らずに多摩線運用に送り込むときは土曜休日A12運用の再出庫または土曜休日A18運用がカギを握るかもしれません。1000形ワイドドア車が多摩線で見られる可能性は圧倒的に低いとはいえませんね。

【ラッピング控えめ?】小田急電鉄1000形1096F(元1052F+元1252F)が東京オリンピック・パラリンピックのラッピング電車に

2021年1月23日の1507レ(藤0712←大0649・土曜休日E71運用)より、小田急電鉄1000形1096F(元1052F+元1252F・10両固定編成)に昨年延期となった東京オリンピック・パラリンピックのラッピングを施されて運用されています。
▲東京オリンピック・パラリンピックのラッピングを施された1000形1096F。前面部には市松模様のロゴマークがヘッドマークとして掲出されている。なお新型コロナウィルスの感染状況を鑑みてかラッピングは前面部・側面帯の下部のみに施工されていてやや寂しげな気もするが…。

東京オリンピック・パラリンピックのラッピング電車は小田急電鉄では珍しいことです。また1000形リニューアル車で10両固定編成に大規模改造された編成にラッピングされるのは初めてのことと思われます。前面部には応募で決定した市松模様のロゴマークがヘッドマークとして掲出されており、新型コロナウィルスの感染状況を考慮してか、ラッピングの規模は小さめで前面部・側面帯の下部に施工されているのみとなっています。そのラッピングは白いため車番など一部を除くと前面下部だけ切り取って見ると一瞬8000形と間違えてしまいそうな雰囲気に見えます。ちなみに側面部は1号車のクハ1496から5号車のデハ1246まではピンクの『ソメイティ』、6号車のサハ1296から10号車のクハ1096まではブルーの『ミライトワ』がそれぞれ描かれているものと思われ、『ソメイティ』『ミライトワ』が東京大会で実施される競技をしている様子がラッピングされています。海側側面部と山側側面部でもデザインが異なっているようです。いつまでこのラッピングが続くのかは分かりませんが、いつか見られることを願っています。すれ違ったりしたときはラッピング部分が見えにくいため分かりづらいかもしれませんね。

【東京オリンピック・パラリンピックラッピング電車の1096Fの運用】
23日…土曜休日E71運用 24日…土曜休日E72運用 25日…平日E??運用

【あの夜行列車も】臨時快速『ムーンライトながら』正式に廃止へ

2021年1月21日、東日本旅客鉄道と東海旅客鉄道は前者の大宮総合車両センター所属の185系0番台(4両固定編成の宮オオC7編成)・200番台(4両固定編成の宮オオB7編成・6両固定編成の宮オオB5編成・宮オオB6編成・宮オオOM03編成のいずれか)の10両編成を使用した臨時快速『ムーンライトながら』(東京(JT-01)~大垣(CA77)間)を正式に廃止すると発表しました。
▲写真は臨時快速『ムーンライトながら』に使用されている185系。かつての183・189系10両固定編成(東チタH101編成・東チタH102編成、現在は全廃済み)から引き継ぎ、185系では大垣方に4両固定編成、東京方に6両固定編成という珍しい組成で運転されていた『ムーンライトながら』が正式に廃止。
▲臨時快速『ムーンライトながら』に使用されていた183・189系。写真はグレードアップあずさ塗装の八トタM52編成であるが、もともとは元東チタH102編成のうちの6両である。

1996年のダイヤ改正で登場した『ムーンライトながら』はそれまでに運転されていた大垣夜行列車の代替として373系(静シス)の9両編成(3両固定編成を3編成連結)で運転され、『ムーンライトながら』の送り込みと返却を兼ねた普通列車運用も存在していました。2009年から臨時列車として設定され、車両は当時183・189系東チタH101編成および東チタH102編成を使用して運転されました。2013年12月から185系での運転に変更され、グリーン車を連結しない10両編成を組むため、4両固定編成(宮オオC7編成は付随車1両のみ、宮オオB7編成はグリーン車と電動車1ユニットの3両を抜き取り)と6両固定編成(一部のB編成と宮オオOM03編成はグリーン車を抜き取り)が用意され、大垣寄りに4両固定編成、東京寄りに6両固定編成となるように組まれ(編成間の通り抜けはできない)、同列車は2020年3月29日が最終運転となりました。これは同年に新型コロナウィルスの感染拡大に伴って夏季以降の運転がなくなったためです。これで『ムーンライト』を付する列車は消滅し、『ムーンライトながら』として約24年、大垣夜行列車時代から数えると約52年の歴史に幕を下ろすことになります。

185系自体も老朽化が進行し、2021年3月で定期営業運転を終えることになります。この先は185系全編成の動向が注目されることとなりそうです。A編成とC編成は廃車になるものと思われますが、座席定員制列車を含む普通列車から臨時快速列車、そして特急列車と幅広く使用された185系の功績を鑑みて、1両ぐらいは保存してほしいところです(たとえば宮オオA1編成の1号車であるクハ185-1など)。残っているB編成とOM03編成は春以降も臨時列車の設定がありますが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況次第では運転中止となる可能性もありますので注意しましょう。

2021年1月22日

【遂に付属編成も】東日本旅客鉄道E217系横クラY-105編成・横クラY-107編成が廃車除籍処分に

2021年1月20日、東日本旅客鉄道E217系横クラY-105編成(クハE217-2005以下4両)と横クラY-107編成(クハE217-2007以下4両)の8両が鎌倉車両センターから長野総合車両センターまで配給輸送されました。2編成とも廃車除籍に伴うものと思われ、全車解体処分となりそうです。牽引機は長岡車両センター所属のEF64形1031号機でした。
▲今年1月から横クラY-44編成(全車解中)を皮切りに廃車が進むE217系に、付属編成で初めての廃車除籍処分が出てしまった。写真は廃車除籍処分となった横クラY-105編成である。
▲横クラY-105編成とともに廃車除籍処分となった横クラY-107編成。いずれも1995年製造の2次車であり、約26年の活躍であった。両編成とも増1号車にトイレが設置されているが、洋式ではなく和式であるほか、座席の硬さなどの問題があるため転用は厳しいか。

1月5日からE235系1000番台の営業運転への投入に伴うE217系の本格的な廃車除籍が始まり、横クラY-44編成が最初に廃車となりましたが、こちらはグリーン車を組み込む基本編成でしたので、久里浜(JO-01)・逗子(JO-06)寄りに連結される付属編成の廃車はこれが初めてです。しかも一度に2編成分ということで、驚きました。今回牽引を担当したEF64形1031号機はその直前にE235系1000番台横クラJ-06編成の配給輸送を担当していますので、同車両の輸送のあとE217系4両2編成の廃車除籍に伴う配給輸送列車に充当された形です。導入が進むE235系1000番台は付属編成の横クラJ-06編成(クハE235-1106以下4両)が登場しているため、基本編成の横クラF-06編成(クハE235-1006以下11両)も近く登場するものとみられます。付属編成2本の廃車でE217系の在籍数は11両50編成(550両)と4両44編成(176両)の合計726両となりました。

【E217系の在籍状況】※2021年1月20日現在
 基本編成(11両)…50編成(±0) 付属編成(4両)…44編成(−2)
 廃車除籍(11両)…  1編成(±0) 廃車除籍(4両)…  2編成(+2)

2021年1月21日

【廃車2編成目】相模鉄道8000系8704F(制御装置未更新編成)が廃車除籍処分に

2021年1月19日、相模鉄道8000系8704F(制御装置未更新編成)が廃車除籍処分となり、所属していたかしわ台車両センターから陸送されました。8000系の廃車除籍処分は8702Fに続いて2編成目(同形式全体では3編成目)となります。
▲1月14日の3002レ1035レ(平日59運用)で運用を離脱、廃車除籍となった。種別行先案内表示器のフルカラーLED化やスタンションポールや袖仕切り板の設置などが行われていたが、制御装置は日立製作所製のGTO素子のままだった。

最終運用は14日の平日59運用でした。同編成は1992年に日立製作所笠戸事業所で製造された2次車であり、列車番号表示器が7セグメントマグサインタイプとなり、9000系(現在は9701Fの廃車除籍処分で消滅)にも採用されていました。現行の2代目塗装となったのは2012年で同形式全体では6番目でした。なお廃車除籍となった8704Fの座席モケットは今後3代目塗装へと変更されるものと思われる8710Fに活用されています。そのため廃車陸送の際には座席がない状態での陸送になったものと思われます。残る8000系は9編成(90両)となり、10編成を切りました。制御装置未更新で残る8701F・8703F・8705F・8706Fの4編成(40両)の動向が注目されます。

2021年1月20日

【初の転換クロスシート】京浜急行電鉄、新1000形1800番台の転換クロスシート車両を導入

2021年1月20日、京浜急行電鉄が座席指定列車や貸切専用列車など柔軟な運用ができるうえ、昨今の“Withコロナ”においても安心して快適に利用できるように、車内設備が一新されている新1000形1800番台の改良型車両(新1000形20次車)を導入することを発表しました。なお2020年度事業計画での新製車両はこの2編成が当該となっていますね。
▲今回導入される車両のベースとなる新1000形1800番台(4両固定編成)。転換クロスシートが採用されるため東武鉄道50000系列・70000系列と同じく90番代に区分され、1891編成と1892編成が導入される。

当該編成は1891編成(浦賀(KK-64)・三崎口(KK-72)寄りからデハ1891-1+デハ1891-2+デハ1891-3+デハ1891-4)と1892編成(浦賀・三崎口寄りからデハ1892-1+デハ1892-2+デハ1892-3+デハ1892-4)でいずれも全車電動車の4両固定編成として製造されているようです。京浜急行電鉄の車両でハイフンが付く車両は(引退済みの800形と)600形以来のことですが新1000形では初めてとなります。基本的にはこの両者を連結して8両編成として運用することも想定されています。座席は京浜急行電鉄の車両で初めてとなる転換クロスシート(2人掛け・ロングシートの場合は6人掛けになる)が採用されます。一般運用時はロングシート、座席指定列車として使用するときにはクロスシートとなります。転換クロスシートは優先席にも採用さるようです(2人掛け)。場合によりですが既存の1800番台3編成のいずれか(1801編成・1805編成・1809編成)と連結して運用することもできそうですが、こうなると車内の設備の差が如実に出ますね。また車内には2号車のデハ1890-2に車椅子対応の洋式トイレ、3号車のデハ1890-3に男性用トイレが設置されるほか、中間2両には車椅子やベビーカーでも利用ができるフリースペース、両先頭車には車椅子スペースが設置されます。また先頭車のデハ1890-1とデハ1890-4の運転台側の座席は2人掛けロングシートではなく前面展望は可能なクロスシートが採用されるほか(復活)、千鳥配置で車内防犯カメラも設置されます。転換クロスシートには新型コロナウィルスなどに対する抗ウイルス仕様となっている抗菌・抗ウイルス仕様の座席が採用され、三浦半島の旅を想起する波をイメージしたデザインが入ります。京浜急行電鉄の車両で車内トイレが設置されるのは初めてです。車椅子対応の洋式トイレは東日本旅客鉄道の近郊形電車で見られますが、通勤形車両への男性用トイレの設置は初めてのことです。仕様が19次車とも異なるため、20次車に区分され、2編成とも総合車両製作所横浜事業所で製造されているものと思われます。

【必ず確認を】2021年1月20日から首都圏の終電の一部運休および行先短縮に注意

2021年1月に新型コロナウィルスの感染拡大に伴う11都府県への緊急事態宣言の発出により国土交通省などが各鉄道会社に終電の繰り上げを前倒しするよう要請したことから、首都圏の各鉄道会社が1月20日から現行ダイヤでの終電の一部の定期列車を全区間運休(回送列車に変更など)または行先短縮により終電の繰り上げが実施されます。路線によっては運転区間の変更(短縮)で通常と異なる行先の列車がありますので、運転区間短縮に伴う行先変更および乗り遅れにご注意ください

この措置は当面続くと思いますので、終電の種別行先や繰り上げ時分など路線により異なるために必ず各鉄道会社のホームページをご確認ください。なお今回の終電の繰り上げに伴う振替輸送はありませんのでご注意ください。終電後の鉄道の代替にもなり得る路線バスでも深夜運賃(通常運賃の倍額)が適用されるものもありますので気を付けましょう。各鉄道会社の大半は2021年3月13日に実施されるダイヤ改正で正式に終電を繰り上げることとなっています。今回の終電繰り上げは現行ダイヤを変えずに実施するため、本来折り返しが定期営業列車であるところが全区間臨時の回送列車になったり、運転区間の短縮により行先変更後の終着駅から車両基地まで臨時回送となるなど(例…A駅行きがB駅行きに変更となったとき、通常はA駅から回送となるところ、B駅から回送に変更)の措置がとられますが、相模鉄道のように運用の流れから駅での夜間留置を前倒しして終電を削減するところもありそうです。具体的に相模鉄道の例で言うと、いずみ野線の終電は線内完結列車で、平日ダイヤでは偶然にもいずみ野線上り終電→いずみ野線下り終電で運用が繋がっているため、湘南台(SO-37)でいずみ野線上り終電の前の下り列車で運転を終えると、そのまま前倒しでホームに留置という措置がとれます。これは本来はいずみ野線の終電で1往復しても最終的に湘南台で留置、翌朝に同駅出庫ということが分かっているため、回送運転をせずに済みそうです。

もしこの時期に終電を利用する状況になったときは十分気を付けてください。鉄道の補完となる路線バスも会社によっては深夜運賃が適用される場合があるので、可能な限り帰宅時間を早める、終電に乗った場合は補完の路線バスに乗る場合に備えて深夜運賃分の準備をしておくなどしておきましょう。

2021年1月16日

【路線区間で様々】東日本旅客鉄道、首都圏11線区で現行ダイヤ減便や行先短縮による終電繰り上げ実施へ

2021年1月13日、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言による国土交通省などの要請を受け、各鉄道会社が現行ダイヤの減便や行先短縮による終電繰り上げを発表しました。なお2021年3月に一斉に実施するダイヤ改正とは異なる終電繰り上げであり、ここでは東日本旅客鉄道の首都圏路線について記述します。

緊急事態宣言下における首都圏の11路線、平日42本・土曜休日40本が列車削減や行先の短縮に伴う区間運休により終電の繰り上げが実施されます。なお3月に実施予定のダイヤ改正の場合は人員の配置変更などを伴うため、それを避けるために一部減便や行先変更での対応となります。終電で移動することが多い方は区間運休や行先短縮の当該となる列車の発車時刻を必ずチェックし、乗り継ぎ駅の変更や乗り遅れに十分ご注意ください。各路線ごとに平日ダイヤにおける終電繰り上げの詳細を見ていきます(このため列車番号やカッコ内の運用番号は平日ダイヤを基本とするが、一部は土曜休日ダイヤの掲載もある)。

【山手線】
▲(イメージ)山手線のE235系0番台(写真は東トウ16編成)。外回りは品川(JY-25)行きが池袋(JY-25)行きに、池袋行きが大崎(JY-24)行きに、内回りは大崎行きから池袋行きにそれぞれ変更となるので注意が必要だ。

山手線では外回りは池袋行きが大崎または池袋、内回りは池袋で運転が打ち切られます。いずれも車庫が近接しており(前者は東京総合車両センター、後者は東京総合車両センター池袋派出所)、そのあとは本来の入庫先まで回送列車で移動して入庫か、運転を打ち切った駅の車庫に入庫という形になるものと思われます。

《一部運休となる列車》
[外回り]2429G列車(平日29G運用) 当該列車全区間、2329G列車は大崎止まり
     2447G列車(平日47G運用) 池袋→品川間運休、品川行き→池袋行き
     2405G列車(平日05G運用) 池袋→品川間運休、品川行き→池袋行き
[内回り]2360G列車(平日60G運用) 池袋→大崎間運休、大崎行き→池袋行き
     2436G列車(平日36G運用) 池袋→大崎間運休、大崎行き→池袋行き

【京浜東北線・根岸線】
▲(イメージ)京浜東北線・根岸線のE233系1000番台(写真は宮サイ141編成)。南行きは北側の大宮(JK-47)~赤羽(JK-38)間、南側の蒲田(JK-17)~大船(JK-01)間、北行きは磯子(JK-06)~赤羽間、南浦和(JK-42)間で区間運休または全区間運休となるので注意してほしい。

京浜東北線・根岸線では南行きの大宮発の最終列車1本が全区間運休である以外は区間運休となり、北行きでは大船発の最終列車のみ区間運休によって根岸線内完結列車(大船~磯子間の運転)となります。南行きでは大宮発の最終列車が全区間運休となります。

《一部運休となる列車》
[南行き]2385C列車(平日85C運用) 磯子以南運休、大船行き→磯子行き
     2311A列車(平日11A運用) 蒲田以南運休、桜木町(JK-11)行き→蒲田行き
     2397C列車(平日97C運用) 蒲田以南運休、磯子行き→蒲田行き
     2393C列車(平日93C運用) 蒲田以南運休、桜木町行き→蒲田行き
     2445B列車(平日45B運用) 全区間運休(→折り返し回送列車に変更?)
[北行き]2380C列車(平日81C運用) 南浦和以北運休、大宮行き→南浦和行き
     2346A列車(平日47A運用) 南浦和以北運休、大宮行き→南浦和行き
     2382C列車(平日83C運用) 上野(JK-30)以北運休、赤羽行き→上野行き
     2372C列車(平日73C運用) 蒲田以北運休、上野行き→蒲田行き
     2440B列車(平日41B運用) 磯子以北運休、蒲田行き→磯子行き

【中央・総武線各駅停車】
▲(イメージ)中央・総武線のE231系500番台(写真は八ミツA530編成)。三鷹(JB-01,JC-12)・中野(JB-07,JC-06)発の東行きは全区間で区間運休、千葉(JB-39,JO-28)・津田沼(JB-33,JO-26)発の西行きは中野以西に行く2本が区間運休、千葉発の最終列車が全区間運休となる。

中央・総武線では東行きは列車により区間は異なりますが、総じて全区間(厳密には三鷹発の最終列車のみ全区間運休)、西行きは千葉発の最後の三鷹行き2本の区間運休と千葉発の最終列車のみの運休となります。各駅停車のため仮に乗り逃がしたとしても区間によっては並走する中央線快速または総武快速線が動いている場合がありますので、動いている場合はそれで追い抜き(西側は三鷹~御茶ノ水(JC-03,JB-18)間、東側は錦糸町(JB-22,JO-22)~千葉間で競合)、快速停車駅で乗り継ぎするのもいいでしょう。

《一部運休となる列車》
[東行き]2384B列車(平日85B運用) 津田沼以東運休、千葉行き→津田沼行き
     2448B列車(平日49B運用) 御茶ノ水以東運休、津田沼行き→御茶ノ水行き
     2468B列車(平日69B運用) 中野以東運休、御茶ノ水行き→中野行き
     2414B列車(平日15B運用) 全区間運休(三鷹到着後は折り返し回送?)
[西行き]2383B列車(平日83B運用) 中野以西運休、三鷹行き→中野行き
     2335B列車(平日35B運用) 中野以西運休、三鷹行き→中野行き
     2489B列車(平日89B運用) 全区間運休(千葉到着後は折り返し回送?)

【常磐線快速】
▲(イメージ)常磐線快速のE231系0番台(写真は東マト119編成)。上下とも総じて全区間で運休となるが、下りは上野(JJ-01)発の最終列車、上りは取手(JJ-10)発の最終列車2本が全区間運休である以外は区間運休である。取手行きの最終列車が我孫子(JJ-08)行き、そのあとの我孫子行きが松戸(JJ-06)行きとなるため、到着後は松戸車両センター我孫子派出所、松戸車両センター本所にそのまま入庫となる可能性がある。

常磐線快速では終電はすべてE231系0番台での運転となっています。松戸車両センター本所と我孫子派出所があるため、到着後はいずれも入庫するものと思われます。ただ現行ダイヤのままに区間運休が見られるため、直接入庫するのではなく回送列車で区間運休前と同じ経路で運転して入庫となる可能性もあります。

《一部運休となる列車》
[下 り]2483H列車(平日83H運用) 我孫子以北運休、取手行き→我孫子行き
     2461H列車(平日61H運用) 松戸以北運休、我孫子行き→松戸行き
     2491H列車(平日91H運用) 全区間運休(上野到着後折り返し回送?)
[上 り]2450H列車(平日51H運用) 松戸以南運休、上野行き→松戸行き
     2484H列車(平日85H運用) 全区間運休(取手到着後折り返し回送?)
     2488H列車(平日89H運用) 全区間運休(取手到着後折り返し回送?)

【埼京線・川越線】
▲(イメージ)埼京線のE233系7000番台(写真は宮ハエ134編成)。北行き・南行きの池袋(JA-12)~赤羽(JA-15)間の最終列車1本ずつと、北行きでは大宮(JA-26)以北(川越行き・川越線内)で区間運休となる。乗り入れ先路線の東京臨海高速鉄道りんかい線でも列車削減による運休があるので注意してほしい。

埼京線では池袋~赤羽間の区間運転となる両駅始発終着となる北行き・南行きの最終列車1本ずつが全区間運休となるほか、北行きは新宿(JA-11)24時00分発の川越行きが大宮行きに短縮となり、川越線内運休となります。大宮到着後は川越車両センターまで定期列車スジと同じダイヤで回送されるものと思われます。なお乗り入れ先の東京臨海高速鉄道りんかい線では大崎(JA-08,R-08)24時17分発の東京テレポート(R-04)行き列車(平日は33運用でE233系7000番台の運用、土曜休日は83運用で70-000形の運用)を全区間運休とし、同駅24時01分発の東京テレポート行き列車(平日は87運用で70-000形の運用、土曜休日は13運用でE233系7000番台の運用)を24時07分発(崎2407→テ2418)として発車時刻を繰り下げ、これが終電となります。

《一部運休となる列車》
[北行き]2461K列車(平日61運用) 大宮以北運休、川越行き→大宮行き
     2457K列車(平日57運用) 全区間運休(その前に入庫へ)
[南行き]  156K列車(平日57運用) 全区間運休(2457K列車の前に入庫へ)

※参考…東京臨海高速鉄道での一部運休となる列車
[南行き(平日)]2432K列車(平日33運用) 全区間運休
[南行き(土休)]2482T列車(土休83運用) 全区間運休
※時刻繰り下げとなる列車
[南行き(平日)]2486T列車(平日87運用) 約6分繰り下げ
[南行き(土休)]2412K列車(土休13運用) 約6分繰り下げ

【東海道線】
▲(イメージ)東海道線のE231系1000番台・E233系3000番台(写真は前者の横コツS-05編成)。終電間際は品川(JT-03)・東京(JT-01)発着となっている。上りは変更がないが、下りは最終1本のみ、平塚(JT-11)以西で運休となる。

東海道線では東京発の最終下り1本が平塚以西で運休となるのみです。なお3月ダイヤ改正では正式に東京発の最終列車が平塚行きとなるものとみられます。このため平塚以西の各駅へ終電で移動する際には十分ご注意ください。この最終列車は国府津車両センター所属編成での運用となっています。平塚からは臨時回送で国府津車両センターに入庫するものと思われますが、その翌日の運用が小田原(JT-16)発の上野東京ライン北行の1番列車(高崎線直通高崎行き1820E列車)となるため、国府津車両センターに入庫せず小田原まで回送の可能性があります。

《一部運休となる列車》
[下り(南行き)]745M列車(横コツ) 平塚以西運休、小田原行き→平塚行き

【横須賀線】
▲(イメージ)横須賀線のE217系(写真は横クラY-1編成)。昨年12月21日からE235系1000番台も運用されている。横須賀線は久里浜(JO-01)行きのみ逗子(JO-06)行きに短縮の形で繰り上がる。

横須賀線では総武快速線千葉発の久里浜行き最終列車のみ逗子以遠で運休となるのみです。逗子以遠に終電で移動する際はご注意ください。なお3月のダイヤ改正では逗子行き最終列車も大船(JO-09)行きとなるため、3月13日以降大船以遠に終電で移動する際には注意してください。

《一部運休となる列車》
[下り]2229S列車(平日29運用) 逗子以遠運休、久里浜行き→逗子行き

【中央線快速】
▲(イメージ)中央線のE233系0番台(写真は八トタT10編成)。このなかに松戸車両センターから転入した209系1000番台も運用されている。中央線快速は特に下り列車の繰り上がり幅が大きく、東京(JC-01)発は約30分も繰り上がるので注意してほしい。

中央線快速では特に繰り上がり幅が大きいですね。上りの東京行きの最終列車が三鷹以東で運休である以外は全区間運休となっています。しかも下り列車については高尾(JC-22)行き最終列車を含めてなんと4本が全区間運休となっています。運休となる東京発の下り列車は配線構造や入庫先の関係で折り返し回送列車になるものと思われます。上りは三鷹車両センターが至近にあるため入庫させることはできそうですが、現行ダイヤの行先短縮であるため、三鷹車両センターに入庫させず回送させる可能性もあります。新宿(JC-05,JB-10)から並走する京王電鉄でも繰り上げを発表していますので、立川市や八王子市方面など郊外へ帰宅する際には特に注意が必要といえそうです。

《一部運休となる列車》
[下り]2451T列車(平日51T運用) 全区間運休、回送列車に変更
    2471T列車(平日71T運用) 全区間運休、回送列車に変更
    2435T列車(平日35T運用) 全区間運休、回送列車に変更
    2455T列車(平日55T運用) 全区間運休、回送列車に変更
[上り]2380T列車(平日81T運用) 三鷹以東運休、東京行き→三鷹行き

【武蔵野線】
▲(イメージ)武蔵野線のE231系0番台(写真は千ケヨMU33編成)。基本は三鷹車両センターから転入したこのタイプが主力だが、松戸車両センターから転入した1本(千ケヨMU22編成)や209系500番台やE231系900番台千ケヨMU1編成も運用されている。

武蔵野線では府中本町(JM-35)行き最終列車のみ、東所沢(JM-30)以西で運休、府中本町発は最終列車1本のみ全区間運休となります。東所沢には東所沢電車区があるため、入庫させることも可能ですが、運用上のことを考えると回送列車で対応させる可能性もありそうです。

《一部運休となる列車》
[上り]2246E列車(平日47E運用) 東所沢以西運休、府中本町行き→東所沢行き
[下り]2411E列車(平日11E運用) 全区間運休、回送列車に変更

【京葉線】
▲(イメージ)京葉線のE233系5000番台(写真は千ケヨ505編成・千ケヨ520編成)。これに混ざって209系500番台千ケヨ34編成も運用されている。東京(JE-01)発・蘇我発ともに最終列車のみ全区間運休となるので注意だ。

京葉線では東京発・蘇我発ともに最終列車1本ずつが全区間運休となり、京葉車両センターへの回送列車に変更されるものと思われます。東京発は新習志野(JE-12)・海浜幕張(JE-13)以遠に行く最後の列車ですが、3月ダイヤ改正では東京発・蘇我発ともに最終列車は京葉車両センター入庫を兼ねた新習志野行きになるものとみられます。

《一部運休となる列車》
[下り]2423Y列車(平日23運用) 全区間運休、回送列車に変更
[上り]2402Y列車(平日03運用) 全区間運休、回送列車に変更

今回は平日ダイヤを中心に紹介しましたが、土曜休日ダイヤでもこれにほとんど準じた減便や行先短縮が実施されます。詳細は東日本旅客鉄道のホームページで『終電付近の一部列車運転取りやめについて』をご覧ください。

2021年1月15日

【一部区間運休あり】相模鉄道、現行ダイヤ減便や行先短縮による終電繰り上げ実施へ

2021年1月13日、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言による国土交通省などの要請を受け、各鉄道会社が現行ダイヤの減便や行先短縮による終電繰り上げを発表しました。なお2021年3月に一斉に実施するダイヤ改正とは異なる繰り上げであり、ここでは相模鉄道について記述します。
▲相模鉄道の一部運休となる対象に土曜休日の12000系の固定運用が含まれている。

現行ダイヤでの減便及び区間運休となる対象列車は平日の本線下りのかしわ台(SO-17)行き6079レ(平日44運用)、その列車と接続する7711レ(平日62運用)、7711レの直前の7706レ(平日62運用)のいずみ野線完結列車1往復(これらの列車は全区間運休)、本線上りの海老名(SO-18)発の横浜(SO-01)行き6080レ(平日44運用、6080レのみ二俣川(SO-10)→横浜間で区間運休)、土曜休日の本線上り横浜行き6060レ(土曜休日73運用、12000系での固定運用、二俣川→横浜間で区間運休)、いずみ野線上り最終の二俣川行き7710レ(土曜休日55運用、全区間運休)となります。本線上り列車は二俣川以東で区間運休ですが、それ以外は全区間運休となります。

この時の運用行路を確認すると、平日は44運用の6080レとその折り返しとなる6079レ、62運用の7706レとその折り返しの7711レが区間運休または全区間運休となる列車の対象であることから、44運用は6080レスジの二俣川行きで運用されたのち、折り返しはかしわ台車両センターまでの臨時回送になるものと思われます。一方の62運用は6879レの折り返しのいずみ野線完結列車1往復(7706レ7711レ)が運休対象であるため、6879レが湘南台(SO-37)に到着したあと、回送させずにこのままホームで夜間滞泊の形で留置になるものと思われます。これは6879レのあとのいずみ野線内完結列車の1往復を削減しても、最終的に湘南台で運用終了となるためです。土曜休日は73運用の6060レのあと、横浜まで6060レと同じスジで臨時回送のうえで入庫するものと思われます。これはその翌日が74運用に繋がる可能性が高いうえに、その運用が横浜から始まっているためです。一方の55運用は運用上のつながりを考慮すると、56運用のスタートが横浜であるため、湘南台から横浜まで臨時回送となりそうでしょうか。

2021年1月14日

【平日・土曜休日共通】小田急電鉄、終電間際の新宿(OH01)発の3列車を運休で終電繰り上げへ

2021年1月13日、小田急電鉄が新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言発出により国土交通省や自治体からの要請を受けて、1月20日より小田原線新宿(OH01)発の下り列車3本の運転を取りやめると発表しました。なお同年3月13日実施のダイヤ改正時のものとは異なるものであり、現行ダイヤの減便での対応となります。
▲新宿発の下り3本が運休となる小田急電鉄。その下り3本とは8両編成の各駅停車が1本、10両編成の急行(途中で種別変更あり)と各駅停車が1本ずつである。

対象は以下の3列車です。平日・土曜休日ともにこれらの3列車が運転取りやめとなりますので注意してください。これらの列車を利用することが多い方は必ずチェックしてください。なおこの措置は当面行われ、1月20日以降の最終列車はいずれも新宿24時25分発(平日6419レ、土曜休日6405レ・いずれもB23運用、百2510←宿2425)となります。このため海老名(OH32)までの各駅へ終電で移動していた方は十分にご注意ください。なお多摩線唐木田(OT07)方面は直通列車が新宿発で設定されており、出発は24時過ぎですが、各駅停車のため後続の急行に乗ると登戸(OH18)以西で乗り継ぐことができます。階段を伴う乗り継ぎをしたくない場合は登戸または向ケ丘遊園(OH19)での乗り継ぎを推奨します。

【運休対象となる列車】
新宿24時38分発 急行相模大野(OH28) ※新百合ヶ丘(OH23)で種別変更
 平日1303レ6769レ(E12)/土曜休日1305レ6759レ(E37)(大2519←宿2438)
新宿24時39分発 各駅停車向ケ丘遊園
 平日6229レ(B24)/土曜休日6203レ(B24)(向2513←宿2439)
新宿24時53分発 各駅停車経堂(OH11)
 平日6231レ(E24)/土曜休日6205レ(E24)(経2510←宿2453)
【終電繰り上げに伴う行先最終列車】
・新百合ヶ丘以西と多摩線各駅…新宿24時20分発 急行海老名 ※新百合ヶ丘で種別変更
 平日1301レ6767レ(E33)/土曜休日1303レ6757レ(E33)海2513←宿2420)
 ※登戸・向ケ丘遊園・新百合ヶ丘で唐木田方面の平日7907レ(B27)/土曜休日7907レ(B12)に乗り継ぎが可能
・新百合ヶ丘までの各駅…新宿24時25分発 各駅停車新百合ヶ丘
 平日6419レ(B23)/土曜休日6405レ(B23)(百2510←宿2425)

これらの列車はいずれも上り定期列車のあとの折り返しとなるため、いずれも営業列車から臨時回送列車に変更のうえで大野総合車両所に入庫、夜間留置のある向ケ丘遊園・経堂まで回送されるものと思われます。ちなみに大野総合車両所までの回送は運転状況などによっては喜多見検車区で打ち切る(つまり運用振替とする)ことも可能ですね。

2021年1月13日

【現行ダイヤ減便も】新型コロナウィルスによる緊急事態宣言発令に伴う終電繰り上げについて

2021年1月に首都圏(1都3県)に緊急事態宣言の発出を受けて、国と国土交通省が各鉄道会社に終電の繰り上げを前倒しするよう要請したことから、各鉄道会社が現行ダイヤにおける減便や定期列車を回送列車に変更して終電を繰り上げる可能性が出ています。

終電の種別や行先は路線によって異なりますが、近距離で終わるところもありますが、長距離に及ぶものもあります(例・現行ダイヤで東日本旅客鉄道東海道線では東京(JT-01)発小田原(JT-16)行き、宇都宮線では上野(JU-02)発宇都宮行き、高崎線では上野発高崎行き、京葉線では東京(JE-01)発蘇我行き、埼京線では新宿(JK-11)発川越行きなど)。各鉄道会社は2021年のダイヤ改正での終電繰り上げ(や行先短縮)を発表していますが、ダイヤ改正の場合は人員などの調整が必要となるため、現行ダイヤを減便(当該列車を運休)するか列車によっては定期営業列車を回送列車に変更するなどの対応をとるかたちで終電繰り上げとなるものと思われます。まだ各鉄道会社からの正式な発表はありませんが、早ければ1月中旬あたりから現行ダイヤの削減(一部列車の運休や回送列車に変更)で終電繰り上げを実施し、2月~3月のダイヤ改正で終電繰り上げに本格移行していくものとみられます。

鉄道を利用しなければならない状況のときには最新情報を集めたうえで現行ダイヤの減便に伴う運休(および一部列車の回送列車への変更)などに十分注意してください。

2021年1月12日

【動向には注意】小田急電鉄1000形1254F(6両固定編成)が大野総合車両所を検査出場する

2021年1月12日、小田急電鉄1000形1254F(6両固定編成)が大野総合車両所にて検査を通して出場し、小田原線内で試運転を実施しました。6両固定編成のままのリニューアルは現在もなく昨年出場の1253F(6両固定編成)と同様にリニューアル自体が見送られているため今後の動向が注目されます。
▲2020年8月にレーティッシュカラーの1000形1059Fと併結して営業運転に就いていた1254Fが大野総合車両所を検査出場した。昨年出場した1253Fと同様に6両固定編成のままでリニューアルはされていない。とりあえずは一安心だが動向には注意したいところ。

今回検査出場した1254Fは2020年8月に箱根登山鉄道の全線運転再開を記念して、同線専用のレーティッシュカラーの1059Fと組んで運用されていました。大野総合車両所では元1055Fの3両と元1081Fの付随車2両と元1255Fの5両で1097Fへの大規模リニューアル改造が進められているため、1254Fのリニューアル自体は見送られています。今後発表されるであろう2021年度の事業計画次第にはなりますが、次の1000形のリニューアルは4両固定編成(1編成か)と10両固定編成(1092F)になるものと思われるため、残りの分は2代目5000形の追加増備で置き換えていくのか気になるところです。1000形のリニューアル更新工事施工が発表された当時はワイドドア車以外の全編成が対象となっていたものの、元1081Fの6両の廃車を機に結果的に2代目5000形に置き換える形に変更され、1054F・1068Fとワイドドア車でクヤ31形と連結ができる1751F(6両固定編成)の3編成が廃車除籍となりました(さらに元1055Fの元クハ1155・元1255Fの元クハ1255、8000形8255Fが廃車になっている)。さらには3月には初電繰り下げおよび終電繰り上げに伴うダイヤ改正で運用数の整理が予想されることから、その状況によっては1000形の廃車がさらに進むことになりそうな予感がします。2代目5000形も5055Fが出場したために、廃車除籍となる可能性がある車両は1000形でリニューアルされていない編成(1092Fは除く)、ワイドドア車、そして8000形8251Fのいずれかとみています。ただクヤ31形と連結できる1000形の電源供給車(1051F・1752F)のどちらか1編成は残してほしいところではあります。

2021年1月10日

【2021年初の増備】小田急電鉄5000形5055Fが川崎重工業兵庫工場を出場、甲種輸送される

2021年1月8日、川崎重工業兵庫工場で製造された小田急電鉄5000形5055F(クハ5055+デハ5005+デハ5105+サハ5155+サハ5255+デハ5205+デハ5305+サハ5355+デハ5405+クハ5455)の甲種輸送が海老名検車区まで行われています。
▲2021年1月に入りようやく川崎重工業兵庫工場で製造された5000形5055Fが無事に出場。川崎重工業兵庫工場製造の5000形は5052F以来である。製造当初から種別行先案内表示器の文字サイズが大きくなっているかに注目だ。

この編成はサハ5355とクハ5455以外が2代目の番号となっており、同形式が川崎重工業兵庫工場で製造されるのは5051F・5052F以来のことです。就役当初から約半年間はその2編成についてはフルカラーLED式種別行先案内表示器に表示される種別と行先の文字のサイズが小さめでした。ただ現在は2編成とも改良済みであるため、今回の5055Fにおける種別行先案内表示器に表示される文字のサイズが注目ポイントとなりそうです。同形式はあと1編成が登場するものとみられるため、現在もリニューアルされていない1000形やチョッパ制御更新車で残る8000形8251Fの動向が注目されます。

2021年1月7日

【QRコード活用】小田急電鉄小田原線登戸(OH18)1番ホーム・2番ホームにホームドアを設置、3月に使用開始へ

2020年1月7日、小田急電鉄が1月9日終電後に小田原線登戸(OH18)の2番ホーム(急行線)に、16日終電後に1番ホーム(緩行線)にホームドア本体を設置し、3月上旬の初電車から稼働を開始すると発表しました。なお上り3番ホーム(急行線)と4番ホーム(緩行線)には3月下旬に設置され5月の稼働開始を目指すとしています。
▲今回導入するホームドア開閉の際に欠かせないのが各通勤形車両の一部の旅客用扉に貼付されているQRコード(写真は3000形3265F(日本車両製造3次車)のもの)だ。これをホーム上家に設置されたカメラで読み取り、旅客用扉の開閉に連動するようにホームドアを開閉することで、車両数の異なる車両(8両編成と10両編成)が来ても大丈夫なようになっている。
▲営業運転開始前にQRコードが貼り付けられた5000形5054F。この次に登場する5055F以降は営業運転開始前にQRコードを貼り付けることになりそうか。QRコードは6両単独運用がメインの1000形ワイドドア車や8000形8251Fを除く各通勤形に貼付されている。

登戸1番ホーム・2番ホームは2020年度の鉄道設備投資事業計画においてのホームドア設置対象の駅に含まれており、下北沢(OH07)の1番ホーム・2番ホーム(急行線ホーム)ではすでに稼働しています。下北沢のホームドアは2019年度設置駅と同様のQRコードを使用しないタイプのものですが、今回の登戸で導入されるホームドアから通勤形車両(東日本旅客鉄道E233系2000番台など乗り入れ車両を含む)に貼付されたQRコードの読み取りによるホームドア自動開閉制御システムが導入されます。登戸には8両編成(各駅停車のみ)と10両編成が乗り入れており、両者で停止位置が異なる場合があります。そのため車両に貼付されたQRコードをホーム上家に設置されたカメラで読み取り、車掌が旅客用扉の開閉動作を行うとそれに連動してホームドアが開閉する仕組みとなっています。登戸を通る旅客用扉の数が異なる通勤形車両はありませんが(ただしロマンスカーを除く)、具体例として京浜急行電鉄のように3扉車に対応するホームドアに2100形(2扉車)が来た場合、QRコードを読み取って各車両の中央のホームドアのみを閉めたまま(2100形の側面窓部分にあたるホームドアは閉まった状態)にしておき、ほかのホームドアが開閉するという、車両と旅客用扉の数に応じたホームドアの開閉がQRコードの読み取りにより可能であるというわけです。そのため8両編成が停車した場合は車両がかかっていない2両分のホームドア以外が開閉します。ちなみに通常停車はしませんが、仮に特急ロマンスカーが登戸で緊急に停車させる(場合により下車させる)ということがあった場合などにどう対処するかがポイントとなりそうです。

なお同駅にホームドア本体が設置されるものの、すぐに本格稼働するわけではありません。各種試験を経てから本格稼働となりますので、本格稼働まではホームドアは設置後であっても開いたままとなりますので、列車が接近してきた場合は黄色の点字ブロック、ホームドアの内側で列車を待つようにしましょう。

2021年1月6日

【E217系初の除籍】東日本旅客鉄道E217系横クラY-44編成が長野総合車両センターへ配給輸送される

2021年1月5日、東日本旅客鉄道鎌倉車両センター所属のE217系横クラY-44編成(クハE217-44以下11両)が長岡車両センター所属のEF64形1032号機に牽引され所属先から長野総合車両センターまで配給輸送されました。ドアステッカーが撤去されていたため全11両が廃車解体処分になるものと思われます。
▲一時期は上野東京ライン開業前まで東海道線でも運用されたことがあるE217系で初めて廃車除籍処分が発生。そのトップはなんと横クラY-44編成である。この編成はグリーン車2両(サロE217形+サロE216形)以外は旧新津車両製作所で製造されている。

この直前にEF64形1032号機が鎌倉車両センターへ自走回送されていたため、いずれは廃車配給に向けた準備段階かと思っていましたが、回送されてすぐに横クラY-44編成が帰らぬ旅へ出る結果となりました。スタート地点が鎌倉車両センターですが、可能な限り鉄道ファンの密集を防ぐためか夜間帯に運転され、大船(JO-09)→新宿(JC-05,JS-20)→甲府(CO-43)→長野の経路で運転されました。新宿までは湘南新宿ラインと同じルート、新宿から中央本線と篠ノ井線を通る形です。

209系の近郊形電車バージョン(グリーン車組込み)として登場したE217系は1994年に登場し、最終的には11両51編成(561両)と4両46編成(184両)の合計745両が製造されました。同系列は鎌倉車両センターと幕張車両センターに分散して配置されていたことがありましたが、現在は全車両が鎌倉車両センターに配置されているほか、現在の横クラY-1編成(クハE217-1以下11両)・横クラY-2編成(クハE217-2以下11両)・横クラY-3編成(クハE217-3以下11両)、横クラY-101編成(クハE217-2001以下4両)・横クラY-102編成(クハE217-2002以下4両)・横クラY-103編成(クハE217-2003以下4両)は東海道線でも運用されていたことがあります。今回廃車となった横クラY-44編成は1999年に製造された8次車であり、わずか約22年で置き換えられた形となります。全11両が廃車解体と予想したのはグリーン車を含む付随車は転用から外れる公算が高いこと、そして転用することを考えたときに機関車次位のクハE217形0番台から3両分あるセミクロスシートが非常にネックになると思いますので、車両としては両先頭車にトイレ(1号車車椅子対応の洋式、11号車和式)もあるのでこの先も使えそうに見えますが、非常に難しいところですね。

E217系の廃車はこれが初めてのこととなり、在籍数は11両50編成(550両)と4両46編成(184両)の合計734両となりました。まさかトップナンバーなどよりも車齢の若い8次車の編成が廃車になるとは驚きましたね。また8次車でも疎開編成がいますので、動向に注意が必要です。なお横クラY-44編成の運用は昨年12月21日の平日01運用の鎌倉車両センター入庫を最後に確認がありませんので、その時点で運用離脱となっていた可能性があります。

【E217系の在籍状況】※2021年1月5日現在
 基本編成(11両)…50編成(−1) 付属編成(4両)…46編成(±0)
 廃車除籍(11両)…  1編成(+1) 廃車除籍(4両)…  0編成(±0)

2021年1月5日

【特急格上げで廃止】東日本旅客鉄道首都圏エリア最後の座席定員制列車『湘南ライナー』について

1986年11月に東日本旅客鉄道の前身の日本国有鉄道が東海道線で特急形車両の185系電車を有効活用する手段として、東京(JT-01)・新宿(JS-20)~小田原(JT-16)間で設定された座席定員制の『湘南ライナー』『おはようライナー新宿』『ホームライナー小田原』ですが、2021年3月12日をもって運転を終了、3月15日から新たな通勤向け全席指定制の特急列車『湘南』になり、車両もE257系2000番台・2500番台に変更されます。
▲『湘南ライナー』『おはようライナー新宿』『ホームライナー小田原』に使用されている185系電車。普通車への乗車に必要なライナー券は520円で自由席特急券(50kmまで)とほぼ同じ料金となっている。これらの列車には7両編成(OM編成)、10両編成(A編成)、15両編成(C編成+A編成)の3種類で運転され、着席通勤にはもってこいの列車である。なおグリーン車にはグリーン券(Suicaグリーン券)があれば乗車できる。
▲『湘南ライナー』『おはようライナー新宿』に使用されている215系。この系列は185系の1編成あたりの座席定員が不足するため、1992年から1993年にかけて日本車両製造で製造された4編成が投入された。全車2階建て車両(1号車と10号車は機器を搭載するため2階部分のみ)であるため両端2両が電動車である以外は付随車となっている。
▲座席定員列車『湘南ライナー』の形態を格上げし引き継ぐ形の特急『湘南』に充当されるE257系2000番台。一部列車に付属編成の2500番台を連結して運用される。平日のみ運転の通勤特急であるため上り列車は旅客線・貨物線経由で停車駅が異なるほか、下りは貨物線経由の列車を除き停車駅がほぼ統一されている(一部に二宮(JT-13)に停車する列車がある)。

そこで今回はダイヤ改正前に乗っておきたい座席定員制列車の『湘南ライナー』『おはようライナー新宿』『ホームライナー小田原』の3列車を紹介します。『湘南ライナー』は東京~小田原間、『おはようライナー新宿』は朝に小田原→新宿間、『ホームライナー小田原』は夜に新宿→小田原間で設定されており、『湘南ライナー』は列車によって経由路線が変わるものがあります。また『おはようライナー新宿』は3本、『ホームライナー小田原』は2本されており、前者2本はほぼ貨物線経由、前者1本と後者2本ともは茅ヶ崎(JT-10)以西は旅客線経由、茅ヶ崎以東は貨物線経由で運転されています。まずこれらの列車は平日の朝晩の通勤時間帯・帰宅時間帯に運転されていて着席通勤が確実にできることです。貨物線経由の列車は一部区間で旅客線を回避し走行するので、ラッシュ時間帯のピークの混雑を避けるという意味でも乗り得だと思いますし、ラッシュピーク前後に走っている列車も一部でありますから、時差通勤での着席移動にも適しています。車両は特急形車両の185系と2階建て車両の215系が使用されています(かつて251系も『おはようライナー新宿』で使用されていた)。車両によって当たりはずれはあると思います。185系はリクライニングができますが、215系はすべてボックスシートのためリクライニングはできません。ただし215系は1階席・2階席と平屋席がありますから、その日の気分によって着席する場所を選ぶことができます。そして魅力のひとつとして、2021年3月で快速アクティーに格下げされる通勤快速と同様に乗降客数の多さを誇る横浜(JT-05)や川崎(JT-04)を通過する(つまり大船(JT-07)~品川(JT-03)間でノンストップとなる)ことが挙げられます。2021年3月15日から登場する特急『湘南』も大船~品川間(貨物線経由の列車は藤沢(JT-08)~品川間)でノンストップです。この区間での通過運転も重視されるべきポイントといえそうです。

では現在の『湘南ライナー』『おはようライナー新宿』『ホームライナー小田原』のダイヤがどうなっているのか見ていきます。いずれも特急『湘南』に格上げされるため、520円で乗れるチャンスは2021年3月12日までです。全区間乗るほどお得ともいえますが、実際には全区間乗り通す通勤客は多くありません。あくまでも大船以西の各停車駅~品川・東京間を通勤する人をターゲットにした列車ですから、520円(グリーン車のみ普通グリーン料金と同額)を払ってでも一度利用して損はない列車といえそうです。

【現在の座席定員制列車のダイヤ】※すべて平日運転、括弧内は運用番号
《湘南ライナー》
小0619→東0749 3722M列車 185系15両(183+193)
小0637→品0748 3724M列車 185系10両(184)
小0658→東0813 3726M列車 215系10両(404)
小0722→東0848 3728M列車 215系10両(402)
小0759→東0922 3730M列車 185系  7両(152)
小0809→東0926 3732M列車 185系15両(182+192)

小1943←東1830 3721M列車 215系10両(402)
小2021←東1900 3723M列車 215系10両(403)
小2045←東1930 3725M列車 185系15両(182+192)
小2119←東2000 3727M列車 185系10両(183) ※金曜日のみ15両(183+193)
小2143←東2030 3729M列車 215系10両(404)
小2212←東2100 3731M列車 185系10両(185)
小2243←東2130 3733M列車 185系15両(181+191)
小2343←東2230 3735M列車 215系10両(402)
小2445←東2330 3737M列車 185系10両(183) ※金曜日のみ15両(183+193)

《おはようライナー新宿》
小0625→宿0745 3452M列車 185系10両(181)
小0709→宿0833 3454M列車 215系10両(403)
小0741→宿0902 3456M列車 185系10両(185)

《ホームライナー小田原》
小2058←宿1930 3451M列車 185系  7両(151)
小2250←宿2130 3453M列車 185系10両(184)

【参考・東海道線の通勤快速】※2021年3月ダイヤ改正で快速アクティーに格下げ
小2102←東1950 3851M列車 宮ヤマ
小2200←東2050 3853M列車 宮ヤマ
小2303←東2150 3855M列車 横コツ

2021年1月3日

【約1年ごとに交代】相模鉄道11000系の『そうにゃんトレイン』、2021年3月9日から8代目に交代へ

2020年3月から相模鉄道11000系11003Fを使用して『7代目そうにゃんトレイン』が営業列車では新横浜線(回送のみ)を除く全線で運転されていますが、2021年3月に8代目として交代することとなりました。8代目には11004Fが起用されるものと思われます。
▲現在の『そうにゃんトレイン』は7代目。初代・3代目・5代目を担当した11000系11003Fが使用されている。
▲8代目『そうにゃんトレイン』の候補となっている11000系11004F。同編成の『そうにゃんトレイン』は2代目・4代目・6代目を担当しているため、このままの順番でいけば11004Fに担当が回ってくるが果たして…。

現在の『7代目そうにゃんトレイン』となっている11000系11003Fはスマートフォンの無料通話アプリ“LINE”にあるLINEスタンプをモチーフとしたものとなっており、吊革はベルトの部分にそうにゃんの尻尾をイメージした柄を配置したものが設置されているほか、車端部の3人掛けの一般座席の座席モケットがそうにゃん仕様となっています。この編成の運用は1月5日の平日49運用の前半までとなっているので、このタイミングで運用を離脱するということは11003Fのラッピングを解除する可能性がありそうです。8代目のデザインが公表されていませんが、新型コロナウィルスが拡大する以前から新旧『そうにゃんトレイン』の引き継ぎのイベントなどは実施されていませんので、今回も実施しないものとみられます。少なくともそうにゃんの吊革と座席モケットは8代目でも継承される可能性がありそうです。

2021年1月2日

【異例の年始】小田急電鉄ロマンスカー、今年は『丑年』ヘッドマーク掲出せず

小田急電鉄では毎年1月1日からの一定期間、その年の干支のヘッドマークをロマンスカーの先頭車に掲出することが恒例ですが、2020年に新型コロナウィルスが全世界で拡大し、国内の感染者が急増しているため、2021年1月1日から予想されていた『丑年』ヘッドマークの掲出は見送られているようです。
▲2020年の干支である『子年』(ネズミのデザイン入り)ヘッドマークを掲出していたロマンスカー“VSE”50000形・“MSE”60000形。

本来であれば毎年1月1日の臨時特急『ニューイヤーエクスプレス』・『メトロニューイヤーエクスプレス』から丑年のヘッドマークが掲出されるはずでした。

しかしながら2020年の新型コロナウィルス(COVID-19)が猛威を振るい、ロマンスカーは2020年5月のゴールデンウィークを含む土曜休日ダイヤでの運転をすべて取りやめるなど影響が出ました。さらには年末年始の運転計画にも影響を与えており、今年の終夜運転は実施しない代わりに、1月1日の江ノ島線の臨時列車1本、さらに“GSE”70000形による『ニューイヤーエクスプレス』1本、“MSE”60000形による『メトロニューイヤーエクスプレス』1本の運転が予定されていたものの、感染者急増によりすべて取りやめとなり(終夜運転を予定していたすべての鉄道会社で運転取りやめとなる)、結果として12月31日終電後から1月1日初電前までに恒例となっていた終夜運転が1本もない事態になりました。

こうなると小田急電鉄で毎年1月1日に運転されていた『ニューイヤーエクスプレス』『メトロニューイヤーエクスプレス』の運転のタイミングから掲出されている干支のヘッドマークが2021年は掲出されない可能性を予想していましたが、その通りになりました。当時終夜運転の計画が発表されたときにはヘッドマーク掲出の情報がなかったため、少し怪しいと思っていましたが、今年の情勢を考えるとヘッドマークの掲出を見送っても致し方ない可能性を感じました。新型コロナウィルスが年末年始をも大きく一変させた衝撃は計り知れませんね。