2021年1月5日、東日本旅客鉄道鎌倉車両センター所属のE217系横クラY-44編成(クハE217-44以下11両)が長岡車両センター所属のEF64形1032号機に牽引され所属先から長野総合車両センターまで配給輸送されました。ドアステッカーが撤去されていたため全11両が廃車解体処分になるものと思われます。
▲一時期は上野東京ライン開業前まで東海道線でも運用されたことがあるE217系で初めて廃車除籍処分が発生。そのトップはなんと横クラY-44編成である。この編成はグリーン車2両(サロE217形+サロE216形)以外は旧新津車両製作所で製造されている。
この直前にEF64形1032号機が鎌倉車両センターへ自走回送されていたため、いずれは廃車配給に向けた準備段階かと思っていましたが、回送されてすぐに横クラY-44編成が帰らぬ旅へ出る結果となりました。スタート地点が鎌倉車両センターですが、可能な限り鉄道ファンの密集を防ぐためか夜間帯に運転され、大船(JO-09)→新宿(JC-05,JS-20)→甲府(CO-43)→長野の経路で運転されました。新宿までは湘南新宿ラインと同じルート、新宿から中央本線と篠ノ井線を通る形です。
209系の近郊形電車バージョン(グリーン車組込み)として登場したE217系は1994年に登場し、最終的には11両51編成(561両)と4両46編成(184両)の合計745両が製造されました。同系列は鎌倉車両センターと幕張車両センターに分散して配置されていたことがありましたが、現在は全車両が鎌倉車両センターに配置されているほか、現在の横クラY-1編成(クハE217-1以下11両)・横クラY-2編成(クハE217-2以下11両)・横クラY-3編成(クハE217-3以下11両)、横クラY-101編成(クハE217-2001以下4両)・横クラY-102編成(クハE217-2002以下4両)・横クラY-103編成(クハE217-2003以下4両)は東海道線でも運用されていたことがあります。今回廃車となった横クラY-44編成は1999年に製造された8次車であり、わずか約22年で置き換えられた形となります。全11両が廃車解体と予想したのはグリーン車を含む付随車は転用から外れる公算が高いこと、そして転用することを考えたときに機関車次位のクハE217形0番台から3両分あるセミクロスシートが非常にネックになると思いますので、車両としては両先頭車にトイレ(1号車車椅子対応の洋式、11号車和式)もあるのでこの先も使えそうに見えますが、非常に難しいところですね。
E217系の廃車はこれが初めてのこととなり、在籍数は11両50編成(550両)と4両46編成(184両)の合計734両となりました。まさかトップナンバーなどよりも車齢の若い8次車の編成が廃車になるとは驚きましたね。また8次車でも疎開編成がいますので、動向に注意が必要です。なお横クラY-44編成の運用は昨年12月21日の平日01運用の鎌倉車両センター入庫を最後に確認がありませんので、その時点で運用離脱となっていた可能性があります。
【E217系の在籍状況】※2021年1月5日現在
基本編成(11両)…50編成(−1) 付属編成(4両)…46編成(±0)
廃車除籍(11両)… 1編成(+1) 廃車除籍(4両)… 0編成(±0)