2021年1月20日、京浜急行電鉄が座席指定列車や貸切専用列車など柔軟な運用ができるうえ、昨今の“Withコロナ”においても安心して快適に利用できるように、車内設備が一新されている新1000形1800番台の改良型車両(新1000形20次車)を導入することを発表しました。なお2020年度事業計画での新製車両はこの2編成が当該となっていますね。
▲今回導入される車両のベースとなる新1000形1800番台(4両固定編成)。転換クロスシートが採用されるため東武鉄道50000系列・70000系列と同じく90番代に区分され、1891編成と1892編成が導入される。
当該編成は1891編成(浦賀(KK-64)・三崎口(KK-72)寄りからデハ1891-1+デハ1891-2+デハ1891-3+デハ1891-4)と1892編成(浦賀・三崎口寄りからデハ1892-1+デハ1892-2+デハ1892-3+デハ1892-4)でいずれも全車電動車の4両固定編成として製造されているようです。京浜急行電鉄の車両でハイフンが付く車両は(引退済みの800形と)600形以来のことですが新1000形では初めてとなります。基本的にはこの両者を連結して8両編成として運用することも想定されています。座席は京浜急行電鉄の車両で初めてとなる転換クロスシート(2人掛け・ロングシートの場合は6人掛けになる)が採用されます。一般運用時はロングシート、座席指定列車として使用するときにはクロスシートとなります。転換クロスシートは優先席にも採用さるようです(2人掛け)。場合によりですが既存の1800番台3編成のいずれか(1801編成・1805編成・1809編成)と連結して運用することもできそうですが、こうなると車内の設備の差が如実に出ますね。また車内には2号車のデハ1890-2に車椅子対応の洋式トイレ、3号車のデハ1890-3に男性用トイレが設置されるほか、中間2両には車椅子やベビーカーでも利用ができるフリースペース、両先頭車には車椅子スペースが設置されます。また先頭車のデハ1890-1とデハ1890-4の運転台側の座席は2人掛けロングシートではなく前面展望は可能なクロスシートが採用されるほか(復活)、千鳥配置で車内防犯カメラも設置されます。転換クロスシートには新型コロナウィルスなどに対する抗ウイルス仕様となっている抗菌・抗ウイルス仕様の座席が採用され、三浦半島の旅を想起する波をイメージしたデザインが入ります。京浜急行電鉄の車両で車内トイレが設置されるのは初めてです。車椅子対応の洋式トイレは東日本旅客鉄道の近郊形電車で見られますが、通勤形車両への男性用トイレの設置は初めてのことです。仕様が19次車とも異なるため、20次車に区分され、2編成とも総合車両製作所横浜事業所で製造されているものと思われます。