2021年1月24日

【今後どうなる】小田急電鉄小田原線登戸(OH18)のホームドア設置で1000形ワイドドア車に影響?

2021年1月9日と16日終電後に、小田急電鉄小田原線の登戸(OH18)の1番ホーム・2番ホームにQRコードを読み取って開閉するタイプのホームドアの本体が設置され、動作確認を経て同年3月から本格稼働を開始する予定となっています。こうなると1000形のワイドドア車(5編成・30両)に影響を及ぼすものとみられています。
▲現在は6両編成単独のA運用がメインの1000形ワイドドア車。すでに女性専用車ステッカーが撤去されており10両編成の運用に入ることはない。新宿(OH01)4番ホーム・5番ホームへのホームドア設置以降、6両編成単独の運用で奮闘している1000形ワイドドア車も登戸のホームドア設置で影響が出そうだ。

ここで登戸のホームドア設置とともに1000形ワイドドア車に焦点を当てたのは、同形式ワイドドア車が関係するA運用と、そのA運用のなかに登戸を通る営業列車が存在することです。最初に言及した通り、同駅に設置されたホームドアは各形式の一部旅客用扉に貼付されたQRコードを読み取ってホームドアを開閉する仕組みであり、1000形ではワイドドア車の全編成と一部の非リニューアル編成にはQRコードが貼付されていません(廃車除籍済みの編成を除く)。現在はホームドア本体が設置されたのみで稼働はしておらず、1000形ワイドドア車が登戸に乗り入れる運用に充当することは形式上可能です。ここで1000形ワイドドア車の充当があるA運用と、登戸に乗り入れる営業列車を調べてみると、下記の通りとなります。

【登戸に乗り入れる6両編成の営業列車】※2020年3月ダイヤ時点
《平日》下り…7901レ(平日A12運用・唐0652←成0619)
    上り…6706レ(平日A22運用・小2336→成2507)
《土休》下り…6509レ(土曜休日A12運用・小0728←成0549)
    上り…6718レ(土曜休日A22運用・小2336→成2507)

運用上の流れを調べると、A12運用の場合では平日は直接多摩線の往復運用に、土曜休日は昼過ぎまで小田原線新松田(OH41)~小田原(OH47)間のシャトル運用を挟みますが、順当であれば昼過ぎからの多摩線往復運用に繋がっており、多摩線往復運用に1000形ワイドドア車が充当されなくなるのではないか…と思われていました。

しかし翌々運用を調べてみると、ホームドアが設置された登戸を通らずに多摩線運用に充当できる方法がありました。平日の場合はA12運用の7901レに充当されないと多摩線の往復運用に繋がらないため、1000形ワイドドア車の多摩線往復運用への充当は厳しいですが、土曜休日の運用にヒントがありました。土曜休日のA12運用は小田原線のシャトル運用のあとに大野総合車両所に一度入庫するように運用が組まれていて、その再出庫から多摩線往復運用に繋がっています。このためその再出庫から1000形ワイドドア車を充当させることが可能です。平日・土曜休日はいずれもA12・A13・A14・A15の各運用、土曜休日はそれに加えてA18の各運用で多摩線往復運用が含まれており、ほとんど終日多摩線往復となるのはA13・A14・A15の各運用であるため(土曜休日はA18運用も該当するが、最初と最後には小田原線の運用が含まれている)、土曜休日A12運用・土曜休日A18運用のいずれかで1000形ワイドドア車を送り込めば多摩線往復運用に充当でき、平日・土曜休日A15運用または土曜休日A18運用に充当されれば登戸を通らず多摩線往復運用から脱出することができるわけです。平日・土曜休日ともにA15運用は多摩線往復が終了した後に大野総合車両所に回送のうえで入庫となるので、この方法を実際に試すとなると、土曜休日A12運用の再出庫と平日・土曜休日A15運用に1000形ワイドドア車の可能性が出てきます。可能な限りホームドア設置駅となった登戸を通らずに多摩線運用に送り込むときは土曜休日A12運用の再出庫または土曜休日A18運用がカギを握るかもしれません。1000形ワイドドア車が多摩線で見られる可能性は圧倒的に低いとはいえませんね。