2020年10月25日

【引退から約8年】小田急電鉄ロマンスカー“RSE”20000形、ロマンスカーミュージアム搬入準備へ

2020年10月24日終電後に、小田急電鉄ロマンスカー“RSE”20000形20001Fのデハ20001とサハ20151が大野総合車両所での車体洗浄作業などの整備を受け、4両固定編成の1000形1068Fに牽引され海老名検車区へ回送されました。この2両もロマンスカーミュージアムでの展示のため搬入されるものとみられます。
▲2012年3月のダイヤ改正で引退したロマンスカー”RSE”20000形の先頭車のデハ20001と2階建て車両のサハ20151がついに海老名検車区へ。両者ともロマンスカーミュージアムへ搬入されるものとみられる。2階建て車両の『スーパーシート』が非常に懐かしい。
▲保存車両のデハ20001とサハ20151を海老名検車区に導いた1000形1068F。保存車両が連接台車でないため、4両固定編成の1068Fによる牽引の形がとられ、クハ1068の後ろにはサハ20151が連結された。

今回輸送されたロマンスカー“RSE”20000形のデハ20001とサハ20151は上り方先頭7号車の下枠交差式パンタグラフを搭載する制御電動車と4号車の2階建て中間付随車で、同形式を当時の特急『あさぎり』(現在の『ふじさん』)だけでなく『はこね』として使用することも考慮して7両固定編成とされていました。同形式の3号車と4号車に2階建て車両(中間付随車)が組み込まれ、3号車1階席は普通席、4号車1階席はセミコンパートメント3室に対し2階席は特別席とされ『スーパーシート』と呼ばれていました(『あさぎり』は2階席はグリーン車として使用)。なお『スーパーシート』に着席する際には通常の特急料金に加えて特別料金(スーパーシート料金)が必要でした。このロマンスカー“RSE”20000形は20001Fと20002Fの7両2編成(14両)が在籍、当時静岡車両区に在籍していた東海旅客鉄道371系静シスX1編成(現在は富士急行8500系)とともに2012年3月ダイヤ改正前日まで『あさぎり』を中心に運用され、371系が使用できない時に限り同系列の代走運用に使用されることもありましたね。引退後は元20002Fのうちデハ20002・サハ20052・デハ20302の3両が山梨県の富士急行に譲渡され、富士急行8000系として『フジサン特急』に使用されています。元20001Fは輸送された2両に加えて下り方先頭1号車のデハ20301とともに保存されていましたが、運用増加に伴う保存車両の一部解体によりデハ20301のみが解体処分となっていました。これで保存車両のロマンスカーは“RSE”をもってすべて搬入されることになりそうです。一方で海老名検車区西側の49番構内留置線横にある車両保管スペース(元々ロマンスカー“SE”初代3000形が静態保存されていた場所)にはすでに引退した通勤形電車の一部(2200形2両・2600形・9000形1両ずつ)が保存されていますが、これらの車両は引き続きその場所に保存するのでしょうか?

ところで1000形1068Fがロマンスカー“RSE”20000形2両を牽引中に、残念なことに悪質な鉄道ファンによる非常に遺憾な行為がありました。途中の座間(OH31)では鉄道ファン3名が終電後の上り2番ホームに乱入する騒ぎがあり、一時徐行運転で通過中の牽引列車が緊急停止して発見した乗務員がその3名を追跡する場面がありました。こういう行為は同じ鉄道ファンの人間として遺憾極まりない行為であり、その3名については処罰されるべき案件だと思っております。場合によってはその詳細な状況を鉄道会社が確認すれば被害を訴えることが可能なわけですから、こうした行為は今後も絶対にすべきではありませんし決して許されるべきものではありません。別件ではありますが、東日本旅客鉄道205系5000番台千ケヨM20編成のラストランの時にも一部の鉄道ファンによる行為で問題になっており、心が痛いです。