2021年3月11日、東日本旅客鉄道E217系付属編成の横クラY-111編成(クハE217-2011以下4両)と横クラY-135編成(クハE217-2035以下4両)の合計8両が所属先の鎌倉車両センターから長野総合車両センターまで配給輸送されました。廃車解体処分に伴うものと思われます。
▲(イメージ)廃車除籍処分となるE217系横クラY-111編成。
▲(イメージ)廃車除籍処分となるE217系横クラY-135編成。この2編成の廃車で在籍両数は700両を切った。なお増1号車に連結器を持つ編成(車内トイレを差し替えた付属編成)の廃車は初めてのことである。
▲(イメージ)E217系を置き換えているE235系1000番台。最初の7編成では基本編成・付属編成の各先頭車に2段連結器を設置していたが、横クラF-08編成と横クラJ-08編成ではクハE235-1008とクハE234-1108の2段連結器の設置が省略されている。ただし横クラF-07編成と横クラJ-07編成に見られるクリアテール仕様ではなかった。
今回の付属編成2本の配給輸送では付属編成で最初に配給輸送された横クラY-105編成(クハE217-2005以下4両)と横クラY-107編成(クハE217-2007以下4両)とは異なり、初めて日中時間帯に運転され、大船(JO-09)→新鶴見信号場→府中本町(JN-20)→立川(JC-19,JN-26)→長野の経路で運転されました。牽引機は長岡車両センター所属のEF64形1030号機でした。いずれも全車両が解体処分になるものと思われます。配給輸送された付属編成2編成のうち、横クラY-135編成の増1号車(クハE216-2016)には本来使用されることがない電気連結器が設置されていますので、増1号車に連結器をもつ編成の廃車は初めてのこととなります。一方でそれ以外のE217系にも気になる動きがみられました。かつての配置先である幕張車両センターに疎開留置されていた横クラY-51編成(クハE217-51以下11両)と横クラY-125編成(クハE217-2025以下4両)が鎌倉車両センターではなく、逗子(JO-06)・横須賀(JO-03)にそれぞれ回送されています。疎開留置の場所変更なのでしょうか。さらには横クラY-17編成(クハE217-17以下11両)と横クラY-120編成(クハE217-2020以下4両)が臨時回送されたこともあって、ほんの些細な動きだけでも注意が必要となりそうですね。
E217系の廃車はこれで通算6・7編成目となり、在籍数は11両48編成(528両)と4両42編成(168両)の合計696両となり、在籍両数が700両を切りました。
【E217系の在籍状況】※2021年3月11日現在
基本編成(11両)…48編成(±0) 付属編成(4両)…42編成(−2)
廃車除籍(11両)… 3編成(±0) 廃車除籍(4両)… 4編成(+2)
ちなみに先ほど少しだけ触れましたが、付属編成の増結1号車に連結器のある編成とない編成がいますが、これは基本編成すべての1号車に車椅子対応トイレを設置することに関係があります。現在の横クラY-22編成以降ではバリアフリー対応で新製当初から1号車に車椅子対応トイレを設置したため、現在の横クラY-21編成までの基本編成にも車椅子対応トイレを設置する関係で(編成組み替え前は1号車は和式トイレだった)、現在の横クラY-122編成以降では増1号車(現在の一部の基本編成の1号車)に車椅子対応トイレを設置して新製され(21両分、現在の横クラY-142編成までその仕様で新製)、そのあとに付属編成の増1号車と基本編成の1号車を差し替えたためです。横クラY-135編成のクハE216-2016は現在の横クラY-16編成(クハE217-16以下11両)の1号車となっていた車両で、車椅子対応トイレを設置する関係で付属編成の増1号車として移動した車両です。そのために増1号車側の連結器が残っているというわけです。