2021年3月7日

【検査前の姿を見せた】小田急電鉄1000形1097F(10両固定編成)が重要部検査施工前で姿を現す

2021年2月下旬、小田急電鉄1000形1097F(10両固定編成)が大野総合車両所から姿を現し、上り方の4両側と下り方の6両側に分かれて留置されています。これらの車両にはリニューアル更新工事が実施され、クハ1097・サハ1197・サハ1297・クハ1497には車椅子やベビーカーが利用できるフリースペースが設置されています。
▲1000形1097F(10両固定編成)の種車である元1055Fと元1255F。10両編成を組んだときの中間に入る元クハ1155・元クハ1255を元1081Fの付随車(元サハ1181・元サハ1381)に差し替えて廃車とし、それらの先頭車の中間車化改造を省略した。
▲1000形1097Fのうち、サハ1197+サハ1297は元1081Fのサハ1181・サハ1381を改造したものである。1097Fがあたかも新製当初からの10両固定編成に見えるのはそのためである。

今年度のリニューアル対象となる1000形が1065Fだけとなったのはそのあとの1097Fの改造に時間を要したほか、廃車除籍となった車両の抜き取りや搬出があったためです。上り方の4両はクハ1097+デハ1047+デハ1147+サハ1197、下り方の6両はサハ1297+デハ1247+デハ1347+サハ1397+デハ1447+クハ1497で構成され、上り方の3両が元1055F、連続する付随車2両が元1081F、下り方の5両が元1255Fを改造種車としています。クハ1097とクハ1497で連結器の形状が異なるため、新製当初からの10両固定編成のように見えて改造車であることが分かります。1095F・1096Fの場合では6号車上り方と7号車下り方の窓の形状が異なるため、側面部から見ても元先頭車からの改造車であることが分かりますが、1097Fでは元1081Fの付随車が活用されているため、先頭車化改造の必要性がなかったため側面部から見ると新製当初からの10両固定編成に見えるわけです。ただし連結器の形状の相違で判断できるかと思います。

付随車と制御車の台車が古いままのため、これから重要部検査施工ということになります。出場は年度を跨ぐものと思われ、運用復帰はまだまだ先となりそうです。1053Fが廃車除籍となったことにより、1051F、1062F、1092F、6両固定編成とワイドドア車の動向が注目されています。レーティッシュカラーの4編成の処遇も何気に気になるところではありますがリニューアルや廃車が進んでいて、同形式4両固定編成で箱根登山鉄道の代走運用ができるのは1051Fと1062Fの2編成のみで、1000形リニューアル車はいまだ箱根登山鉄道での代走運用に入ったことがありません。レーティッシュカラーの編成が1本でも入場したり運用離脱しているとそれを補う1000形4両固定編成が1本必要になるため、リニューアル車が多い4両固定編成の処遇が注目されるところです。