2021年3月13日

【就役40年のベテラン】東日本旅客鉄道185系0番台・200番台(宮オオ)が定期営業運転を終了

2021年3月12日をもって、東日本旅客鉄道大宮総合車両センターに所属する185系0番台・200番台が定期営業運転を終了しました。同系列の最終運用となった『湘南ライナー17号』(3737M列車・小2445←東2330)には185系0番台宮オオA8編成+宮オオC3編成の15両編成が充当されました。
▲東日本旅客鉄道に残る唯一の国鉄特急形車両として約40年間にわたり、首都圏と伊豆半島を1本で結ぶ急行『伊豆』→特急『踊り子』を支え続けた185系0番台・200番台が定期営業運転を終了した。最終運用は終電間際の『湘南ライナー』(17号)であった。今後廃車の動きなどには注意したい。
▲185系というと『踊り子』のイメージが強いが、1981年に営業運転を開始したときは特急列車ではなく普通列車であった。2013年3月まで運転されていた185系の普通列車(当時521M列車)は特急『踊り子』の送り込みを兼ねたものである。奇しくも最終運用は終電間際の『湘南ライナー』と座席定員制列車(普通列車・快速列車の扱い)というのも珍しい。
▲定期特急列車で東京(JT-01)~熱海(JT-21)間で最長の15両編成で運転された『踊り子』。12両編成の時も同様だが伊豆急行伊豆急下田(IZ-16)発着と伊豆箱根鉄道修善寺(IS-13)発着の列車に分かれているのが特徴だ。長大編成を高速で通過する姿は就役40年のベテランとはいえど圧巻だった。
▲伊豆箱根鉄道修善寺発着の『踊り子』は185系0番台C編成が使用された。伊豆箱根鉄道線内では特急料金が設定されていなかったが、E257系2500番台への変更を機に特急料金が設定されることとなった。

185系は1981年に営業運転を開始し、当時は田町電車区(旧田町車両センター(東チタ)、現在の東京総合車両センター田町センター)に配置されました(そのあとに200番台が現在の大宮総合車両センターに配置)。当時の特急形車両で珍しく2扉車で4号車・5号車にグリーン車を組み込んでいるため普通列車のほかに急行『伊豆』で運用、そのあとその急行列車が特急『踊り子』に格上げされ、1986年からは座席定員制列車『湘南ライナー』での運用を開始、同系列は『踊り子』と『湘南ライナー』の主力車両となりました。これは185系の普通列車では2扉車(グリーン車は1扉車)ということもあって乗降に時間がかかるほか遅延を招く原因にもなっていました。これのラッシュ時間帯の185系の有効活用として誕生したのが『湘南ライナー』でした。この普通車に乗車には自由席特急料金と同じ520円の『ライナー券』を必要とし(下り列車の大船(JT-07)・貨物線経由の藤沢(JT-08)以西を除く)、グリーン車では『ライナー券』ではなく『グリーン券』を必要としました(Suicaグリーン券でも可能。これは車掌携帯用端末で確認できるため)。

特急『踊り子』では基本編成の上り方2両(7両固定編成の6号車・7号車、10両固定編成の9号車・10号車)、付属編成の下り方2両(11号車・12号車)は自由席とされ、それ以外は指定席でした。自由席がなくなってしまうのは痛いですが、全席指定となるぶん、着席の可能性は十分保証されるということです。寝台特急『サンライズ出雲・サンライズ瀬戸』よりも長い15両編成で運転された特急『踊り子』は東海道線特急の誇りです。185系はすべての定期営業運転を終了しましたが、今後も臨時列車に使用される可能性があり、185系自体を見られる可能性はまだあります。ダイヤ改正では東海道線の特急列車が185系からE257系2000番台・2500番台にすべて置き換えられ、185系0番台よりもグリーン車1両分減って座席定員制列車に変わって登場する特急『湘南』とともに最長でも14両編成となりますが、E257系2000番台・2500番台は就役40年にわたって活躍した185系の定期列車をすべて引き継ぎ、新たな形で東海道線特急を支えてくれると願ってこの記事を締めたいと思います。