2022年3月28日、東京地下鉄が同年1月28日付で国土交通省に南北線・有楽町線の延伸区間における第一種鉄道事業許可を申請していましたが、3月28日付でその認可を国土交通大臣より受けたと発表しました。これにより南北線・有楽町線の区間延伸に一歩前進ですね。
▲(イメージ)南北線で運用される王子検車区所属の9000系。一部編成は新製される中間付随車を組み込み8両編成に増強されることとなっているが、その前にリニューアルされた編成など、6両編成のまま残る編成もありそうである。
▲(イメージ)有楽町線で運用される和光検車区所属の17000系。この同系列の10両固定編成は6編成のみの在籍であるため、10000系のほうが主力車両となっている。
今回第一種鉄道事業認可を受けた南北線の延伸区間は現在の白金高輪(N-03)~品川(駅番号未定)間の約2.5km、有楽町線の延伸区間は現在の豊洲(Y-22)~東西線東陽町(T-14)~半蔵門線住吉(Z-12)間の約4.8kmで、いずれの区間も2030年代半ばの開業を目標としています。前者の区間には途中駅はありませんが、後者の区間には途中駅が東陽町以外にも2つ設置されることとなっています。このうち、後者で豊洲と住吉はいずれも延伸区間の敷設を見据えた駅ホーム構造となっており、豊洲は2012年9月以降の改良工事で2番ホーム・3番ホーム(降車専用ホーム)を設置し、西武鉄道40000系を使用する有料座席指定列車の“S-TRAIN”を含む同駅発着列車が使用するようになっていました。2019年のダイヤ改正で豊洲発着列車を削減し新木場(Y-24)まで延長したことで2番ホーム・3番ホームは再度使用停止となり、1番ホームと4番ホームを結ぶ通路となっていますが、ホームドア自体は残されていますので、延伸区間の開業時に使用することとなりそうですね。一方の住吉は2層構造でありながらいずれも1面2線となっており、片側には車両の高さぐらいまでのホーム柵を設置していることから車両の留置線として使用されていますが、もともとは区間延伸を見越した配線となっていますので、いずれはホーム柵が撤去されてホームドアになるのかもしれませんね。
南北線延伸区間が開業すると、南北線沿線、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム沿線、東京都交通局三田線沿線から品川へのアクセスが向上し、同駅から東海旅客鉄道新幹線および現在工事が進められているリニア中央新幹線への乗り継ぎ、同駅から京浜急行電鉄本線を経由し羽田空港や三浦半島方面までの利便性の向上が期待されています。有楽町線延伸区間が開業すると豊洲~東陽町~住吉間の移動時間の短縮や、豊洲市場と東京スカイツリーなど観光拠点とのアクセス向上、さらには東西線の中野(T-01)方面の混雑緩和にも寄与することが期待されています。有楽町線延伸区間の新駅(2駅分)など気になるものも多数あるかと思いますが、2030年代半ばの開業を目指す区間延伸の今後の展開に期待しましょう。