2024年11月6日、京王電鉄が井の頭線全線で2025年春から車掌が乗務しないワンマン運転導入に向けた自動運転の実証実験を行うことを発表し、京王本線系統も同様にワンマン運転導入に向けてホームドアなどの整備工事を実施していくことを発表しました。.JPG)

▲京王本線系統は7000系、8000系、9000系、2代目5000系の4系列で運用、東京都交通局新宿線直通列車で10-300形が乗り入れる。また2代目5000系は5739F・5740Fが追加導入となるほか、ワンマン運転対応になるであろう新型車両2代目2000系の導入が決定済みだ。

▲井の頭線は区間運転の列車を含めて全列車が1000系で運転されている。渋谷(IN-01)と吉祥寺(IN-17)を南北に縦断するため利用者が多く、ホームドアの設置が京王本線系統より先行して進められている。この路線がワンマン運転の実証実験の対象となる。
京王電鉄では少子高齢化や働き方改革などの情勢を踏まえて、ホームドアの導入や自動列車制御装置(ATC)の導入を進めてきました。これに加えて駅停車時の定位置停止装置のTASCにより自動運転導入に際しての駅停車位置の精度を向上させて、ホームドアの設置計画に対応していくようです。井の頭線でのホームドアは現在渋谷(降車用ホーム含む)・神泉(IN-02)・下北沢(IN-05)・三鷹台(IN-15)・吉祥寺の各駅に整備済みで、2024年度では急行停車駅の永福町(IN-09)偶数番ホーム(2番ホーム・4番ホーム)と久我山(IN-14)の各駅に整備されることとなっています。来年度は永福町奇数番ホーム、駒場東大前(IN-03)、池ノ上(IN-04)、東松原(IN-07)、浜田山(IN-11)、高井戸(IN-12)、富士見ヶ丘(IN-13)の各駅への整備が予定されており、自動運転の実証実験に向けてか1駅でも多くホームドアの設置を進めることになりそうで、京王本線系統よりも井の頭線系統の方を優先的に進めていますね。使用車両はワンマン運転に対応した1000系で昼夜問わず回送列車として運転士・車掌が乗務した状態で行われるようです。自動運転ではあるものの、緊急時に備えて運転士がスタンバイする形になりそうです。
また新たに京王本線系統(相模原線・高尾線を含む区間)でもワンマン運転導入に向けた整備を進めることを発表し、現在は競馬場線(東府中(KO-23)~府中競馬正門前(KO-46)・動物園線(高幡不動(KO-29)~多摩動物公園(KO-47)間)で7000系2両固定編成・4両固定編成によるワンマン運転が実施されています(動物園線は基本的に専任編成が存在し、2編成で運用中)。ホームドアは新宿(KO-01,S-01)(新線ホームを含む)、笹塚(KO-04)、国領(KO-16)、布田(KO-17)、調布(KO-18)、飛田給(KO-20)の各駅で整備済みで、京王永山(KO-40)ではホームドア設置に向けた設計などを行っており、相模原線内で初のホームドア設置駅となる可能性があります。京王本線系統では各駅へのホームドア工事については2030年代前半、ワンマン運転に向けた工事は2030年代中頃を計画しているようです。
なお京王本線系統はほとんどの区間で東日本旅客鉄道中央線と競合していますが、中央線ではワンマン運転導入の予定は現時点ではないようです(10両編成からグリーン車付きの12両編成に順次増強中)。