2022年9月3日、小田急電鉄の数少ない非リニューアル車両1000形1058F(レーティッシュカラー・4両固定編成)と1251F(オリジナルカラー・6両固定編成)を使用した特別団体専用列車『最後の1000形未更新車2編成を貸切運行で満喫!』が運転されました。
▲2020年8月限定で1000形1059F+1254Fで営業運転したとき以来のオリジナルカラーとレーティッシュカラーの組み合わせが1058F+1251Fで実現した。さらには1251Fのクハ1451の列車番号表示器に『93E』と表示されたほか、通勤形電車で約10年ぶりの分割併合作業が複数回実施された。いずれも実際にあった懐かしい光景である。
この特別団体専用列車は1000形ワイドドア車を含めた非リニューアル車両の廃車除籍処分が進んだことで、4両固定編成はレーティッシュカラーの1058F、6両固定編成は1251Fだけが残りましたが、どちらの編成も廃車除籍処分になると、非リニューアル車両が完全消滅となることから、そのさよならイベントのひとつとして、1058Fと1251Fを用いた『最後の1000形未更新車2編成を貸切運行で満喫!』が実施されたわけです。なお1251Fは8月30日の1056レ(平日A30運用)の折り返し回送列車での大野総合車両所入庫、1058Fは9月2日の7022レ(平日114運用)のあとの回送列車での海老名検車区入庫を最後に運用を離れており、1251Fは9月2日朝早くに海老名検車区へ臨時回送されていました。なお9月4日には両編成を並べた撮影会が実施される予定です。なおレーティッシュカラーの1058Fは9月の2回目の3連休にも特別団体専用列車に使用されることとなっているため、今回のイベント終了後でも箱根登山鉄道専任運用に引き続き入る可能性はありますが、1251Fはこの先の営業運転への投入の有無が不透明であるため、あり得る可能性としてはイベント終了後に大野総合車両所に再度回送されたあと廃車除籍処分になるものと思われ、1000形の6両固定編成が先に消滅するものと予想されます。
海老名検車区では一時連結した状態で構内入換が実施されていましたが、22番構内留置線での時点では少し解放された状態で留置された後、なんと1251Fが先に出庫して出発する形となり、1058Fが後を追うように出庫しそれぞれ単独で出発していきました。なお相武台前(OH30)では1251Fが4番ホーム、1058Fが3番ホームに入って停車し、1058Fが1251Fを追い抜く形で相模大野(OH28)に先着した後、相模大野3番ホームで両編成の併合作業が実施されました(1回目の併合作業)。相模大野からはオリジナルカラーとレーティッシュカラーの“ブツ10”(10両編成)のまま走行、向ヶ丘遊園(OH19)から経堂(OH11)の4番ホームに入線するまで複々線の急行線を走行しました。経堂の留置線で折り返し、下りでも再び急行線を走行しました。経堂から小田原(OH47)まで走破した後、なんと7番ホームで分割作業が実施されました(1回目の分割作業)。現在の分割併合作業はロマンスカー“EXE/EXEα”30000形と“MSE”60000形のみで実施されていますね。1回目の分割作業後に1058Fは足柄(OH46)構内留置線に、1251Fが小田原の構内留置線を経由して足柄の構内留置線に移動、そのあと再び小田原に戻り、10番ホームで併合作業が実施され(2回目の併合作業)、待機中の1058Fに1251Fが連結され、再び10両編成で走行、秦野(OH39)4番ホームで小休憩のあと海老名まで戻る行路となりました。なおクハ1451の列車番号表示器には実際に存在した東京地下鉄千代田線直通の列車番号『93E』(運転日にちなんだもの)を表示して運転されました。
この特別団体専用列車ではオリジナルカラーとレーティッシュカラーの組み合わせ、通勤形車両の分割併合作業、東京地下鉄千代田線直通の列車番号とかなり懐かしい光景が展開されましたね。特に列車番号表示器の復活と『93E』表示は内心嬉しかったです。