2022年9月8日に廃車除籍処分となった小田急電鉄1000形最後の6両固定編成である1251Fの北館林荷扱所への陸送に向けた準備が進められていますが、15日時点で1号車クハ1451の2番ドア山側の旅客用扉が同形式ワイドドア車の乗務員室に最も近い旅客用扉(1号車1番ドアまたは6号車4番ドア、1753Fと1755Fの3号車1番ドア、1754Fと1756Fの3号車4番ドアの旅客用扉)に類似したものに交換されています。
▲1000形最後の6両固定編成の1251Fの陸送作業準備が進められているが、クハ1451(写真手前)の1号車2番ドア山側の旅客用扉だけ、同形式ワイドドア車の乗務員室付近、1753Fと1755Fの3号車1番ドア、1754Fと1756Fの3号車4番ドアと類似した旅客用扉に交換されていたのである。ただしその旅客用扉にドアステッカーとロイヤルブルー帯はない。
▲1000形ワイドドア車の各編成の乗務員室付近(1号車1番ドア、6号車4番ドア)、1753Fと1755Fの3号車1番ドア、1754Fと1756Fの3号車4番ドア(写真は1754Fの3号車4番ドア、つまり最も左側の旅客用扉)はワイドドアではないが、その旅客用扉に似た形状であった。1751Fと1752F以外の編成の付随車は元先頭車であることから、先頭車以外にも1箇所だけワイドドアでない部分があった。
1号車2番ドア山側の旅客用扉はこの形式のワイドドア車の乗務員室付近、1753Fと1755Fの3号車1番ドア、1754Fと1756Fの3号車4番ドアと類似したもので、旅客用扉の窓の形状はもちろん、ドアステッカー類や側面部のロイヤルブルー帯がないために違和感を感じると思います。そこの旅客用扉が交換された以外はそのままで、1号車2番ドアの海側と2号車2番ドアの海側・山側の旅客用扉に変化はなくQRコード付きのままです。理由は現時点で明らかになっていませんが、1号車2番ドアは海側・山側ともホームドアの連動開閉に対応するQRコードが貼付されている旅客用扉であることがポイントといえそうです。
個人的な推測を前提とすると、もしかしたら23日から25日にかけて運転される特別団体専用列車で新宿(OH01)に単独で入線するレーティッシュカラーの1058F(4両固定編成)のために一部の旅客用扉をホームドア対応のQRコードが貼付された旅客用扉に交換し活用するためではないかと思われます。新宿ではロマンスカーが発着する2番ホーム以外の各乗車ホーム(4番ホーム・5番ホーム、8番ホーム・9番ホーム)のみにホームドアが設置されていますが、8番ホームと9番ホームのホームドアは登戸(OH18)と同じく車両側のQRコードを読み取って、連動して開閉するタイプとなっています。4両固定編成(1000形リニューアル車・8000形)のホームドア対応のQRコードは各号車2番ドアに貼付されていますが、レーティッシュカラーの1058Fは箱根登山鉄道専任編成で、基本的にホームドア設置駅に入線しないため、ホームドア対応のQRコードは貼付されていません。そこで8日に廃車除籍処分となった6両固定編成の1251FのうちQRコードを貼付した旅客用扉を流用することで、一部旅客用扉をQRコードありのものに交換した1058Fの新宿での客扱い(3/4閉機能を使う可能性あり)を想定しての措置ではないかと思われます。ちなみに9月3日運転の特別団体専用列車では1058Fが始発の海老名(OH32)での客扱い時に3/4閉機能を使っていたことから、新宿でも状況によって同様の措置が取られる可能性があります。新宿入線は地下7番・8番ホームになるでしょうか。
しかしながらQRコードのある旅客用扉が別の旅客用扉に一時的に交換されたのは現時点では1号車2番ドア山側の1箇所だけです。4両固定編成では海側・山側に4箇所ずつ、合計8箇所のQRコードが必要ですが、1058Fは特別団体専用列車のみで走るので、旅客用扉の交換が事実だとすれば、山側の1箇所をQRコード対応のものとするのでしょうか。真相は分かりかねますが、1058Fは9月12日の平日114運用以降は海老名検車区での留置(予備扱い)が続いていますので、動向が注目されます。