2022年4月29日

【5000形の増備あります】小田急電鉄が2022年度の鉄道設備投資事業計画を発表

2022年4月28日、小田急電鉄が2022年度鉄道設備投資事業計画を発表しました。今年度の投資額は約263億円です。今回も【車両面】と【設備面】に区分して紹介します。

【車両面】
▲(イメージ)2022年度も増備される2代目5000形(写真は5059F)。今年度分は3編成(30両)が導入され、リニューアル対象外の1000形を置き換える。ちなみに5060Fが今年度分の扱いとなる場合、5061F・5062Fが登場する。10編成目の5060Fが川崎車両株式会社兵庫工場で製造されたため、5061F・5062Fではどこで製造されるのだろうか。
▲(イメージ)今年度のリニューアル更新工事が発表された3000形(写真は1次車ワイドドア車の3254F)。全編成が三菱電機製IGBT素子VVVFインバータ制御だが、省エネルギー化を図るため制御装置更新工事でSiC素子になりそう。6両固定編成3本(18両)に施工され、両先頭車に設置されている車椅子兼ベビーカースペースを中間車にも追加設置するため、座席定員の減少が予想される。
▲(イメージ)1000形はリニューアル対象から外れた編成が廃車除籍処分となりそう。対象は6両固定編成で残った3編成(1251F・1253F・1254F)と、レーティッシュカラーの2編成(1058F・1061F)、休車状態が続く1編成(1062F)とみられる。ワイドドア車最後の1754Fはすでに大野総合車両所に留置中で廃車除籍処分は確実だ。

車両面では2代目5000形が3編成(30両)増備されます。川崎車両株式会社兵庫工場製造の5060Fが2022年度分の扱いと考えた場合は5061F・5062Fが登場します。5060Fと仕様を合わせるものと思われますので、川崎車両株式会社兵庫工場での製造となるのでしょうか。5000形の追加投入でリニューアル対象外の1000形が置き換えられ廃車除籍処分になるものと思われます。リニューアルされていないのはワイドドア車を除くと4両固定編成では休車中の1062F、レーティッシュカラーの1058F・1061F、6両固定編成の1251F・1253F・1254Fとなっており、いずれも廃車除籍処分が予想されています。1062F以外は早めに記録をするようにしましょう。4両固定編成については1000形リニューアル車による代替が予想されますが、運転台に『編成禁止』のラベルが貼ってある1063F・1064Fのように箱根登山鉄道専任となる編成を準備する可能性がありそうです。

また2001年から登場した2代目3000形で初めてリニューアル更新工事が施工され、6両固定編成3本(18両)に施工されます。どの編成が対象になるかは予想つきませんが、『竜巻インバータ』でお馴染みの1次車(ワイドドア車)・2次車に施工される可能性があります。同形式に新製当初から両先頭車に車椅子兼ベビーカースペースが設置されている(ただし登場当初は折りたたみ式の座席だった)ため、リニューアル更新工事で両先頭車は折りたたみ式座席部分だったところを完全に撤去し、同時に中間車にも新規設置するものと思われます。中間車の場合は3人掛け座席(1次車の車端部のみ2人掛け座席)の一部分を撤去するか、または7人掛け座席を4人掛け座席に変更するかのどちらかになりそうです。ちなみに1次車の場合は座席の袖仕切り板が設置されていないため、リニューアル更新工事対象が1次車ならば袖仕切り板の設置も行われる可能性があります。3次車以前であれば車内の案内表示器の更新(LED式からLCD式への更新)も実施されることでしょうね。また制御装置の更新工事も併せて行われ、SiC素子VVVFインバータ制御になるものと思われます。5000形と同じものになるのでしょうか。

なおロマンスカー“EXE”30000形のリニューアル更新工事(“EXEα”化)には言及していませんでしたので、今年度も30055F+30255F・30057F+30257Fへのリニューアル更新工事は見送られることになりそうです。

【設備面】
▲今年度のホームドア設置駅となる本厚木(OH34)では昨年からホームドア設置の準備工事が進んでいる。設置ホームとなる1番ホーム・2番ホームにはロマンスカーの停車にも対応する大開口のホームドアが設置される予定だ。
▲ICカード専用の東口改札が設置された江ノ島線中央林間(OE02)。ホームドア設置計画の駅に含まれており、今年度はホームドア設置に向けたホーム改良工事およびトイレの改修工事が予定されている。

1日の駅利用者数が10万人以上の各駅(ただし大規模駅改良工事が計画されている新百合ヶ丘(OH23)・藤沢(OE13)を除く)に設置が進められているホームドアですが、今年度では本厚木1番ホーム・2番ホーム(下りホーム)が対象になります。本厚木ではロマンスカー(同駅を始発終着とする列車を含む)が停車することから、ロマンスカーの停車に対応する大開口のホームドアが設置されます。そのため下りホームではホーム補強工事が実施されています。来年度以降になりますが、町田(OH27)・相模大野(OH28)・海老名(OH32)・本厚木(OH34)の3番ホーム・4番ホーム・中央林間・大和(OE14)の各駅にも設置計画があり、すでに設置準備工事が始まっている駅もあります。このうち中央林間ではホームドア設置準備に向けてホームの改良工事やトイレの改修工事が予定されています。

また橋梁の耐震補強工事は今年度は引き続き町田~相模大野間(東日本旅客鉄道横浜線と交差する橋梁部分)と渋沢(OH40)~新松田(OH41)間で実施されます。