2022年4月12日の724S列車→725F列車(船0712→津0834、平日25運用)より、総合車両製作所新津事業所(グリーン車は横浜事業所)で製造された東日本旅客鉄道E235系1000番台横クラF-14編成(クハE235-1014以下11両)が横クラJ-04編成(クハE235-1104以下4両)と組んで営業運転を開始しましたが、この編成では車内仕様に大きな変更があったようです。
▲約10ヶ月ぶりに増備されたE235系1000番台。横クラF-14編成では車内仕様に大きな変化が見受けられた。ここにも新型コロナウィルスの影響が影を落としているようか。
▲横クラF-13編成・横クラJ-13編成までのE235系1000番台の車内の様子。写真中央奥の車両間貫通扉は化粧板仕上げとなっている。また旅客用扉の両脇はE233系以降と同じ化粧板仕上げ、半自動ドアスイッチがそれに埋め込まれているタイプだが、横クラF-14編成以降は変更されている。
▲E235系1000番台の旅客用扉(※写真は加工してあります)。旅客用扉の両脇の化粧板はE233系以降と同じ仕上げとなっており、半自動ドアスイッチ(写真右寄り)が埋め込まれた形で設置されている。
E235系1000番台横クラF-14編成では外観上ではクハE235-1014側の連結器省略と信号炎管の省略のみとなっていますが、実際には内装の方が大きく変更されています。これまでのE235系では0番台・1000番台(横クラF-13編成・横クラJ-13編成まで)ともにE233系以降の仕様が踏襲されており、車両間貫通扉や旅客用扉横の手摺り・半自動ドアスイッチの部分に化粧板が使用されていました。そのため半自動ドアスイッチはE233系のように埋め込まれたタイプとなっています。横クラF-14編成ではコストダウンを図ったためか、車両間貫通扉が傾斜式でありながらステンレス無地仕上げに変更(E231系0番台千ケヨMU41編成(元八ミツB80編成)・千ケヨMU42編成(元八ミツB81編成)・千ケヨMU43編成(元八ミツB82編成)と同じ仕様)、座席上部の荷物置き場の形状がE231系と同じパイプ仕様に変更、旅客用扉の両脇の化粧板と手摺の形状の変更(E231系とほぼ同じ仕様)、半自動ドアスイッチの形状の変更(209系3500番台・E231系3000番台と同様に後付けされたかのような感じ)などの特徴が挙げられます。また4月13日に総合車両製作所新津事業所を横クラJ-14編成(クハE235-1114以下4両)よりも先に新製出場した横クラF-15編成(クハE235-1015以下11両)も横クラF-14編成と同じ仕様と思われます。
これまではE235系0番台量産車の仕様を踏襲してきただけに、印象としてはE231系の仕様を復活させて織り交ぜているために一見すると車内仕様が『進化』ではなくやや『退化』した印象を受けると思います。これは新型コロナウィルスによる影響が鉄道車両の新製にも影を落としていそうです。というのも原材料費の価格高騰が続いており、塗料などにもコストがかかっています。そのため車両間貫通扉は塗装せずにステンレス地仕上げとしたことや、荷物棚の簡素化、旅客用扉両脇の手摺などの形状変更により、ある程度のコストカットが実現しているものと思われます。今後登場するE235系1000番台はそのような仕様で出てくるだろうと考えた方がいいと思いますね。私も横クラF-14編成以降に遭遇した場合は確認してみたいと思います。