2018年11月7日

【勝田に復帰へ】東日本旅客鉄道E653系1000番台元新ニイU-108編成が国鉄特急色に

2018年11月6日、東日本旅客鉄道秋田総合車両センターに検査施工のため入場していたE653系1000番台元新ニイU-108編成(クハE653-1008以下7両)が構内試運転を実施しました。同編成の塗装は新潟車両センター転属時の特急『いなほ』塗装から赤色とクリーム色の国鉄特急色に変更されています。なお編成番号は『U-108』が消去され、現時点では何も書かれていません。
▲E653系1000番台の現在の姿。国鉄特急色に変更されたのはなんとラストナンバーの元新ニイU-108編成だった。勝田車両センターから新潟車両センターに転属し、特急『いなほ』の全列車がE653系となってから約5年も経たずして勝田車両センターに再転属(実質は復帰)する形となる。
▲E653系1000番台元新ニイU-108編成の種車の一部である元0番台水カツK-308編成。付随車を含む中間車3両が該当する。先頭車と残る中間車2両は現在の1100番台新ニイH-204編成となり、主に特急『しらゆき』などで使用されている。

この編成は勝田車両センターに配置されていた元0番台のうち、元基本編成の水カツK-308編成(クハE653-8以下7両)のうちの付随車・電動車1ユニット(3両)と、元付属編成の水カツK-354編成(クハE653-104以下4両)から構成されており、耐雪構造等を追加し特急『いなほ』向けの1000番台となりました。さらに元クハE652-104はグリーン車への改造に伴いクロE652-1008に変更され、特急『いなほ』全列車のほかに快速『らくらくトレイン村上』(3947M列車:村上2101←新潟2003)とその折り返しとなる快速3950M列車(村上2117→新潟2212)で運用されていました。国鉄特急色に変更されたあとの構内試運転では前面部の発光装置に『いなほ』(アルファベットでは“INAHO”)と書かれたヘッドマークが装着されたままとなっていましたが、現在では撤去されているようです。ただし秋田寄り先頭車の1号車は特急『いなほ』時代のグリーン車のままです。試運転当時は先頭車に連結器のカバーはなく、むき出しの状態でした。車番は新潟車両センターに在籍していた当時の1000番台のままですが、勝田車両センターに転属(厳密に言うと復帰)するものと思われます。E653系が1000番台となって勝田車両センターに配置されるのは初めてですが、厳密には0番台のときに同系列の全編成が勝田車両センターに配置されていたということもあり、車番は1000番台に変更されているものの、『転属』というよりかは『復帰』という表現が似合いますね。この元新ニイU-108編成は2019年春から常磐線での臨時列車運用に入ることが水戸支社から発表されており、今後は常磐線や他の首都圏路線での試運転が実施されるものと思われます。

【勝田車両センター在籍時】
水カツK-308編成[基本編成:ブルーオーシャン]
クハE653-8+モハE653-15+モハE652-15+サハE653-8+モハE653-16+モハE652-16+クハE652-8
水カツK-354編成[付属編成:オレンジパーシモン]
クハE653-104+モハE653-20+モハE652-20+クハE652-104

【新潟車両センター在籍時】
《新ニイU-108編成》
クハE653-1008+モハE653-1015+モハE652-1015+サハE653-1008+モハE653-1016+モハE652-1016+クロE652-1008

〈新ニイU-108編成の種車〉
クハE653-1008・・・元クハE653-104K354) モハE653-1015・・・元モハE653-15K308
モハE652-1015・・・元モハE652-15K308) サハE653-1008・・・元サハE653-8K308
モハE653-1016・・・元モハE653-20K354) モハE652-1016・・・元モハE652-20K354
クロE652-1008・・・元クハE652-104K354

【勝田車両センター復帰時】 ※編成の向きなどは予想です
元新ニイU-108編成(国鉄特急色、新ニイ→水カツ[復帰])
←いわき     上野(JJ-01)→
クハE653-1008+モハE653-1015+モハE652-1015+サハE653-1008+モハE653-1016+モハE652-1016+クロE652-1008

ここまでは色々とE653系のことについて述べてきましたが、動向が注目される編成がいます。
▲国鉄特急色に変更されたE653系1000番台元新ニイU-108編成の勝田車両センターへの再配置(復帰)が予想されるために動向が注目されている651系0番台水カツK103編成。

それが現在の常磐線の臨時列車に使用されている651系0番台水カツK103編成です。この編成は現在まで7両編成で唯一0番台を保ち続ける最後の編成で、常磐線内を発着する臨時列車のほか団体専用列車や快速『舞浜・東京ベイエリア号』などに使用されている程度です。2019年1月12日には常磐線富岡を発車して常磐線・成田線経由で成田山新勝寺方面へ向かう臨時快速列車が設定されているようですが、それ以降は不透明なので、活躍はそう長くないとみるのが良いでしょう。今年中は651系0番台の臨時列車の設定があり、記録するチャンスでもあるので、廃車となる前に早めに記録した方がいいかと思います。