2024年5月13日、東急電鉄が2024年度鉄道設備投資事業計画を発表しました。今年度の投資額は約468億円となります。
【車両面】
▲大井町線の各駅停車(急行は代走のみ)で活躍する9000系。全15編成が長津田検車区に在籍するが、生え抜きの1本(9007F)以外はすべて元東横線(元住吉検車区)からの転用だ。同系列を置き換える6020系をベースとする新型車両が登場するため、同系列は2025年度から西武鉄道向けに譲渡される予定。譲渡対象外の編成がいる可能性もあるので動向に注意したい。
▲大井町線の各駅停車(急行は代走のみ)で活躍する9000・9020系。元田園都市線の2000系を転用し、一部の車両を組み換えて9000系列に改造編入したものだが、元2000系のベース車両は9000系だ。最初に制御装置と内装の更新工事を施工された元2003F(現在の9023Fの4両)を含む全3編成15両が在籍する。この3編成は確実に譲渡されてほしいところだ。
▲大井町線の各駅停車向けにも6020系ベースの新型車両を新製投入する。ただし急行通過駅のホーム有効長を考慮して急行列車向けの7両固定編成に対して各駅停車向けは5両固定編成になるものと思われる。大井町線内基準で溝の口(OM-16)寄りの先頭車のみ九品仏(OM-11)でドアカットとなるため、そのスイッチも装備されるだろう。
▲今年度からは目黒線車両など、登場から20年以上が経過している車両(写真は目黒線向けの3000系3101F・3105F)のリニューアルを実施することとなっている。となると5000系列の初期編成にもその工事が波及する可能性は十分にありそうだ。
車両面では大井町線の9000系列を置き換えるための6020系をベースとした新型車両の製造に着手します。すべてを置き換えると考えると18編成(90両)が必要になります。すでに運用範囲の区間の各駅にはホームドアが整備されているため、3020系のように転落防止幌は省略される可能性があります(急行列車向けの6000系と6020系では全編成撤去済み)。置き換えとなる9000系列は2025年度から西武鉄道に譲渡される予定となっています。さらに今年度からは目黒線の3000系など登場から20年以上が経過した車両を中心にリニューアル更新工事を施工することとなっており、5000系列の初期編成などにも施工される可能性があります。なお5000・5080系のうち一部編成は中間増備車に合わせた座席モケットに更新されているようです。
【設備面】
設備面では田園都市線駒沢大学(DT-05)・桜新町(DT-06)の駅リニューアル、大井町線戸越公園(OM-03)付近の連続立体交差事業、田園都市線での定位置停止装置(TASC)の導入に向けた車両改造工事と地上装置の設置(現在は5000系の1編成の先頭車のみ改造工事で入場中)、3D式の踏切障害物検知装置の導入、田園都市線・大井町線でのディスプレイ式の旅客案内装置(発車標)の設置、目黒線各駅への非常停止ボタンの装備、駅照明のLED化、ホームと車両床面の段差および隙間解消、池上線五反田(IK-01)でのホームドアへの更新などが予定されています。また東急電鉄では自動改札機(交通系ICカードの専用改札機を除く)の切符の投入口付近にクレジットカードのタッチ決済およびQRコードをかざしたうえでの後払い乗車サービスの実証実験を5月15日から開始しました。
【2024年度ホームドア設置対象】池上線五反田
【2024年度駅照明LED化の対象】東横線白楽(TY-18)・大井町線尾山台(OM-12)
【2024年度法面補強工事の区間】田園都市線青葉台(DT-20)~田奈(DT-21)
【2024年度耐震補強工事の区間】
《高架橋》東横線大倉山(TY-15)~菊名(TY-16)間、田園都市線二子玉川(DT-07,OM-15)付近
《擁 壁》東横線学芸大学(TY-05)~都立大学(TY-06)間。