2022年8月11日

【9月に未更新車消滅か】小田急電鉄1000形最後の未更新車(1058F・1251F)のさよならイベントを開催へ

2022年8月10日、小田急電鉄が最後まで現存する1000形の非リニューアル車両(未更新車)のさよならイベントを開催すると発表しました。9日に1254F(ノーマルドア・6両固定編成)が廃車除籍処分となり、残る非リニューアル車両は1058F(レーティッシュカラー・4両固定編成)と1251F(ノーマルドア・6両固定編成)のみとなっています。
▲1000形4両固定編成で唯一の非リニューアル車両であるレーティッシュカラーの1058F。同編成の廃車除籍をもって4両固定編成の非リニューアル車両およびレーティッシュカラーの同形式が約13年で消滅し、レーティッシュカラーの歴史に幕を下ろすことに。なお1058Fは2012年からこの塗装となっており、その塗装では今年で10年となっている。
▲1000形6両固定編成で唯一の非リニューアル車両であるオリジナル塗装の1251F。同編成の廃車除籍をもって同形式の6両固定編成と非リニューアル車両が完全消滅する。この編成は1051F(4両固定編成)と組んでいた2016年12月に特急ロマンスカー『えのしま』を代走したことがある。さらには特別団体専用列車として1051Fと組んだ最後の編成でもある。

1000形は1988年3月に営業運転を開始し、2代目4000形(10両固定編成)が登場するまでは自社線全線および箱根登山鉄道小田原(OH47)~箱根湯本(OH51)間での運用のほかに、東京地下鉄千代田線直通運用にも充当されていたことがあり(2010年まで)、これまで約34年間にわたり第一線で活躍するなかで快速急行の前身となる湘南急行や2016年に消滅した区間準急や2018年に消滅した多摩急行など、特急ロマンスカーや通勤準急を除きほとんどの一般列車種別に充当されたことがあります。代走を含めれば1000形が特急ロマンスカーから各駅停車までの現行全種別に充当されたことのある形式になります。

今回この形式の最後の未更新車を満喫できるイベントとして、9月3日に特別団体専用列車として『最後の1000形未更新車2編成を貸切運行で満喫』、9月4日に『小田急の電車撮影会 最後の1000形未更新車2編成』をそれぞれ開催することとなっています。9月3日の特別団体専用列車では1058F+1251Fのペアで連結して運転し、海老名(OH32・海老名検車区構内)を始発終着として、車庫線や留置線・引き上げ線などに入る特別経路とするほか、2012年3月に通勤形車両で廃止されて以来、約10年ぶりに1058F1251Fを用いた分割併合作業を複数回実施することも明らかになりました。令和に小田急電鉄の通勤形車両の分割併合作業が限定復活するのは嬉しい限りです。6両固定編成の急行が2008年3月まで箱根湯本に直通運転していた時代は新松田(OH41)で1000形や初代5000形などの通勤形車両を中心に頻繁に分割併合作業をしていた印象が強いので、懐かしさもあります。なおこの特別団体専用列車はトイレ休憩の時間確保やダイヤの関係で待避し停車する駅がありますので、撮影の際はそこを狙うのもありですね。オリジナル塗装とレーティッシュカラーの1000形“ブツ10”の組み合わせは2020年8月の1059F+1254F以来、約2年ぶりのことになります。

9月4日の撮影会では1058F1251Fを横並びにした状態で展示され(同日の1058Fは114運用入庫後相当・111運用出庫前相当、1251Fは海老名検車区予備留置または土曜休日A11運用の入庫後相当と予想)、時間指定はありますが約50分間にかけて、同形式の最後の非リニューアル車をめいいっぱい撮影することができます。この両編成は種別行先方向幕で残る最後の編成でもありますので、当日には通常ではあり得ない組み合わせでの種別行先で撮影ができるかもしれません。

【小田急電鉄1000形の在籍状況】
※2022年8月11日現在 合計108両/全体196両(休車中を除く・非リニューアル車10両)
青色…リニューアル車、赤色…レーティッシュ(非リニューアル)、灰色…廃車予想編成
下線部は箱根登山鉄道専任運用編成(編成禁止ラベルあり)

*4両固定編成…8編成(32両、レーティッシュ4両)
内訳…1057F1058F1063F1064F1065F1066F1067F1069F

*6両固定編成…1編成(6両)
内訳…1251F

*10両固定編成…7編成(70両、リニューアル60両、大規模改造30両)
内訳…1091F1092F1093F1094F1095F1096F1097F
1095F以降は4両固定編成と6両固定編成を改造(1097Fは元1081Fの付随車も活用)。

*休車中(廃車予定)…4両
内訳…1062F

*廃車済…84両 ※廃車予定、搬出予定車両を含む、赤色…レーティッシュ
内訳
【編成単位で廃車】 合計76両
1051F(クハ1051・デハ1001・デハ1101・クハ1151)
1053F(クハ1053・デハ1003・デハ1103・クハ1153)
1051F(クハ1054・デハ1004・デハ1104・クハ1154)
1059F(クハ1059・デハ1009・デハ1109・クハ1159)
1060F(クハ1060・デハ1010・デハ1110・クハ1160)
1061F(クハ1061・デハ1011・デハ1111・クハ1161)
1062F(クハ1062・デハ1012・デハ1112・クハ1162)
1068F(クハ1068・デハ1018・デハ1118・クハ1168)
1253F(クハ1253・デハ1203・デハ1303・サハ1353・デハ1403・クハ1453)
1254F(クハ1254・デハ1204・デハ1304・サハ1354・デハ1404・クハ1454)
1751F(クハ1751・デハ1701・デハ1801・サハ1851・デハ1901・クハ1951)
1752F(クハ1752・デハ1702・デハ1802・サハ1852・デハ1902・クハ1952)
1753F(クハ1753・デハ1703・デハ1803・サハ1853・デハ1903・クハ1953)
1754F(クハ1754・デハ1704・デハ1804・サハ1854・デハ1904・クハ1954)
1755F(クハ1755・デハ1705・デハ1805・サハ1855・デハ1905・クハ1955)
1756F(クハ1756・デハ1706・デハ1806・サハ1856・デハ1906・クハ1956)

【車両単体で廃車】 合計8両
クハ1155(元1055F)・クハ1255(元1255F)
クハ1081・デハ1031・デハ1131・デハ1331・デハ1431・クハ1481(元1081F)