2022年8月5日

【運賃引き上げへ】小田急電鉄、『鉄道駅バリアフリー料金制度』を活用してホームドアなどの整備を推進へ

2022年8月4日、小田急電鉄が持続的なバリアフリー設備の整備更新を推進していく計画に関する『鉄道駅バリアフリー料金制度』(2021年12月に国が新設した制度)の活用を国土交通省に届け出たと発表しました。これにより小田急電鉄を利用する際の運賃に変化が出ます。▲(イメージ)小田原線本厚木(OH34)は特急ロマンスカーの停車駅であるため、ロマンスカーに対応するホームドアが2022年度に設置される予定だ(ホームドア本体は代々木八幡(OH04)に設置されているもの。ただしシースルーのホームドアでない駅がある)。▲(イメージ)小田原線成城学園前(OH14)に設置されている、ホームと列車との隙間を埋める櫛ゴム状のようなもの(ホームからやや出っ張っているのがそれである)。これはホームドア設置駅にも整備されており、乗降時に足がホームと列車の隙間に挟まるのを防ぐためのものである。▲(イメージ)小田原線登戸(OH18)に設置されているホームとコンコースを結ぶエレベーター(写真のものは東芝製)。エレベーターの更新工事が必要な駅も多い。

小田急電鉄では2022年度の事業計画において、本厚木1番ホーム・2番ホーム(下りホーム)に特急ロマンスカーの停車時にも対応するホームドアを設置する予定となっています。さらには2032年度(2033年3月末)までを目標に、最終的に新宿(OH01)~本厚木間の小田原線各駅と江ノ島線中央林間(OE02)・大和(OE05)・藤沢(OE13)の各駅の合計37駅107ホーム分へのホームドア整備を完了を目指すとしています。これら以外の各駅では2033年度以降のホームドア整備計画を予定しており、私の地元の伊勢原(OH36)は当面先になりそうですね。現在のホームドア設置完了駅は代々木八幡(OH04)~梅ヶ丘(OH09)と登戸の各駅のみで、新宿は降車側のホーム(3番ホーム・6番ホーム・地下7番ホーム・地下10番ホーム)と主に特急ロマンスカーの発着に使用される2番ホームには設置されていませんので、整備完了とはなっていませんがそのホームへの追加整備が予定されています。新百合ヶ丘(OH23)は多摩線3番・4番ホームを含む6つのホームがありますが、多摩線ホームにも整備されるか注目されます。それ以外にも2032年度までには列車とホームとの隙間や段差を解消するためにホームの嵩上げや櫛ゴムの設置をホームドア設置駅を中心に96ホーム分、老朽化が進む昇降機については、既存エレベーターを42基、エスカレーターを33基更新を予定しているほか、運行情報提供設備についても順次更新が行われる予定です。なお運転系統が相模大野(OH28)以東発着と片瀬江ノ島(OE16)発着で分離された藤沢でのホームドア整備は2026年度以降になりそうです。

こうしたバリアフリー整備の費用に充てるため、小田急電鉄全線の旅客運賃を大人1人10円加算する形にします(通勤定期は1ヶ月で600円、3ヶ月で1,710円、6ヶ月で3,240円の加算があります)。ただし子どものICカードでの運賃(子どもは1乗車50円を据え置き)や通学定期の旅客運賃に加算はありません。加算された運賃の適用は2023年3月からを予定しており、ダイヤ改正時のタイミングになるものと思われます。