2022年5月30日、廃車除籍処分となった小田急電鉄1000形ワイドドア車の最後の1本である1754F(6両固定編成)のうち、最後まで残ったデハ1904・クハ1954が車体を分割され、大野総合車両所から北館林荷扱所へ陸送されました。
▲大野総合車両所から北館林荷扱所に陸送された1000形1754Fのクハ1954。車番・ロゴマークのほか、前照灯、屋根の空調装置や床下機器、転落防止幌、弱冷房車ステッカーなどすべて撤去されている。車体を分割される前の最後の姿である。
▲1000形ワイドドア車の本当の最後の旅立ちとなったデハ1904・クハ1954は写真手前側の2両である。両車の廃車陸送をもって同形式ワイドドア車の廃車除籍が完了した。
▲1000形ワイドドア車の特徴的な車内(車端部の2人掛け座席など)やスイッチの操作で窓が自動開閉するパワーウィンドウが完全に消滅した。
ダイヤ修正日となった3月12日に定期営業運転を終了して2ヶ月以上が経ち、1000形ワイドドア車の1754Fの最後の旅立ちの時を迎えました。今回陸送された2両は2014年6月の脱線事故で脱線しなかった3両のうちの2両でした。このとき大野総合車両所から再出庫する段階での脱線事故であったため、最後尾の2両は脱線を免れていましたね。この2両の陸送をもって5000形導入に伴う1000形ワイドドア車は完全消滅(全編成の廃車除籍が完了)することとなります。残るリニューアル対象外の1000形の置き換えのため、2022年度は5000形が3編成(30両)増備されることとなっており、6両固定編成で残る3本とレーティッシュカラーの編成2本が置き換えられるものと思われます。残る4両固定編成は長期間留置中(廃車除籍確定)の1062Fの可能性があります。
大野総合車両所構内での脱線事故を経験した1754Fが最後まで残った1000形ワイドドア車でしたが、登場から約32年で幕を下ろすこととなりました。
【小田急電鉄1000形の在籍状況】
※2022年5月30日現在 合計124両/全体196両(リニューアル中を含む)
※青色…リニューアル車、赤色…レーティッシュ(非リニューアル)、灰色…廃車予想編成
※青色…リニューアル車、赤色…レーティッシュ(非リニューアル)、灰色…廃車予想編成
※1063F・1064Fは編成禁止ラベル貼付により箱根登山鉄道専任運用で活躍中
*4両固定編成…9編成(36両、レーティッシュ8両)
内訳…1057F・1058F・1061F・1063F・1064F・1065F・1066F・1067F・1069F
*6両固定編成…3編成(18両)
内訳…1251F・1253F・1254F
*10両固定編成…7編成(70両、リニューアル60両、大規模改造30両)
内訳…1091F・1092F・1093F・1094F・1095F・1096F・1097F
内訳…1091F・1092F・1093F・1094F・1095F・1096F・1097F
※1095F以降は4両固定編成と6両固定編成を改造(1097Fは元1081Fの付随車も活用)。
*休車中(廃車予定)…4両
内訳…1062F
*廃車済…68両 ※搬出予定車両を含む、赤色…レーティッシュ
内訳
内訳
【編成単位で廃車】 合計60両
1051F(クハ1051・デハ1001・デハ1101・クハ1151)
1053F(クハ1053・デハ1003・デハ1103・クハ1153)
1054F(クハ1054・デハ1004・デハ1104・クハ1154)
1059F(クハ1059・デハ1009・デハ1109・クハ1159)
1060F(クハ1060・デハ1010・デハ1110・クハ1160)
1068F(クハ1068・デハ1018・デハ1118・クハ1168)
1751F(クハ1751・デハ1701・デハ1801・サハ1851・デハ1901・クハ1951)
1752F(クハ1752・デハ1702・デハ1802・サハ1852・デハ1901・クハ1952)
1753F(クハ1753・デハ1703・デハ1803・サハ1853・デハ1903・クハ1953)
1754F(クハ1754・デハ1704・デハ1804・サハ1854・デハ1904・クハ1954)
1755F(クハ1755・デハ1705・デハ1805・サハ1855・デハ1905・クハ1955)
1756F(クハ1756・デハ1706・デハ1806・サハ1856・デハ1906・クハ1956)
【車両単体で廃車】 合計8両
元クハ1155(元1055F)・元クハ1255(元1255F)
元クハ1081・元デハ1031・元デハ1131・元デハ1331・元デハ1431・元クハ1481(元1081F)