2022年5月16日に、東急電鉄元住吉検車区所属の5000・5080系5187Fが新製の中間増備車のデハ5487・サハ5587を組み込んだ8両固定編成として営業運転に投入されましたが、その際に既存車両に設置されていた車両間転落防止幌が撤去されています。また大井町線の6000系も一部編成で転落防止幌が撤去されています(新製当初は全編成に設置されていた)。
▲目黒線の5000・5080系は登場当初は6両固定編成で落成し、5181F・5182F・5190F以外の編成に転落防止幌が設置されていた。目黒線向けの同系列で最初に8両固定編成となった5187Fでは既存車側の転落防止幌が撤去されたが、台座は残されている。
▲大井町線の6000系は中間増備車を含めて転落防止幌が装着されていた。運用範囲の全区間にホームドアが設置されているため、撤去されたものとみられる。ただし9000系列では引き続き設置されているほか、並走する田園都市線は乗り入れ先路線のホームドア未設置駅があるため存置されている。
▲撤去された6000系の転落防止幌。台座自体は残されている。これは今後8両固定編成となる5000・5080系でも同様になるだろう。
大井町線の6000系では新製当初から中間増備車(初代のデハ6300形)や“Q SEAT車両”(2代目のデハ6301・デハ6302)を含む全車両に設置されていましたが、現在の運用範囲の大井町線全線と田園都市線溝の口(DT-10,OM-16)~中央林間(DT-27)間の各駅でホームドアの設置が完了しているため、転落防止幌が撤去されています。6000系の“Q SEAT”車両に至っては落成からわずか3年で転落防止幌が撤去されたことになります。また目黒線の5000・5080系では相模鉄道新横浜線との相互直通運転に向けて全10編成を6両編成から8両編成に増強することとなっていますが、その際の中間増備車は新製当初から転落防止幌はありませんでした(6000系から改造のデハ5489・デハ5490を除く)。初めて8両固定編成となった5187Fでは田園都市線での試運転時には既存車側の転落防止幌が残されていましたが、営業運転投入に備えてそれが撤去されました。ただしその台座が残っているため、転落防止幌を設置していた名残が伺えます。もともと5000・5080系の運用範囲の各駅はすべてホームドア設置駅ですが、2007年からは臨時列車『みなとみらい号』として当時のホームドア設置前の東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線でも営業運転をしていたことがあり、その際に転落防止幌を装着した5183F~5189Fのいずれかが充当されていました。ちなみに3000系は落成時から転落防止幌が装着されていたものの、運用路線にホームドアが設置されていたことから、全編成で撤去が完了しています(ただし台座は残っている)。この系列の中間増備車も新製当初から転落防止幌はありません。
一方のホームドア設置が完了している東横線・田園都市線、横浜高速鉄道こどもの国線は運用範囲の区間・乗り入れ先路線でホームドアが設置されていない駅があるために存置されています。なお池上線・多摩川線運用車両はホーム柵とセンサーが設置されていることから転落防止幌は設置されていませんが、7000系の一部編成は落成当初は転落防止幌が設置されていたため台座が残っているほか、1000系1500番台は1524Fを除き元東横線向け同系列から改造されたため、転落防止幌設置の台座が残っていますね。今年度の新製車両は2020系2150Fのみで、乗り入れ先路線の関係で転落防止幌がつくものと思われますが、2150F以降に落成する東急電鉄の新製車両が今後転落防止幌の設置を省略した車両になるのかもしれませんね。