2022年5月12日

【新製車両はなし?】京浜急行電鉄が2022年度鉄道設備投資事業計画を発表

2022年5月11日、京浜急行電鉄が2022年度の鉄道設備投資事業計画を発表しました。今年度の投資額は約231億円となります。

【車両面】
▲今年度は車両増備の言及はなかったが、新1000形アルミ車の制御装置更新工事・車体更新工事が実施される。このうち4両固定編成は車体更新工事も併せて実施される。なお最後までドイツ・シーメンス製IGBT素子で残っている1041編成・1057編成・1441編成・1445編成が当該と思われるが、1445編成はシーメンス製IGBT素子を保ち検査出場している。
▲新1000形1800番台20次車の“Le Ciel(ル・シエル)”の新製投入で置き換えが進んでいる1500形鋼製車体(VVVFインバータ制御ではない車両)。運用中の編成のなかにはホームドア対応の車番ステッカーも貼付されているのがいる。この1501編成はそのなかの1本である。

車両面では新製車両の言及はなかったものの、大師線をメインに運用されていた1500形鋼製車体の編成が新1000形20次車“Le Ciel(ル・シエル)”に順次置き換えられていくものと思われます。大師線も600形や新1000形のようにVVVFインバータ制御の車両が運用されるようになっていますね。さらには同形式のアルミ車体を中心に8両固定編成2本、4両固定編成2本の制御装置更新工事、4両固定編成2本の車体更新工事を実施します。現時点で8両固定編成はシーメンス製IGBT素子で残っている1041編成・1057編成、4両固定編成は車体更新工事と制御装置更新工事を兼ねてシーメンス製IGBT素子で残っている1441編成・1445編成に施工されるものと思われます。ただし1445編成は今年2月にファインテック久里浜事業所を検査出場していますが、制御装置更新工事と車体更新工事は実施されていません。ところがシーメンス製の制御装置が消滅するのは間近とみたほうがいいでしょう。なおこれらの当該編成は制御装置更新とともに車内LCD式案内表示器(1画面と2画面の千鳥配置)を設置するほか、座席の一部を撤去して車椅子やベビーカーが利用できるフリースペースを設置改造します。

【設備面】
▲設置が進んでいるホームドア。2023年度までに新たに10駅に設置されることとなった。ただし汐入(KK-58)では写真のタイプではなく軽量型ホームドアが設置されている。
▲ホーム上家の延伸工事とホームドア設置工事が進められている京急東神奈川(旧仲木戸・KK-35)。改札口に近い浦賀(KK-64)・三崎口(KK-72)寄りの数両分しかホーム上家がなかった。

設備面では軽量型ホームドアを設置した汐入のほか、梅屋敷(KK-10)、八丁畷(KK-27)、生麦(KK-30)、京急東神奈川、日ノ出町(KK-39)、弘明寺(KK-43)、杉田(KK-46)、金沢文庫(KK-49)、金沢八景(KK-50)の各駅で2023年度にかけてホームドアの設置を進めるほか、京急東神奈川、黄金町(KK-40)の各駅でホーム上家の延伸工事、上大岡(KK-44)でのエレベーター更新工事、天空橋(KK-15)、金沢文庫、追浜(KK-54)の各駅でエスカレーター更新工事が行われます。また連続立体交差事業では泉岳寺(A-07)~新馬場(KK-03)間の工事推進(品川(KK-01)の2面4線の地平ホーム化)および泉岳寺でのホーム拡幅などの改良工事のほか、大師線東門前(KK-24)~小島新田(KK-26)間の地上区間の工事と大師橋(旧産業道路・KK-25)、小島新田の各駅での駅舎工事を進めるほか、羽田空港第1・第2ターミナル(KK-17)での引き上げ線新設と駅改良工事を進めます。また新1000形1137編成の廃車除籍処分の原因となった踏切事故対策や自然災害への対策のための工事が引き続き進められる予定です。