2022年5月12日

【遂に解体作業へ】小田急電鉄1000形1754F(ワイドドア車6両固定編成)、廃車解体作業を開始

2022年3月12日の土曜休日A12運用の前半まで運用され、4月1日に小田急電鉄海老名検車区から大野総合車両所に臨時回送され休車状態が続いていた1000形ワイドドア車の1754F(6両固定編成)ですが、5月12日にシングルアームパンタグラフや空調装置、車番などの撤去作業が開始されました。ついに廃車解体処分になるものと思われます。
▲1990年から1991年に4両固定編成と6両固定編成の2種類で登場した1000形ワイドドア車がついに完全消滅。最後まで残った1754Fは2014年6月の脱線事故を経験していた編成だ。
▲この編成の3号車に組み込まれているサハ1854は元先頭車を改造しており、4号車寄りの旅客用扉がワイドドアではないことが分かる。このタイプは1754Fと1756Fが当該だった。
▲1000形ワイドドア車の車内の様子。元先頭車から改造された付随車を除き、車端部が2人掛けであったことから、すべて優先席となっていた。なお1000形ワイドドア車は廃車を前提としているため、サハ1850形が子育て応援車両になることはなかった。

同編成は1月8日と9日に最後のワイドドア車を満喫するツアー向け特別団体専用列車に使用されていましたが、そのあとも営業運転に充当され、3月12日のダイヤ修正初日の土曜休日A12運用の大野総合車両所一旦入庫まで運用されていました。そのあと海老名検車区に臨時回送され、予備車状態が続いていました。大野総合車両所に臨時回送されたときが1754Fの最後の自走となりました。この編成で印象に残っているのは2014年6月の相模大野(OH28)での脱線事故でした。クハ1754・デハ1804・サハ1854の3両が脱線し、停電も起きたことから小田原線だけでなく江ノ島線の一部区間も運転を見合わせていました。私はこのときに東京ディズニーリゾートに行っていたのですが、その帰りはたまたま東日本旅客鉄道東海道線で移動していたため、奇跡的にその脱線事故を免れたのを覚えています。その脱線事故の当該が実は今回廃車となる1754Fだったわけです。

このあとこの編成はクハ1754・デハ1704、デハ1804・サハ1854、デハ1904・クハ1954と分けて解体線に据え付け、北館林荷扱所への陸送のための準備が進みそうです。脱線事故を経験した編成が1000形ワイドドア車で最後まで残りましたが、同形式ワイドドア車は登場から約32年で幕を下ろすこととなりました。