2021年8月6日、京浜急行電鉄ファインテック久里浜事業所に入場していた新1000形1065編成(1065~1072)が出場し、試運転を実施しました。同編成はアルミ車体の8両固定編成のラストナンバーであり、制御装置がドイツ・シーメンス製のIGBT素子から国産の東洋電機製IGBT素子に交換されています。
▲新1000形8両固定編成でシーメンス製IGBT素子を搭載していた編成が検査出場で初めて東洋電機製IGBT素子に交換された。つまり加速時に“悲鳴”をあげることはなくなった。この動きが続けば京浜急行電鉄の車両からシーメンス製の制御装置搭載編成の消滅が予想される。
▲車体更新工事と制御装置更新工事で東洋電機製IGBT素子となった1017編成。1033編成が車体更新工事を兼ねてファインテック久里浜事業所に入場しており、東洋電機製IGBT素子となることが予想される。
新1000形アルミ車は車体更新および検査入場時に制御装置が順次交換されており、8両固定編成では1001編成は三菱電機製SiC素子、1009編成・1017編成・1025編成は他社乗り入れ運用を考慮して東洋電機製IGBT素子にそれぞれ更新されています(一部では車体更新工事を兼ねている)。現在では最後のシーメンス製GTO素子(歌う電車)を搭載していた1033編成が車体更新工事を兼ねて入場しており、こちらは東洋電機製IGBT素子に更新されることが予想されます。一方の4両固定編成では1401編成・1409編成・1413編成は1405編成で試験採用されていた東芝製IGBT素子に、1421編成・1425編成・1433編成・1437編成は東洋電機製IGBT素子にそれぞれ更新されています。4両固定編成で歌う電車だった編成が東芝製、悲鳴の電車だった編成が東洋電機製にそれぞれ更新されているのが興味深いですね。アルミ車4両固定編成でシーメンス製IGBT素子を搭載していた編成でも4本がすでに更新されているんですね。逆に8両固定編成は1001編成が三菱電機製(SiC素子・ただし乗り入れ運用は対象外)である以外はすべて東洋電機製(IGBT素子)となっています。他社への乗り入れ運用もありますから、東洋電機製に統一する必要があったのでしょうね。
1065編成が制御装置を更新したことで、“KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN”の1057編成を含む3次車以降のアルミ車の動向が注目されます。歌う電車のシーメンス製GTO素子よりは好みが割れると思いますが、シーメンス製IGBT素子の録音も必要かもしれませんね。