2021年7月27日、小田急電鉄1000形リニューアル車の4両固定編成である1057F(クハ1057+デハ1007+デハ1107+クハ1157)が平日112運用に充当され、7207レ(湯0644←小0607)から箱根登山鉄道区間で初めての営業運転に入りました。同形式リニューアル車が箱根登山鉄道区間に入線するのは2014年度の登場から初めてのこととなります。
▲1000形初のリニューアル車の1066Fの出場から約7年、ついにリニューアル車の箱根登山鉄道区間の入線が実現した。これまで4両固定編成にはコックピットに『登山線入線禁止』のラベルが貼付されており、運用は限定されていた。
1000形リニューアル車は4両固定編成の1066Fの出場から約7年経ちますが、これまで箱根登山鉄道区間に入線したことはなく、3000形3次車以降の6両固定編成と組んで10両編成として各駅停車・急行・通勤急行・快速急行で運用されることが多く(かつて新宿(OH01)発着時代の準急でも運用されたことがある)、状況により4両固定編成のリニューアル車同士の8両編成である“ブツ8”を組むことも増えていました。登場当初1000形リニューアル車の4両固定編成は基本的に相方と組むことを前提に(この時点で単独運用は想定されていない)、運転台には『登山線入線禁止』のラベルが貼付され、おもに10両編成のE運用、8両編成のB運用に限定されていました。
1000形1057Fが7月26日深夜の平日111運用から箱根登山鉄道専任の4両固定編成の運用が解禁され、運用後は足柄(OH46)構内留置線に入り、そのまま順当に流れたようで、27日にリニューアル車で初めて箱根登山鉄道区間および箱根湯本(OH51)まで入線を果たしました。しかしながら専任編成の1059F・1060F(いずれもレーティッシュ)が廃車除籍処分となったことを考えると、残存する1058F・1061Fの動向が注目されます。いずれもリニューアル車に置き換えられる形になるでしょうか(間接的には2代目5000形で置き換えられる形か)。なお1058Fは2012年から、1061Fは2009年からレーティッシュカラーをまとっており、後者は東京地下鉄千代田線直通対応車両だった中では現役唯一の非リニューアル車となっています(1062Fは休車状態が続いているが廃車除籍が予想されるため除外)。
リニューアル車の1057Fでもレーティッシュカラーの1058F・1061Fと同様に箱根登山鉄道区間での自動放送が使用されていますが、1058F・1061Fでは種別(各駅停車)をアナウンスするのに対し1057Fではそれが省略されているほか、『箱根登山線をご利用くださいましてありがとうございます』の英語放送が1058F・1061Fではアナウンスされるのに対し1057Fでは省略されて行先案内だけのアナウンスとなっています。リニューアル車の箱根登山鉄道運用が解禁となったことで、1063F~1067F・1069Fでも箱根登山鉄道区間への入線が期待されています。
ちなみに2代目5000形の導入でこれまでに以下の編成が置き換えられています。このなかにはレーティッシュカラーの2編成(1059F・1060F)が含まれています。
《1000形ノーマルドア車》
1053F・1054F・1059F・1060F・1062F・1068F
《1000形ワイドドア車》
1751F・1752F・1753F・1755F
《8000形チョッパ制御更新車》
8251F・8255F
※注意…5000形導入に伴う直接的な置き換えではないが、改造を伴うリニューアル更新工事の関係で1000形1097Fの誕生に伴い元1055F・元1255Fの各先頭車1両、元1081Fの付随車以外の6両が余剰廃車となっている