2021年7月19日

【最後の歌い奏でる電車】京浜急行電鉄新1000形1033編成の特別貸切列車『ありがとうドレミファインバータ♪』運転

2021年7月18日、京浜急行電鉄新1000形の最後の『歌う電車』である1033編成による特別貸切列車『ありがとうドレミファインバータ♪』が品川(KK-01)→ファインテック久里浜事業所の片道で運転されました(フ1000←品0904)。
▲2扉車の2100形に続き3扉車の新1000形アルミ車も1033編成(2次車8両固定編成)の特別貸切列車で歌い終えた。同編成はそのあとの撮影会には参加せず、そのままファインテック久里浜事業所へ入場し制御装置の更新工事と車体更新工事が実施される可能性がある。
▲車体更新車の新1000形1001編成。この編成は三菱電機製SiC素子、1009編成・1017編成は東洋電機製造のIGBT素子に更新されているが、1033編成も乗り入れ運用の継続を考慮すると東洋電機製造のIGBT素子への更新の可能性が高そうだ。

この編成は2003年に川崎重工業兵庫工場で製造され、これまでに約18年間、シーメンス製GTO素子VVVFインバータ制御のまま歌い続けてきました。この編成は直通運転先路線でも活躍し、東京都交通局浅草線や京成電鉄本線・押上線でも歌う電車のまま奏で続けました。しかも8両固定編成で『歌う電車』のラストナンバーであり(3次車の1041編成からは『歌う電車』のシーメンス製GTO素子ではなく『悲鳴』のシーメンス製IGBT素子である)、1次車・2次車の制御装置更新工事が進んだ結果、4両固定編成はすでに1次車・2次車の全編成が制御装置更新工事を終えており、1405編成と同じ東芝製IGBT素子に変更されています(3次車以降でもシーメンス製IGBT素子から東洋電機製IGBT素子に変更された編成がいる)。なお車体更新工事を受けた1001編成は制御装置が三菱電機製SiC素子に、1009編成と1017編成は東洋電機製IGBT素子に変更されており、1001編成のみは1009編成・1017編成と制御装置が異なるため浅草線方面には乗り入れずエアポート急行などの運用に充当されています。

この1033編成は今後制御装置更新工事(東洋電機製IGBT素子への変更)と車体更新工事(車内LCD式旅客案内表示器の設置)を兼ねて行われるものと思われます。出場時には前面部貫通扉に『けいきゅん』を掲出するので、見分けがつきます。これで2100形に続き新1000形からもシーメンス製GTO素子VVVFインバータ制御の車両(『歌う電車』)は完全に消滅し、3次車のシーメンス製IGBT素子VVVFインバータ制御(『悲鳴』)の編成の動向にも注意が必要です。このなかには“KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN”でもお馴染みの1057編成が含まれています。