2020年7月31日

【漸く発表に!!】小田急電鉄が2020年度鉄道事業設備投資計画を発表

2020年7月31日、小田急電鉄が2020年度鉄道事業設備投資計画を発表しました。今年度の投資額は昨年度(約327億円)よりもさらに低い約265億円となります。今回も【車両面】と【設備面】を中心に見ていきましょう。

【車両面】
▲2020年3月にデビューした5000形(写真は5051F)。今年度は4編成(5052F・5053F・5054F・5055F)が追加投入される。なおこの形式が投入されたことにより1000形8両固定編成の1081Fのうち付随車を除く6両が廃車解体処分となった。5000形4編成の追加投入でさらに置き換えとなってしまう編成がいるのだろうか。
▲1000形は1編成のリニューアル更新工事が実施される。昨年度は1069Fと1094Fに施工されたが、今年度はすでに4両固定編成の1065Fに施工されている状況で、検査入場の準備をしているものとみられる。
▲ロマンスカー“EXE”30000形は今年度分も1編成のリニューアル更新工事(“EXEα”化)が発表された。昨年度は川崎重工業兵庫工場製の30056F+30256Fに施工され、2020年5月に運用復帰している。今年度はすでに日本車両製造豊川製作所に30053F+30253Fが入場しており、その編成に施工される。

車両面では4000形(全16編成)以来となる約12年ぶりの通勤形電車である5000形(2代目)の5051Fが2020年3月26日から営業運転を開始しましたね。5051Fは昨年度分の導入扱いですが、今年度は4編成(40両)が追加投入されます。なおすでに川崎重工業兵庫工場より5052F、総合車両製作所横浜事業所より5053Fが登場しており、あと2編成が登場します。なお5054Fが総合車両製作所横浜事業所、5055Fが川崎重工業兵庫工場より出場するものとみられます。本来は2020年度末までに5051Fに加えて追加で5編成を投入して全6編成が出揃うものと予想されていましたが、2020年に新型コロナウィルスの感染が拡大した影響から、最後の1編成(5056F)は2021年度の投入に変更するものと思われます

1000形は昨年度に4両固定編成の1069Fと10両固定編成の1094Fがリニューアル更新工事を受けましたね。今年度は1編成にリニューアル更新工事を施工することとなっているようですが、すでに4両固定編成の1065Fがリニューアル更新工事を終えている段階であり、その編成が当該と思われます。なお1000形のリニューアルが1編成のみとなったのは大野総合車両所に入場中の1055Fの動き(クハ1155のみ編成から切り離された状態)や元1081Fの付随車2両が残っていることからして、以前から私が予想を立てていた10両固定編成への改造とそのリニューアルを兼ねていることが想像できるためです。ちなみに2015年度に遡ってみると、同年度のリニューアル更新工事は4両1編成のみであったため1063Fのみに施工されていますが、その後実際には元1056Fと元1256F(現在の1095F)がリニューアル更新工事を施工するために入場し、中間に入った先頭の運転台部分を切り取り3000形や4000形の側面部に類似した中間車の構体を取り付けて10両固定編成化工事を実施したことが大きな話題となり、これは元1052Fと元1252Fから改造の1096Fとともに2016年度分のリニューアル対象に含まれています。こうなると1055Fのうちの3両と元1081Fの付随車、そして現在でも運用中の1255Fのうちの5両を活用すれば、それをのちの“新1097F”としてリニューアル更新工事を実施し、その編成を2021年度分のリニューアル対象の扱いにすることが予想できそうですね。ただしこれはあくまでも私の推察に過ぎないので、参考程度に受け取っておいてくださいね。ちなみに10両固定編成で唯一リニューアルされていない1092Fは今年度分の対象には一切含まれませんでしたが、1255Fとともに引き続き動向に注意すべき編成といえますね。

ロマンスカー“EXE”30000形は昨年度には川崎重工業兵庫工場製造の30056F+30256Fがリニューアル更新工事を受けて“EXEα”となりましたね。今年度分も引き続き1編成に施工することが発表されましたが、すでに30053F+30253Fが生まれ故郷の日本車両製造豊川製作所に入場しているため、その編成が当該になることは確定です。なおラストナンバーの30057F+30257Fが大野総合車両所を検査出場したため、来年度は30055F+30255Fへの施工になるのかな?いずれにしても茶色の“EXE”が見られるのもあと2編成だけとなってしまいました。いずれも記録しておくべき編成です。

【設備面】
▲2021年春に海老名(OH32)の西口に開業する『ロマンスカーミュージアム』。今年度は建築工事および館内コンテンツの製作に入る。ミュージアム内には歴代のロマンスカーで静態保存されている“SE”3000形(初代)、“NSE”3100形、“LSE”7000形が展示される。
▲2020年7月30日に新駅舎が完成した江ノ島線の片瀬江ノ島(OE16)。改札前コンコースには新江ノ島水族館とコラボしたクラゲ水槽が設置されているほか、さらに裏面にはデジタルサイネージが設置されており、新江ノ島水族館の水槽の映像が映し出される。

設備面では参宮橋(OH03)と片瀬江ノ島(OE16)の駅舎リニューアル(片瀬江ノ島では新駅舎はすでに完成済み)、下北沢(OH07)の急行線ホーム(1番ホーム・2番ホーム)と登戸(OH18)の下りホーム(1番ホーム・2番ホーム)にホームドアを設置、昨年度に引き続き2度にわたる線路陥没があった愛甲石田(OH35)~伊勢原(OH36)間と、途中トンネルがある東海大学前(OH38)~秦野(OH39)間での法面改修工事と強度向上が予定されているほか、多摩線側の法面の健全性の調査が実施されます。また踏切への高機能障害物検知装置の設置を進めるほか、ロマンスカーミュージアムの建設が引き続き進められています。