2020年7月10日

【付随車活用?】小田急電鉄1000形1081Fの6両廃車と1055Fの謎の動きを推察する

2020年6月30日の平日B19運用を最後に定期営業運転を終了した小田急電鉄1000形1081Fのうち付随車2両を除く6両の廃車解体処分と、7月2日の平日E37運用を最後に組成相手の1254Fと解放された1055Fの謎の動きを、個人的な見解を交えて推察しようと思います。この記事の大半が私個人の予想であると思ってこの記事をご覧いただければと存じます。
▲【ポイントその1】1000形1081Fは付随車2両を除き廃車解体処分となっている。
▲【ポイントその2】1000形1055Fはクハ1155のみ切り離された状態になっている。
▲【ポイントその3】1000形は4両固定編成と10両固定編成がリニューアルされている。写真は昨年度リニューアル対象の1069Fと1094Fである。

まず1000形1081Fでは付随車2両(サハ1181・サハ1381)が抜かれ、それ以外の6両が車両番号・空調装置・パンタグラフを撤去のうえ、廃車解体処分となりました。次に1254Fと組んでいた1055Fでは7号車となっていたクハ1155のみが切り離されてそれ以外の3両とは別に留置されています。この動きからするといまだに断定はできないのですが、元1081Fから抜かれた付随車2両と何らかの関係があるのではないかとみています。もしかすると1055Fのうちの3両・元1081Fの付随車2両を活用…、ということは1000形で新たに10両固定編成化改造(つまり新1097Fの誕生)の動きではないか、と推察できるのです。

というのも今までの1000形のリニューアル更新工事の変遷を見ると分かります。


【1000形のリニューアル更新工事状況】※データは2020年7月1日現在
施工済み…4両7編成、10両5編成 合計12編成78両 
2014年度…1057F1066F
2015年度…1063F
2016年度…1095F(元1056F+元1256F)
1096F(元1052F+元1252F)
2017年度…1064F
1091F
2018年度…1067F
1093F
2019年度…1069F1094F
2020年度…1065F・????

実は2014年度から4両固定編成、2016年度から10両固定編成、それ以降は4両固定編成と10両固定編成にリニューアル更新工事が施工されているのですが、2016年度に施工された1095Fと1096Fが4両固定編成と6両固定編成を改造して誕生した10両固定編成であることがポイントなのです。このときは中間に入っていた先頭車の運転台部分だけを切り取って中間車の構体を取り付けたことが大きな話題となっており、1095Fと1096Fに限り6号車と7号車の連結部分付近の側面窓の形状が異なっています。しかし製造当初から純粋な10両固定編成ではリニューアル更新後も6号車と7号車の連結部分付近の窓はそのままの形状となっていたのです。

2017年度以降のリニューアルの動きからして、今年度(2020年度)は4両固定編成の1065Fが先にリニューアルされた、ということは次は10両固定編成…?ということになってくるのですが、1092Fへの施工は前回検査の経歴からまだまだ先になるので一度除外となり、そうすると1095Fや1096Fのように再び4両固定編成と6両固定編成を改造する必要が出てきます。しかしながら8両固定編成となっていた1081Fが前回の検査から3年以上が経っていて検査切れのタイミングで運用を離脱する、という事情があり、10両固定編成への改造の際に1081Fの付随車2両に着目したのか、本来は中間に入る制御車を付随車(運転台撤去のうえ中間車)に改造するところ、1081Fの付随車2両で代替することで、その大規模改造の手間を省けるのです。要するに今回の元1081Fの付随車のみを廃車にせず残したということは、いずれは1000形の別の2編成を10両固定編成として改造し、中間に入る制御車を1081Fの付随車2両で置き換えて(組み込んで)活用する可能性を残しているためなのです。今回の10両固定編成化への動きが現実味を帯びてきた場合、現在入場中の1055Fのクハ1155(7号車)だけを外し、その部分に元1081Fの付随車2両を連結させる。10両固定編成の改造種車の経歴や共通点から、のちに入場してくるであろう1255Fのクハ1255(6号車)を外して残りの車両を1055Fの3両と元1081Fから活用された付随車2両と組み合わせて、新たな10両固定編成を組成する、という流れが見て取れるのです。つまり、現在の番号でいうと(改番前の前提)、クハ1055+デハ1005+デハ1105(1055F)+サハ1181+サハ1381(元1081F)+デハ1205+デハ1305+サハ1355+デハ1405+クハ1455(1255F)と組成して、改番のうえで新1097F(クハ1097+デハ1047+デハ1147+サハ1197+サハ1297+デハ1247+デハ1347+サハ1397+デハ1447+クハ1497)としてリニューアルする形になるものとみられます。

こうなると改造種車の候補に最も近い1255Fの動向が注目されますね。
▲【今後注意したいこと】1000形1055Fが10両固定編成化の動きをしているのであれば、ペアとして欠かせないのが1255Fとなるだろう。この編成の動き次第だがクハ1255を切り離し、1055Fのうちの3両と元1081Fの付随車と組み合わせて10両固定編成を誕生させるだろう。

この1055Fの3両(クハ1155を除く)と1255F(クハ1255を除く)、そして1081Fから抜いた付随車であたかも新製当初からの10両固定編成であるかのように組み合わせ、新しい編成として新1097Fを組むことを考えると、1081Fの6両廃車と1055Fのクハ1155の切り離しが繋がってくる可能性がありうるわけです。そして1081Fの6両廃車ということは、いずれは10両固定編成化改造で余剰となるクハ1155とクハ1255が廃車になることが予想されます。1081Fの6両の廃車解体がなければ、残った先頭車2両とうまく活用したうえで、4両固定編成が2本組めたはずなのですが…。

ここまで長々と綴ってまいりましたが、これはあくまでも私の個人的予測であることを前提のうえでこの記事を締めさせていただくことをご了承ください。この1000形でも登場からすでに30年以上が経っているのですが、ワイドドア車よりも先に1081Fの6両の廃車(さらに2両の先頭車の廃車が予想される)とは非常に驚かされたものです。