2024年10月8日の6203レ(向0933←宿0855・平日E26運用)で小田急電鉄大野総合車両所に入庫し、8000形8262F(6両固定編成・2006年度リニューアル車)とのペアが解消されていた8059F(4両固定編成・2013年度リニューアル車)が10月12日にロゴマークの撤去と側面部の車番の撤去(赤いテープで隠す)作業を受けています。同編成は廃車除籍処分になるものとみられます。
▲8000形全体で最後にリニューアル更新工事を受けた8059Fが廃車除籍処分に。この編成は1986年に登場し、就役から約38年間(リニューアル更新工事を受けて約11年間)の活躍だった。なお同一番号組成時での相方だった8259Fはすでに廃車となっているため、8000形の9番編成がまさかの消滅。
▲8000形で最後の非リニューアル車両として残っていたのがこの8059Fだった。この当時の相方はチョッパ制御更新車の8251Fであった。今回の8059Fの検査期限による廃車除籍処分で8000形のSiCモジュール素子VVVFインバータ試験車両が消滅となった。これまでに廃車除籍処分が間近に迫っていた6両固定編成の相方を担当していた8059Fともついにお別れ。
▲2013年度にリニューアルされた2編成、8059F・8061Fは制御装置の形状を変更し、SiCモジュール素子となった。このため加速時・減速時の音が他編成とは異なっていた。4両固定編成は譲渡予定の編成が不透明なため、解体処分となる可能性が高そう。
これまでに8000形は13編成64両(8052F・8054F・8055F・8056F・8060F・8061F・8062F・8251F・8254F・8255F・8256F・8259F・8264F)が廃車解体、1編成6両(8261F)が西武鉄道8000系として譲渡され、合計14編成70両が除籍されましたが、今回の8059Fの動きから、同形式の廃車は通算15編成目(合計74両)となりました。2013年度に8061Fとともにリニューアル更新工事を受けており、最後まで残った非リニューアル車両であったため、リニューアル更新工事の際に制御装置にSiCモジュール素子のVVVFインバータ制御となっていました。また晩年は廃車除籍処分が近かった6両固定編成の相方として活躍を続けていたほか、最後の相方は8262Fとなりました。なおその編成の相方は現在は8063Fに変更されています。8000形からSiCモジュール素子VVVFインバータ制御車が一足先に消滅するとは、正直に言って言葉を失っています。大学時代に最後の非リニューアル車両の最後の上り営業列車(当時は朝ラッシュ時間帯に多く設定されていた新宿(OH01)発着の急行)で乗ったことがある思い出のある編成だったので、ショックが大きいです。
なお8000形が廃車除籍処分となる際には通常は89番構内留置線で空調装置やパンタグラフが撤去されるのですが、今回は平日ではなく土曜休日に作業が行われた都合で、本来とは別の構内留置線に留置されており、側面部の車番を隠す作業とロゴマークの撤去作業が先に行われた形です。西武鉄道への譲渡はないものと思われます。
【8000形の在籍状況】※2024年10月12日現在 全体…17編成86両/32編成160両
《4両固定編成》
運用中…8編成(32両)
8051F・8053F・8057F・8058F・8063F・8064F・8065F・8066F
廃車済…8編成(32両)
8052F・8054F・8055F・8056F・8059F・8060F・8061F・8062F
《6両固定編成》 下線部の車両は種別行先案内表示器が3色LED式の編成
運用中…9編成(54両)
8252F・8253F・8257F・8258F・8260F・8262F・8263F・8265F・8266F
譲渡済…1編成( 6両) ※西武鉄道8000系として転用改造中
8261F
廃車済…6編成(36両)
8251F・8254F・8255F・8256F・8259F・8264F