2024年8月10日

【上りでは珍行先】小田急電鉄、昨日の地震による不通区間からの救済列車が運転される

2024年8月9日の19時57分頃に発生した神奈川県西部を震源とした地震の影響で小田急電鉄全線で一時運転を見合わせ、21時15分以降に小田原線新宿(OH01)~海老名(OH32)間および江ノ島線と多摩線で運転を再開しましたが(一部区間減速運転)、小田原線海老名以西は引き続き運転見合わせとなり、海老名~本厚木(OH34)間は25時06分頃に、本厚木以西は3時50分頃に運転を再開しました。係員による線路点検に想定以上の時間がかかったようです。

このことから不通区間に取り残された乗客を救済するための臨時各駅停車向ケ丘遊園(OH19)行きが運転され、1000形1096F(10両固定編成)が使用されました。地震発生当時は小田原の8番ホーム・9番ホームに少しかかる形で長時間停車していたことから、同編成は運転再開の際に小田原→新松田(OH41)間で回送となり、新松田始発で臨時各駅停車向ケ丘遊園行きとして設定されたものと思われます。
▲新宿発の下り列車でよく見かける『各駅停車向ケ丘遊園』だが上り列車では珍しい光景。神奈川県西部震源の地震による不通区間に取り残されていた1000形1096Fが救済列車として充当された。向ケ丘遊園で6204レ(土曜休日B26運用)と接続したあと回送となり、10日の1201レ(土曜休日E21運用)に充当されている。

地震発生当時に小田原付近に取り残されていた1000形1096Fは優等種別列車(新松田以西で急行、新松田以東で快速急行となる列車)で8番ホーム・9番ホームから発車または入線途中に地震が起きたものと思われ、長時間取り残された状態となっていました。2019年から急行が停車する開成を除く新松田~小田原間の各駅ではホームの有効長の都合から10両編成が停車できないために回送となり、始発列車が設定されている新松田から救済列車として急遽運用されたものと思われます。上り列車で向ケ丘遊園行きの設定は珍しいことです。なお向ケ丘遊園では3番ホームに到着し、そのまま回送になったものと思われます。これは同駅には4番ホームに8両編成の停泊があり、4番ホーム出庫となる6204レ(土曜休日B26運用)と接続したためです。なお救済列車充当の1000形1096Fは喜多見検車区に入庫せず、新宿発の1201レ(土曜休日E21運用)から定期運用に充当されました。ということは新宿での10両編成の留置(E20運用充当車両が留置となり、翌日のE21運用にそのまま充当)はなかったということになるでしょうか。