2023年10月20日

【西武鉄道へ初譲渡は…】小田急電鉄8000形8261F(6両固定編成)、喜多見検車区に単独回送される

2023年10月18日の平日A11運用(7004レ6800レ)で小田急電鉄海老名検車区に入庫していた8000形8261F(6両固定編成・2006年度リニューアル車)が同日中に喜多見検車区へ自走回送されました。海老名検車区入庫を最後の運用として廃車除籍処分までの動きとして通常は大野総合車両所に自走回送されたあと留置・休車を経てからとなりますが、喜多見検車区に回送ということから今後の動向が注目されています。
▲西武鉄道譲渡の第1弾となるか。8000形8261Fが平日A11運用のあと大野総合車両所ではなく喜多見検車区に自走回送された。6両固定編成が単独で喜多見検車区に回送されるケースは現行ダイヤでは珍しいが、かつて喜多見検車区を入出庫する6両固定編成の運用が存在したことがあり、8000形では相方変更の際に喜多見検車区に自走回送される事例はあった。
▲元相方の8000形8061Fはロマンスカー“VSE”50000形50001Fとともに『小田急の白い電車共演!引退間際の50000形VSE&8000形8061編成最後の追いかけっこリレー』に使用されたあとの動向が注目される。同形式で8059F8061Fの2編成のみのSiC素子試験車両だが、譲渡が実現するか、それとも残念ながら解体処分となるか。目が離せない。

これまでに8000形では4両固定編成が6編成・6両固定編成が5編成の合計11編成54両が廃車除籍処分となり、前回の8254Fでは西武鉄道向けに『サステナ車両』として譲渡されることが発表されてから初めての廃車除籍処分の動きですが、車体を分割されたことから譲渡自体がなくなり、残る下り方2両の陸送作業を残しています。今回の8261Fは大野総合車両所ではなく喜多見検車区に自走回送されたために動向が注目されています。同形式で初めて種別行先案内表示器にフルカラーLED式(当時はROM更新前でフォントは明朝体であった)を採用した2006年度にリニューアルされ、当時の8058Fと組んでいたときに登戸(OH18)付近での落雷被害による運用離脱を経て(その運用離脱期間中にのちの相方となる8061Fが2013年度にリニューアルされた)、現在まで運用を続けてきました。8000形が廃車除籍処分となる場合は大野総合車両所に自走回送されるケースがほとんどで、休車状態を経て空調装置などの撤去が始まるため、今回の動きが何を意味するのかがポイントです。

ちなみに8000形の西武鉄道譲渡は約40両とみられ、単純計算で6両固定編成・4両固定編成が4編成ずつですが、6両固定編成のみで考えると6編成(36両)となります。8000形6両固定編成で種別行先案内表示器にフルカラーLED式が採用されているのは7編成(8252F8260F8261F8262F8263F8265F8266F)なので、1編成は部品取りのために譲渡されるか廃車除籍処分になる可能性はありそうです。今回の8261Fの動きとして海老名検車区から喜多見検車区への疎開留置の可能性もあくまで否定はできませんが、本当に廃車除籍処分となる場合は大野総合車両所に自走回送されるはずなので、この8261Fが西武鉄道への譲渡の第1弾となるのか注目されます。元相方の8061Fは11月中旬の特別団体専用列車に充当後の動向が注目されますが、SiC素子を採用しているため、譲渡が実現するといいのですが…。

余談ですが、かつては喜多見検車区を入出庫する6両固定編成の運用が存在したことがあり、8000形の組成変更(8000形の別編成、3000形1次車・2次車とのペアから同一番号のペアに戻す場合または同一番号のペアから8000形の別編成、3000形1次車・2次車とのペアに変更する場合)の際に6両固定編成が単独で喜多見検車区に自走回送されるケースはありましたね。

【8000形の在籍状況】※2023年10月20日現在 全体…21編成106両/32編成160両
《4両固定編成》※8061Fはイベント終了後の動向に注意
運用中…10編成(40両)
8051F8053F8057F8058F8059F8061F8063F8064F8065F8066F
休車中…  0編成(  0両)

廃車済…  6編成(24両)
8052F8054F8055F8056F8060F8062F
《6両固定編成》※8256Fはイベント終了後の動向に注意
運用中…10編成(60両)
8252F8253F8256F8257F8258F8260F8262F8263F8265F8266F
離脱中…  1編成(  6両)
8261F
廃車済…  5編成(30両)
8251F8254F8255F8259F8264F