2022年12月20日

【新駅開業など様々】東日本旅客鉄道が2023年3月18日実施のダイヤ改正の概要を発表

2022年12月16日、東日本旅客鉄道が2023年3月18日(平日ダイヤは20日)に実施する予定のダイヤ改正の概要を発表しました。今回も【新幹線】と【在来線】(メインは首都圏エリア)に分けて紹介します。また支社別でも詳しい紹介がありますので、各最寄路線の管轄支社の発表も併せてご参照ください。

【新幹線】
▲上越新幹線は使用車両がすべてE7系(幹ニシ・幹ナシ)に統一され、最高速度が275km/hに引き上げられる(E2系1000番台は東北新幹線のみの運用に)。最速達列車は『とき311号』(1311C列車・潟1048←東0912)と『とき312号』(1312C列車・潟0905→東1043)で最大約7分の所要時間が短縮される。なおE7系は6編成(72両)が追加投入されるようだ。

新幹線ではE7系6編成(72両)を新潟新幹線車両センターに追加投入し、上越新幹線の全列車を同系列に統一します(E2系1000番台は上越新幹線から撤退)。また最高速度を275km/hに引き上げ、上越新幹線および北陸新幹線の所要時間を短縮します。また『とき』の再速達列車と接続する特急『いなほ』(3M列車4M列車)との接続時分を変更することで、東京から庄内エリア(東京~新潟~酒田間)の所要時間が短縮されます。北陸新幹線でも上越新幹線と共用する大宮~高崎間での最高速度引き上げで所要時間が約1~2分短縮されます。

【在来線特急列車】
在来線特急列車では高崎線特急列車へのE257系の投入(と651系1000番台の置き換え)などがあります。651系1000番台の動向が注目されることになりますね。
▲新たに高崎線特急に投入されるE257系5500番台。特急『草津』は列車名称を変更し、『草津・四万』に変更される。また特急『スワローあかぎ』は『あかぎ』に列車名称が統一され、両列車とも全座席指定席(自由席廃止)となる。全席指定列車になるため、中央線特急や常磐線特急などと同じ着席サービスを導入する。なおE257系5500番台では初の定期運用となりそうだが、座席上の指定席発売状況のランプは設置されていない。
▲E257系5500番台の高崎線特急への投入で置き換えられる651系1000番台。臨時列車などで残る可能性はあるが、在籍する全編成がもしも廃車となれば当時の『スーパーひたち』・『フレッシュひたち』(現在の『ひたち』・『ときわ』)の時代から使用されてきた651系が廃系列となる可能性がある。早めに記録をとっておこう。
▲平日の唯一上野(JU-02,JJ-01)発で残る『ひたち5号』(2005M列車・い1124←上0900)は上野発から品川(JT-03)発に変更となり、『ひたち』の全定期特急列車が品川発着になる。さらに『ときわ』の全列車が柏(JJ-07)に停車するようになる。
▲特急『湘南』は下り1本を増発、東京(JT-01)17時30分発の平塚(JT-11)行きが設定され、新たに『湘南1号』となる(既存の列車は号数が変更される)。平塚到着後は折り返し回送列車になるものと思われる。平塚発の『湘南』はあるが(2号)、平塚行きの『湘南』は初めての設定である。
▲特急『かいじ2号』(3102M列車・竜0658→宿0842)と『あずさ16号』(16M列車・松0910→宿1153)は新宿(JC-05)行きから東京(JC-01)行きに延長され、各新幹線などに乗り継ぎができるようになる。

首都圏を発着する特急列車では、高崎線の特急列車(特急『草津』・『スワローあかぎ』・『あかぎ』)のE257系リニューアル車両の投入と全席指定制への変更(新たな着席サービスの導入)、一部列車の運転区間の延長や列車増発などがあります。

高崎線特急列車については、651系0番台を改造した1000番台の置き換えとして、波動輸送向けに改造されていたE257系5500番台(宮オオOM-51編成宮オオOM-55編成の全5編成25両)を定期列車に初めて投入し、『草津』は列車名称を『草津・四万』に変更します。また平日に運転されている『スワローあかぎ』は『あかぎ』に統一されて消滅し、両列車ともに全席指定制に変更されます。これにより『草津』・『あかぎ』におけるグリーン車の営業と自由席の設定が終了し、『草津』から名称変更される『草津・四万』で『あかぎ』とともに新たな着席サービスが導入されます。また土曜休日の『草津32号』(改正後は『草津・四万34号』)は上野到着を16時台として利用しやすい時刻で運転するほか、『あかぎ』では座席未指定券で乗車できるようになりますが、一部運転区間が短縮され、減便となる区間があるようです。

常磐線特急『ひたち』では平日1本の5号だけ上野始発で運転されていますが、同列車の運転区間が延長され品川8時43分発となり、『ひたち』全列車が品川発着となります(『ときわ』は一部上野発着が残る)。また『ときわ』の下り1本、上り4本は柏を通過していますが、停車に変更され、『ときわ』全列車が柏に停車することになります。

東海道線特急『湘南』では東京17時30分に発車する1号(平塚行き)が新設され、品川と大船(JT-07)から平塚までの各駅に停車します。平塚始発は国府津車両センターから出庫の2号で設定がありますが、逆の平塚行きは初めてと思われます。到着後は回送になるでしょうか。また臨時列車として設定されている現行の17号(6087M列車・小2412←東2300)、改正後は19号になる列車ですが、小田原(JT-16)行きから平塚行き(平2453←東2300)に短縮変更となりますのでご注意ください(普通列車として東京始発小田原行きがまだあります)。

中央線特急『あずさ』・『かいじ』では午前中に新宿行きとなっている竜王(CO-44)始発の『かいじ2号』(3102M列車・竜0658→宿0842)と『あずさ16号』(16M列車・松0910→宿1153)は東京行きに変更し(新宿~東京間の途中停車駅はなし)、午前中に新宿に到着の特急列車はすべて東京行きとなり、新幹線などに乗り継ぎができるようになります。折り返しは少なくとも新宿まで回送と思われます。

このほか、東武鉄道伊勢崎線・日光線直通の特急列車では253系1000番台(宮オオ)で運転されている東武日光(TN-25)行き『日光1号』を東武鉄道100系による『スペーシア日光1号』として利用しやすい時刻で運転します(日1130←宿0934)。充当車両も変更となり、6号車はグリーン車にあたる個室となります。なお改正後の東武鉄道直通定期特急列車は2往復だけですが(100系1往復、253系1000番台1往復)、臨時運転では3往復追加され、時期によっては最大5往復の運転となります。

【在来線普通列車】
▲東海道線では1989年から約34年間設定されていた快速アクティー(現行ダイヤで3751M列車3753M列車)が消滅する。前者は上野始発の上野東京ライン普通列車に変更、後者は運転取りやめとなるためだ。設定当初から上野東京ライン開業前まで東京発着、上野東京ライン開業後から2021年3月までは東海道線~宇都宮線線内(主に小金井・宇都宮)発着列車が設定されていた。宇都宮線快速ラビットや高崎線快速アーバンよりも先に消滅とは衝撃だ。
▲常磐線水戸~いわき間(日中時間帯を中心)と青梅線青梅(JC-62)~奥多摩(JC-74)間で車掌が乗務しないワンマン運転が開始される。常磐線はE531系0番台・3000番台付属編成単独でワンマン運転に対応した編成で運転される列車、青梅線はE233系0番台P編成(元青400番編成からワンマン運転対応にした車両)で運転される列車が対象だ。常磐線はワンマン運転導入で勝田以北と友部以南の区間を1本の列車で直通する普通列車が激減する。
▲中央線・青梅線を直通する土曜休日の『ホリデー快速おくたま・あきがわ』(E233系0番台H編成で運転)は運転形態の変更(青梅以西のワンマン運転導入)、新宿からの『おくたま』は青梅行き(ただし臨時運転で定期運転の『おくたま』に接続の青梅~奥多摩間の『おくたま』の設定ができる)になり、武蔵五日市(JC-86)行き『あきがわ』は運転取りやめに。このため東京・新宿~青梅間は『おくたま』のみの10両編成となり、固定編成のT編成も充当が可能に?

在来線では首都圏路線で新型コロナウィルスの影響による利用状況に合わせて平日朝の通勤ラッシュ時間帯を中心に運転本数が一部削減されるほか、運転間隔変更や一部終電繰り上げのほかに運転区間短縮による乗り継ぎの増加などが挙げられます。

東海道線では東京発小田原行きで運転されている快速アクティーが消滅します。最初の1本は上野始発の上野東京ライン普通列車に置き換わり、1本は運転取りやめとなり、1989年から設定されていた東海道線の快速列車の約34年間の歴史に幕を下ろします(東海道線内を通過運転するのは湘南新宿ライン特別快速のみ)。高崎線では高崎以南から高崎を跨ぐ両毛線直通列車(前橋発着列車)が激減しE231系1000番台・E233系3000番台基本編成の前橋乗り入れが消滅します(ただし高崎車両センター出入庫の関係による回送列車や新前橋発着列車は残る可能性がある)。高崎から先の上越線・両毛線区間は211系1000番台・3000番台による普通列車で補填されます。

常磐線では水戸~いわき間で日中時間帯を中心にE531系0番台・3000番台付属編成単独での充当列車に限りワンマン運転が導入されます(特急列車以外では車外メロディが流れます)。これにより友部以南~勝田以北の区間を1本で結ぶ普通列車が消滅します。そのため普通列車は水戸および勝田でほぼ分断され、水戸または勝田での乗り継ぎが増えます。また初電・終電あたりの運転本数の削減と運転区間短縮が実施されるほか(水戸発の下り・いわき発の上りともに終電繰り上げ)、上野発着列車系統では夜1本の上野行き列車の行先延長(品川行きに変更)、品川~土浦間を運転する列車で10両編成から15両編成への増強が実施されます。E531系0番台のグリーン車付き編成の乗り入れがさらに減ることになりそうです。

中央線・青梅線・五日市線では青梅~奥多摩間で車掌が乗務しないワンマン運転が開始されます(車外メロディが流れます)。このため青梅を跨ぐ列車(現行ダイヤで残る奥多摩発立川(JC-19)行き、奥多摩発東京行きなど)が消滅、青梅で運転系統が完全に分断されます。このために土曜休日にE233系0番台H編成を使用して東京・新宿~武蔵五日市・奥多摩間(東京~新宿間は上りのみ)で運転されている『ホリデー快速おくたま・あきがわ』についてはグリーン車導入で存続が気になるところですが、今回の改正では『あきがわ』は運転を取りやめて『おくたま』のみとなり、青梅発着になります。ただし臨時運転ではE233系0番台P編成を使用して青梅で同一ホームにて接続する『おくたま』が青梅~奥多摩間で設定されるダイヤが組まれ、多客期に運転されるようにします。また青梅と河辺(JC-60)では新ホーム(青梅3番線・4番線、河辺の新1番線(?))の使用が開始され、青梅の4番線は奥多摩寄りに車止めが設置されるため、立川・東京方面のみとなります。日中時間帯を中心に中央線直通列車が増えるほか、五日市線は拝島(JC-55)で折り返す列車の一部を立川まで延長し、直通運転を少し増やします。なお土曜休日の一部列車は青梅発着となる『おくたま』と乗り継ぎできる列車になりますね。

京葉線では新習志野(JE-12)~海浜幕張(JE-13)の間に新駅『幕張豊砂』が開業し、京葉線の各駅停車のみと武蔵野線直通列車が停車します(快速・通勤快速は通過)。駅番号の処遇が注目されますが、海浜幕張から千葉みなと(JE-16)までの各駅で1つずつずれるものと思われます。また西船橋(JE-10)発着の京葉線列車が増加するほか、西船橋発の東京(JE-01)行きなどE233系5000番台などで運用される西船橋発着列車がさらに増えることとなりそうです。また武蔵野線では一部列車の行先延長などが実施され、南船橋(JE-11)行きから海浜幕張行きに延長される列車が朝に存在します。朝ラッシュ時間帯の西船橋発の武蔵野線列車は海浜幕張行きが多く、一部は西船橋で同駅始発の東京行きに接続となります。また京葉線快速列車の一部を各駅停車に変更し本数を見直すことで、上りの快速列車の運転時間帯が短くなります。

成田線で直通運転を行う総武快速線の運転本数見直しにより、1時間2本運転されている成田空港第1ターミナル(JO-37)発着の快速列車(E217系・E235系1000番台充当列車)が毎時1本に削減されることから、代替として千葉(JO-28)~成田空港第1ターミナル間を結ぶ209系2000・2100番台8両編成による普通列車を3往復設定しますが、夜間帯の千葉~成田(JO-35)間の普通列車1往復が削減されます。総武本線や内房線では運転区間の短縮および終電の繰り上げが実施され、総武本線では松尾・横芝、内房線では九重・千倉の各駅での終電を繰り上げます。ただし内房線では利便性が損なわれないように、千倉行き最終列車の1本前の千倉行きから行先を館山へ短縮した列車から木更津始発の千倉行き最終列車に乗り継ぎできるようにします。

それ以外では田沢湖線の新駅として盛岡~大釜間に『前潟』が開業します。伊東線では伊豆急行8000系で運転されている列車の一部を伊豆急行3000系(4両固定編成・元209系2000・2100番台)での運転に変更します。伊東線に定期的に乗り入れるようにするみたいですね。

これ以外にも運転本数の見直しや運転区間の短縮となる列車がありますので、各最寄路線の支社別の発表も確認しておきましょう。