2020年9月3日、小田急電鉄大野総合車両所の1000形に動きがありました。まず1055Fのうちクハ1155が切り離され動向が注目されていることは元1081Fの6両の廃車除籍処分と付随車2両の残留などの動きから予想がついていましたが、まさかのもう1編成の同形式にまさかの展開が待ち受けていました。
▲1000形1055Fはクハ1155のみ空調装置や行先表示器などが撤去された。ということは予想通り同編成のクハ1155以外の3両と元サハ1181・元サハ1381で何らかの動きをしていることは予想がつく。これでクハ1155の廃車除籍処分は確定した。
▲1055Fはクハ1155が廃車除籍処分となるが、その前の1054Fはなんと全車両の空調装置が撤去されていた。こうなると1054Fは4両とも廃車除籍処分に。
1055Fの動きについては元1081Fの制御車・中間電動車6両の廃車除籍処分と付随車2両の残留に関連して10両固定編成化工事(新1097Fへの改造)を行っているとの予想は想定通りですが、今度はなんと1054Fは4両とも空調装置、パンタグラフ、行先方向幕が撤去されており、こちらは4両とも廃車除籍処分になるものと思われます。小田急電鉄では1000形は当初ワイドドア車6編成36両以外の全編成にリニューアル更新工事を施工することとなっていましたが、リニューアル更新工事を一部の4両固定編成と10両固定編成に限定して実施し、改造費用をできる限り抑えるためか、1000形の一部編成を5000形で代替することとなった可能性があります。
というのも既存車両の1000形のリニューアルにはかなりの改造費用がかかっているものとみられ、新型車両の5000形を新製した方が安上がりになるのではと判断した可能性もあります。元1081Fの6両だけでなく1055Fのクハ1155と1054Fが廃車除籍になりそうということで、1000形のリニューアル計画は元1081Fが廃車除籍処分となった時点で変更された可能性が高いとみていいかもしれません。こうなると1000形の廃車除籍は5両を含めるとこの時点で合計11両になりそうです。
これまでの1000形4両固定編成の動きを見ていると、10両固定編成に改造された一部車両を除き、1057F以降の編成がリニューアル更新工事、それ以前の編成が解体を含めた廃車除籍処分になるのではないか…と予想しています。同形式4両固定編成のリニューアル更新工事は主に1057F以降でこれまでに1057F・1063F・1064F・1065F・1066F・1067F・1069Fに施工されており、レーティッシュカラーの4編成と1062F・1068Fには施工されていません。なお1057F以前の編成は1051F・1053Fを残すのみとなっており、元1052Fは現在の1096Fの7号車~10号車、元1056Fは現在の1095Fの7号車~10号車に改造されたほか、元1055Fは10両固定編成化工事のためクハ1155のみ廃車、1054Fは全車廃車除籍になるということで、1057Fを境にリニューアルされる予定・された編成と廃車除籍処分になる編成(元1052Fと元1056Fを除く)を分けることができそうですね。すなわち1051Fと1053Fは今後廃車除籍処分、1062Fと1068Fは10両固定編成で唯一の未更新の1092Fとともにリニューアル更新工事施工になるか…という流れが予想できそうです。ただ1051Fに関しては4両固定編成で唯一クヤ31形と連結する電源供給対応車(それ以外はワイドドア車の1751F・1752Fのみ)ですから、そこをどうするかに懸かってくると思います。
こうなると6両固定編成で残っている1251F・1253F・1254F・1255Fの各編成の動向が注目されるところですが、元1055Fの動きから1255Fはクハ1255を廃車除籍としたうえで10両固定編成化工事に入ることが予想されますが、正直に言ってそれ以外の3編成の動きが読めません。いまだに6両固定編成のままリニューアルされた編成はいません(一般列車における分割併合作業がなくなったため、6両固定編成のままリニューアル更新工事ということも考えにくい)し、レーティッシュカラーの1059Fと組んでいた1254Fに至ってはある意味相方の1054Fを失うということですから、中間車改造して10両固定編成化工事というのもありません。未更新のまま残っている編成が一体どんな運命を辿るのか注視していきたいところですね。