2020年9月27日、小田急電鉄ロマンスカー“HiSE”10000形10001Fの上り方先頭車11号車のデハ10001が大野総合車両所で車体洗浄作業などの整備を経て、4両固定編成の1000形1068Fが押す形で海老名検車区に回送され、28日に搬入準備ののち、29日にロマンスカーミュージアムへと搬入されました。
▲2012年3月に初代5000形(4両固定編成・6両固定編成)とロマンスカー”RSE”20000形とともに引退して約8年が経つロマンスカー”HiSE”10000形のデハ10001、ついに歴代車種が待つロマンスカーミュージアムに収容された。
▲後ろから押す形で保存車両のデハ10001を海老名検車区に導いた1000形1068F。これは先に搬入されたロマンスカー”LSE”7000形7003Fのデハ7003と同じく連結面に連接台車がある関係で、牽引での輸送ができないためである。
今回輸送されたロマンスカー“HiSE”10000形のデハ10001は10001Fの新宿(OH01)寄りの展望座席のある先頭車であり、同編成は2012年3月ダイヤ改正前日まで運用されました。最盛期は4編成(44両)が在籍し、うち2編成(元10021Fと元10061F)が2005年にデビューした“VSE”50000形に置き換えられ、長野電鉄1000系として譲渡・運用されており、4両編成に短縮されているものの現役時代さながらの姿を見ることができます。なお私はたまたま9月28日に会社に出勤するタイミングがあり、相模鉄道から東日本旅客鉄道埼京線への直通列車を待っている合間に見れたのでキャッチしました。これで現在もロマンスカーミュージアムに搬入されていない形式はロマンスカーでは”NSE”3100形と“RSE”20000形になるでしょうか。
2020年9月28日、東武鉄道東上線の森林公園検修区から伊勢崎線系統の南栗橋車両管区に転属した50000系51008Fが営業運転を開始しました。また乗り入れ路線となる東京地下鉄半蔵門線および東急電鉄田園都市線でも運用を開始しました。
▲50000系51008Fが伊勢崎線系統でついに始動。東上線と伊勢崎線を両方走った同系列は過去にいないため、この編成が初めてのこととなる。転属前は東上線池袋(TJ-01)発着列車での運用だったため、同系列の純粋な0番台で初めての地下鉄乗り入れが実現した。
この編成は長らく伊勢崎線系統で運用されていた30000系31606F+31406Fと入れ替わるように森林公園検修区から転属しており、東上線で使用されていた同系列の純粋な0番台が転属してくるのは異例です。新製当初から南栗橋車両管区に配置された50000・50050系に混ざって運用される51008Fも見てみたいですね。初日は平日66T運用から入りました。いきなり同系列の運用範囲の終端(南栗橋[TN-03]・久喜[TI-02])から終端(中央林間[DT-27])まで運用されたことになります。
2020年9月26日、東日本旅客鉄道松戸車両センター所属のE231系0番台の東マト119編成(クハE231-21以下10両)が運用復帰しました。この際に10両すべてのドアエンジンが交換されています。
▲E231系0番台東マト118編成(クハE231-20以下10両)が付随車2両を抜き取り武蔵野線に転用される可能性が高いなか、東マト119編成はなんと残留の形に。この編成はすべてのドアエンジンを交換しているため、今後も常磐快速線・成田線での運用が濃厚だ。
この編成は2015年3月の上野東京ライン開業に伴って常磐快速線の増発(成田線直通列車を含む)に伴い、E235系0番台に置き換えられる前に三鷹車両センターへ転入したE231系500番台に置き換えられる形で、元6扉車(サハE230-21)を元八ミツB22編成の付随車1両(サハE231-66)に置き換えて組成し、1号車から10号車へと変更されたクハE231-21には付属5両編成との増解結を考慮して電気連結器が設置されました。先頭部分の周囲は白色に変更されたほか、ホーム検知装置、ドアエンジン、車内1段LED式案内表示器は存置されていましたが、制御装置が更新され、ドアエンジンは全車両が交換された形になりました。武蔵野線へ転用となる『118』が欠番となったものの、少なくとも三鷹車両センターからの転用車両が残ってくれたのはありがたいことです。
2020年9月24日、西武鉄道が2020年度鉄道事業設備投資計画を発表しました。今年度の投資額は約198億円となります。【車両面】【設備面】で見ていきます。
【車両面】
▲40000系の増備はオールロングシート仕様の50番台2編成(20両)の導入となる。すでに40153Fが川崎重工業兵庫工場を新製出場しているため、あとは40154Fの出場を待つのみとなっている。なお同系列の配置は在籍する全9編成が小手指車両基地となっており、次の40154Fが登場すると在籍両数は10編成100両となる。
車両面ではロングシート仕様の40000系が2編成増備され、既に登場した40153Fのほかに40154Fが登場する予定です。これらの編成は新宿線・池袋線の一般優等種別のほか、東京地下鉄有楽町線および副都心線直通列車としても運用され、『Fライナー』にも充当される可能性があります。仕様は先に登場した40151F・40152Fと同じものとみられます。この事業計画には触れられていませんでしたが、9000系の一部編成(レジェンドブルー塗装の9108Fも含む)が10両固定編成から4両固定編成に短縮されていることから、ワンマン運転対応の同系列投入に向けた動きが進むものとみられます。また廃車除籍となった10000系10102F(元小手指車両基地所属)と10106F(元南入曽車両基地所属)の一部車両(4両)が譲渡されるという噂もあるようですが、真偽は相変わらず不明です。
【設備面】
▲写真は2017年当時の高架化工事前の東村山(SS-21,SK-05)。現在でも同駅で高架化工事が進められている。同駅が高架化されると同駅周辺の5箇所の踏切が除却される。
▲新宿線と池袋線が交わる所沢(SI-17,SS-22)の東口の様子(2018年撮影)。同駅では商業施設の『グランエミオ所沢』が開業。南改札が設置され、待合広場の『とことこひろば』の設備がある。同駅のほかにもた池袋線のひばりヶ丘(SI-13)・多摩川線多磨(SW-03)での駅改良工事が引き続き予定されている。
設備面ではホームドア設置が進められており、すでに池袋線の池袋(SI-01)の1番ホーム・7番ホームと特急用ホーム以外のホーム、練馬(SI-06)に設置されています。今年度は既に稼働を開始している新宿線の西武新宿(SS-01)、高田馬場(SS-02)3番ホーム(のちに降車側のホームとなっている4番ホームと5番ホームにも設置予定)、そして所沢と国分寺(SK-01,ST-01)の各駅に設置を予定しています。さらに新宿線の中井(SS-04)~野方(SS-07)間および東村山付近の連続立体交差事業を進めるほか、野方~井荻(SS-11)間と井荻~西武柳沢(SS-16)間の連続立体交差事業に向けた準備が進められます。このほか、法面改良の工事が吾野(SI-30)~西吾野(SI-31)間、落石防護設備の設置が芦ヶ久保(SI-34)~横瀬(SI-35)間でそれぞれ実施されるほか、駅照明のLED化は池袋線の元加治(SI-25)、新宿線の鷺ノ宮(SS-09)、田無(SS-17)、花小金井(SS-18)で予定されています。
2020年9月24日、小田急電鉄ロマンスカー“GSE”70000形70052Fのブルーリボン受賞記念のヘッドマークが撤去されています。この形式は70051Fが前回初めて重要部検査を通しているため、70052Fのヘッドマーク撤去は検査入場に向けたものと思われます。
▲ロマンスカー“GSE”70000形70052Fからブルーリボンのヘッドマークが消えた。同編成も70051Fに続いて初めて重要部検査を通すものとみられる。
このブルーリボン受賞記念ヘッドマークは受賞した昨年10月23日から掲出されましたが、70052Fは70051Fのあとにグッドデザイン賞金賞のものから変更されたため、ブルーリボンの掲出期間が短いことになります。この編成は大野総合車両所に近く入場するものと思われ、そのあいだは“GSE”1編成(70051Fのみ)、“VSE”2編成(50001F・50002F)の3編成体制となり、土曜休日は予備編成を用いて1運用(土曜休日N33運用・土曜休日N34運用のいずれか)が“EXE/EXEα”30000形6両編成または“MSE”60000形6両編成での代走になりそうです。
2020年9月18日に、相模鉄道11000系11003F(7代目そうにゃんトレイン)がかしわ台車両センターでの重要部検査を受けて出場し試運転を実施しました。公式HPでは同編成は9月25日の1024レ(平日47運用)から営業運転に復帰する予定です。
▲11000系11003Fが7代目そうにゃんトレインのラッピングの状態で検査を通した。9月25日の1024レ(平日47運用)から営業運転に復帰する予定となっている。
この編成は6代目そうにゃんトレインの11004Fから引き継ぐ形でLINEスタンプをモチーフとした7代目そうにゃんトレインとなり、運用を開始しましたが、途中で検査時期にあたることから運用を離脱し、検査入場していたものとみられます。このラッピング電車は毎年約1年間の運転されていて、運用は公式HPで公表されていることから基本的に狙うことは容易です。大和(SO-14)や湘南台(SO-37)などホームドア設置準備工事が進められている駅がありますので、両駅で狙う際には今後注意が必要です。
2020年9月19日時点で小田急電鉄大野総合車両所にて検査を通した3000形3255F(旧東急車輛製造2次車)ですが、前面部・側面部の帯がロイヤルブルーからインペリアルブルーに変更されている様子が確認されました。
▲3000形1次車・2次車で唯一ロイヤルブルー帯を保っていた3255F。今回の検査施工で帯がロイヤルブルーからインペリアルブルーに変更された。これで同形式1次車に続き2次車からロイヤルブルー帯の編成が消滅したことになる。
これにより3000形2次車でロイヤルブルー帯を巻く編成は完全消滅したことになります。この結果、3000形6両固定編成の1次車・2次車の全12編成(72両)がインペリアルブルー帯となったほか、同形式3次車以降の6両固定編成では3267F(旧東急車輛製造4次車)・3275F(日本車両製造6次車)・3276F・3277F(いずれも日本車両製造7次車)の4編成(24両)、10両固定編成では3081F・3082F・3083F・3084F・3085F・3086F・3087Fの7編成(70両)がインペリアルブルー帯となっています。なお8両固定編成については10両固定編成へ改造される前にインペリアルブルー帯となった編成がいましたが、その編成もすでに改造済みのため、現存する8編成のなかでは1編成もインペリアルブルー帯になっていません。6両固定編成から改造の10両固定編成(3091F・3092F・3093F・3094F・3095F)でもインペリアルブルー帯を巻く編成はいませんね。
今後はロイヤルブルーを保持し続けている6両固定編成、8両固定編成、10両固定編成へのインペリアルブルー帯への変更の有無が気になるところです。ちなみに同形式への搭載が進められている『小田急TV』の未対応編成は8両固定編成の3654Fと、10両固定編成の3091F・3092F・3093F・3094F・3095Fのみとなっていますので、これらの編成についてはその対応工事と帯変更を兼ねる可能性もあり得そうです。
2020年9月19日は小田急電鉄小田原線を撮影。今回は海老名(OH32)にて。
5000形5051F。1266レ(土曜休日E64運用)。徐々に見かける機会が増えた5000形ですが、よく見ると種別行先案内表示器の文字サイズが変わっていました。最初に投入された5051Fと5052Fでは文字のサイズが小さめだったのか、5053Fから種別行先表示器の文字サイズが変更されました。そして5052Fの種別行先案内表示器の文字が大きく見やすいように改良されました。さらには5051Fでも同様に改良されたものとみられます。
種別行先表示器の様子を収めました。左側の種別表示にご注目。ここでは『急行』表示となっていますが、その英語表記の“Express”が見やすくなりました。
ここで比較用に、8月上旬にレーティッシュカラーの1000形1059Fが1254Fと組んで運用されている様子を狙いに行ったとき、各駅停車運用の5000形5052Fに乗車しましたが、その当時の種別行先表示器をご覧ください。さらに別の機会で5052Fに遭遇し、その時は快速急行で乗った時の表示も併せてご覧ください。このときは左側の種別表示の英語表記が小さいときですので、これはこれで貴重な記録になりました。まさか文字サイズが変更される前の姿が貴重なものになったとは…。
さらには初めて5000形を新百合ヶ丘(OH23)で、営業列車を本厚木(OH34)でキャッチしたときの写真をそれぞれご覧ください。このときは『試運転』表示のほか種別も行先も文字サイズが小さめでしたね。
まさかの文字サイズが大きくなった同形式に遭遇しましたが、新製当初から文字サイズが大きい5053Fではなく文字サイズが変更されたあとの5051Fであることをご容赦ください…。
2020年9月19日、私は外出先のついでに相模鉄道本線へ。
9000系9706F。1038レ(土曜休日65運用)。まずは三ツ境(SO-12)にて。
8000系8706F。6037レ(土曜休日52運用)。下りでは動向に注意が必要な8000系に乗車、大和(SO-14)でその姿をキャッチ。このまま海老名(SO-18)へ。
海老名では乗り換え通路の変更前ということで、新たに乗り換え通路となる場所を収めてきました。まずは新たに設置されたエレベーター。フジテック製となっています。
階段は十数段のものが設けられています。ということは9月27日以降はここを通って乗り換える必要がありますね。
今回工事する部分はこの駅事務所や移設前の改札口(写真の緑色の部分は自動改札機が撤去されたあと)、自動券売機、トイレがあった場所(写真右上付近)です。
さらに定期券売り場のあった場所(左側)やSOTETSU GOODS STORE跡地(右側)も工事対象に入るものと思われます。ここを封鎖する形になりますので、乗り換えの際には迂回が必要になってきます。見納めとなる前に見られてよかったです。
先の記事でもご紹介しましたが、9月27日以降は乗り換え通路の変更にご注意ください。また東口自由通路の相模鉄道の改札口に近いエスカレーターが上下用から上りのみの専用となるのでこちらもご注意いただければと思います。
2020年9月17日、小田急電鉄1000形で初めて編成単位での廃車除籍となった1054F(クハ1054+デハ1004+デハ1104+クハ1154)のうち上り方2両のクハ1054とデハ1004が車体を分割されたうえで大野総合車両所から北館林荷扱所まで陸送されました。

▲編成単位で初めて廃車除籍となった1000形1054Fが旅立った。元1081Fの6両が廃車となった時点で同形式の一部の編成を5000形の新製投入で代替し、改造費用を抑える方向性にしたか。こうなるとワイドドア車以外の1000形も油断できないだろう。
この陸送は北館林荷扱所での解体処分のためと思われます。最初に廃車となった元1081Fでは付随車を除き2両分ずつを3回(クハ1081・デハ1031、デハ1131・デハ1331、デハ1431・クハ1481)に分けて北館林荷扱所へと陸送されたため、今回の1054Fでも元1081Fと同様に2両分ずつを2回(クハ1054・デハ1004、デハ1104・クハ1154)に分けたうえで陸送する形になったものと思われます。陸送前には制御装置など床下機器の撤去が行われました。これで1000形の廃車は1054Fで合計11両となり、全体の在籍両数は185両(最盛期196両)となりました。
【小田急電鉄1000形の在籍状況】
※2020年9月15日現在 合計185両/全体196両(改造中を含む)
※青色…リニューアル車、赤色…レーティッシュ(リニューアルされていません)
*4両固定編成…15編成(60両、リニューアル28両、レーティッシュ16両)
内訳…1051F・1053F・1057F・1058F・1059F・1060F・1061F・1062F・1063F・1064F・1065F・1066F・1067F・1068F・1069F
*6両固定編成…10編成(60両、ワイドドア36両)
内訳…1251F・1253F・1254F・1255F・1751F・1752F・1753F・1754F・1755F・1756F
*10両固定編成…6編成(60両、リニューアル50両、大規模改造20両)
内訳…1091F・1092F・1093F・1094F・1095F・1096F
※1095Fの種車は元1056F+元1256F、1096Fの種車は元1052F+元1252F。
*改造中…5両(10両固定編成改造およびリニューアルを予定)
内訳…元クハ1055・元デハ1005・元デハ1105・元サハ1181・元サハ1381
*廃車確定済…11両
内訳…1054F(クハ1054・デハ1004・デハ1104・クハ1154)・元クハ1155・元クハ1081・元デハ1031・元デハ1131・元デハ1331・元デハ1431・元クハ1481
2020年9月14日より、日立製作所笠戸事業所で製造された20000系20103F(10両固定編成)の甲種輸送がかしわ台車両センターまで行われています。相模貨物ターミナルまでは牽引機はEF210形3号機が担当しているようです。
▲20000系20101Fから仕様が大きく変更された20102F。今年度分は全6編成が日立製作所笠戸事業所で製造され、そのうちの2編成目(合計3編成目)である。
20000系はこの編成の登場で3編成目(合計30両)となりました。前回登場した20102Fと同じ仕様(車内LCD式旅客案内表示器の2画面化、広告用画面の配置変更、3人掛け一般座席へのユニバーサルデザインシート採用、ユニバーサルデザインシートへの荷物棚設置、貫通路連結部分の扉の取っ手の色変更など)が取り入れられているものと考えられます。相模貨物ターミナルで5両ずつに分割され、数日間に分けてかしわ台車両センターに搬入ということになります。この系列の追加投入により残り2編成のみとなった7000系(7751F・7754F)を置き換えていきそうですね。8000系でも制御装置未更新車の8702Fが編成単位で廃車除籍となっているため、制御装置が更新されていない8706Fまでの初期5編成の動向が注目されることになりそうです。