2023年2月27日、相模鉄道が同年3月18日実施のダイヤ改正の概要を改めて発表しました。このダイヤ改正では東急電鉄との相互直通運転が開始されるほか、朝夕夜に運転されていた急行が廃止となるなど、再び大きな変化が確認できます。なお列車番号が記載された時刻表はすでに公表されていますので、運用調査などの参考資料としてご活用ください。
▲東急電鉄に直通する20000系列。同系列の固定運用には“G”の付く列車番号が充てられ、東横線には10両固定編成、目黒線には8両固定編成が直通する。ただしこの系列が東武鉄道東上線に直通することは基本的にない(接続駅の和光市(TJ-11,F-01,Y-01)には入線する)。
▲相模鉄道本線・いずみ野線に直通する東急電鉄5000・5050系4000番台。いずみ野線直通列車ではいずみ野線内を通過運転する特急(平日朝に通勤特急)で運転されるものがある。
▲相模鉄道新横浜線を介して相鉄本線に直通する3000系と5000・5080系。通常いずみ野線には直通しないが、試運転では入線を果たしている。
今回のダイヤ改正では主に3つのポイントが挙げられます。1つ目は以前述べた通りですが、新横浜線羽沢横浜国大(SO-51)~新横浜(SO-52,SH-01)間が開業し、全線開業する東急電鉄新横浜線を介して、東横線・目黒線との相互直通運転が開始されます。東横線側ではさらに東京地下鉄副都心線、東武鉄道東上線に直通するほか(東急電鉄保有車両のみ)、目黒線側ではさらに東京地下鉄南北線・埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線(日中時間帯を除く)、東京都交通局三田線に直通します。2つ目は東日本旅客鉄道埼京線直通列車では一部の特急を各駅停車に変更し特急通過駅からの利便性向上を図ります。3つ目は東急電鉄との相互直通運転の開始に伴う本線横浜(SO-01)発着列車の変化です。列車種別の整理と本線特急といずみ野線快速の運転時間拡大による利便性向上が挙げられます。それでは詳しく見ていきます。
早朝の新横浜線を利用すると、新横浜から6時台の東海旅客鉄道東海道新幹線(新横浜始発のひかり533号広島行きや新横浜始発の臨時のぞみ491号新大阪行きなど)に乗り継ぎが可能になります。なおひかり533号は3月18日以降は途中の小田原で約3分間停車し、臨時のぞみ491号の通過待ちを行う場合がありますが、新幹線への乗り継ぎにより各地への移動が非常に便利になりますね。さらに東急電鉄との相互直通運転により、各観光地、スポーツ観戦やコンサートなどのイベント参加などへのお出かけにも非常に便利になります。
東急電鉄直通列車の設定により早朝深夜に12000系および東日本旅客鉄道E233系7000番台で運転されていた西谷(SO-08)~羽沢横浜国大間の各駅停車が消滅、海老名(SO-18)発では朝の時間帯に目黒線直通列車が設定されるため、同駅発では東日本旅客鉄道埼京線直通列車を含めて10両編成で運転されていた列車に、8両編成の目黒線直通列車が加わることになります。気になる平日朝ラッシュ時間帯の女性専用車の扱いですが、東横線直通列車のみ編成の横浜寄り(東横線内では渋谷(TY-01,F-16)寄り)の1号車が女性専用車となり、本線横浜発着列車と東日本旅客鉄道埼京線直通列車は変化なしで引き続き編成の海老名寄りの10号車が女性専用車となります。東横線直通列車、埼京線直通列車および本線横浜発着列車で女性専用車の位置が異なるという現象が起きましたね。なお目黒線直通列車では直通運転先路線の女性専用車の設定自体がないため、女性専用車の設定はありません。
東日本旅客鉄道埼京線直通列車では平日の朝の海老名発の上り2本が特急から各駅停車に変更され、出発時刻が繰り上がるほか、上り2本(1本は特急、1本は各駅停車)の行先短縮、日中時間帯以降の一部の特急を各駅停車に変更し、特急通過駅からの利便性を向上します。土曜休日では上り5本、下り8本が特急から各駅停車に変更されますが、行先に変更はありません。なお大崎(JA-08,JS-17)では一部を除き、7番線発の東京臨海高速鉄道りんかい線に乗り継ぎができるようになります(埼京線直通列車は8番線を発着するため)。
東急電鉄直通列車の登場で列車利用が本線から新横浜線に移行すると予想されるため、本線横浜発着列車の本数調整や区間列車の設定が行われます。平日朝夕の横浜方面で多少の減便がありますが、日中時間帯や土曜休日は(東急電鉄直通列車を除き)本数変化はありません。列車種別については横浜~二俣川(SO-10)間ノンストップの急行を廃止して、特急・快速・各駅停車での運転とし、平日の朝ラッシュ時間帯に通勤急行(本線・いずみ野線)・通勤特急(いずみ野線)を追加で運転する形態となります。これによって星川(SO-05)(快速が停車)、西谷(急行の廃止)、鶴ヶ峰(SO-09)(快速・通勤急行・通勤特急が停車)の各駅で停車本数が増加するほか、本線の特急といずみ野線の快速の運転時間が拡大されます。消滅する急行の代替として、平日朝は通勤急行、それ以外は特急や快速が中心となります。横浜発着の各駅停車は新たに西谷発着の列車(西谷で新横浜線からの列車に乗り継ぎ可能)が新規設定されるほか、また一部列車の初電の時刻が繰り上がります。西谷発着列車の設定によって乗り継ぎ回数が現行ダイヤよりも増えますが、乗り継ぎによって目的地には早く到着する場合もあるので、列車番号付きの時刻表などでしっかり確認するといいと思います。また二俣川での接続列車がない場合もある(二俣川ではなく西谷での接続があり得る)ので、気を付けてください。
なお新横浜発の新横浜線初電車は5時18分発(平日36K運用・土曜休日09K運用)で、目黒線奥沢(MG-07)始発列車となっています。横浜発の本線初電車は5時21分発の海老名行き(平日運転、69運用)・湘南台(SO-37)行き(土曜休日運転、69運用)となっていて、土曜休日は二俣川で目黒線からの直通列車に乗り継ぐ必要があります。
なお車両のフルカラーLED式種別行先案内表示器の表示方法ですが、上り海老名・湘南台→西谷→新横浜では東日本旅客鉄道埼京線直通列車は従来通りの緑色で各駅停車・特急と表示しますが、東急電鉄直通列車では東横線と目黒線があるため、東横線直通列車は桃色で各駅停車・特急、目黒線直通列車は水色で各駅停車・特急と表示します。下り列車は新横浜から相模鉄道本線・いずみ野線と同じ列車種別の色で表示します。