2021年12月より小田急電鉄大野総合車両所に3000形3265F(日本車両製造3次車・6両固定編成)が同形式初のリニューアル更新工事施工のため入場、2022年には3266F(日本車両製造3次車・6両固定編成)と3268F(旧東急車輛製造4次車・6両固定編成)が入場し、このうち3266Fはすでに一部リニューアル更新後の姿を見せています。
▲3000形のリニューアル車となった3265Fと3266F。最初に施工された3265Fは旅客用扉が交換されており、外観上では外側から開けるための旅客用扉の取っ手の窪みが1つになっているが、3266Fは工期短縮のためか旅客用扉が未交換で、外観上では取っ手の窪みが2つのままである。入場中の3268Fも同様になるのだろうか。
▲リニューアル更新工事前は他形式との併結を考慮してブレーキ読替機能を持つ2段連結器が設置されていたが、リニューアル更新工事後は撤去され、完全な6両固定編成に。制御装置は2代目5000形と類似したものが搭載されている(制御装置は5000形5051Fのもの)。
このうち最初にリニューアルされた3000形3265Fが11月1日に大野総合車両所構内で初めて自走しました。完全な6両固定編成化で10両編成としての運用ができなくなったため、クハ3465に掲出されていた女性専用車ステッカーは撤去されています。制御装置の形状などから2代目5000形とほぼ同じ三菱電機製SiC素子とみられます。前照灯はリニューアルの際に交換が実施されLED化されています。前面部・側面部の種別行先案内表示器は一部情報では3色LED式からフルカラーLED式に交換されたとのことですが、これが事実ならば3000形3次車から6次車まで(元8両固定編成の5次車および6次車に組み込まれた10次車を除く)では初めてのこととなります。車内案内表示器も交換されている可能性が高そうですね。
3000形リニューアル車の登場により、1000形4両固定編成(箱根登山鉄道専任の1063F・1064F・1065Fを除く)と連結できる編成は少なくなっていきそうです。ただし8000形4両固定編成と連結する可能性のある1次車・2次車と、1000形4両固定編成と連結する可能性のある3次車以降の一部は連結器を持ったまま残ることになるとは思いますが、通勤形最古参の8000形の廃車の進行が予想されることや(実際に8055Fが休車状態であるために動向注意)、来年度の事業計画次第にもよりますが、8000形を5000形導入で少しずつ置き換え、8000形4両+3000形1次車・2次車6両や1000形リニューアル車4両+3000形3次車以降6両といった緊急の10両編成を組めるような予備車両が必要になることも考慮しなければならないため、3000形のリニューアルと8000形の廃車をどうしていくのかか今後注目されます。