2020年11月2日、京王電鉄が2020年度鉄道設備投資計画を発表しました。同年度の投資額は約225億円となります。新型コロナウィルスの影響により発表が延期されていました。車両面と設備面に分けて紹介します。
【車両面】
▲車両面では京王本線系統の8000系の8両固定編成2編成(16両)、井の頭線系統の1000系の2編成(10両)がそれぞれリニューアルされる。今年度は5000系の増備はないようだ。後者の1000系は最後まで車内未更新(車内案内表示器がLED式のまま)の2編成に施工されることで富士見ヶ丘検車区所属の1000系は全編成に車内LCD式旅客案内表示器が搭載される。
▲9000系は8編成の各先頭車の前照灯がLEDに変更される。なお『8編成16両』とあるのは前照灯のLED化の対象となる先頭車のみの両数を合わせたためである。
車両面では8000系8両固定編成2編成(16両)、1000系2編成(10両)のリニューアル更新工事が実施され、これらのリニューアル対象編成には新たなVVVFインバータ制御装置への更新のほか、車内防犯カメラの設置、自動放送装置の搭載、新たに全車両への車椅子・ベビーカーでも利用可能なフリースペースの設置を行います。8000系ではリニューアル対象の2編成に加えて10両固定編成1編成の制御装置更新を行います(こちらはGTO素子からIGBT素子へと変更)。これらのリニューアル施工が完了すると井の頭線の1000系は全編成に自動放送装置の搭載が完了することになります。一方の9000系では8編成に前照灯のLED化改造が実施されます。こうなると9000系は8両固定編成と10両固定編成に前照灯交換の動きが出てきそうです。
【設備面】
設備面では京王本線笹塚(KO-04)~仙川(KO-13)間の約7.2kmに及ぶ連続立体交差事業を推進するほか、飛田給(KO-20)へのホームドア設置が完了し、今度は井の頭線下北沢(IN-05)でホームドア設置に向けたホーム補強工事を実施します。ホームドア設置駅の新宿(KO-01)、調布(KO-18)、飛田給ではホームと列車の隙間を埋める転落防止ゴムを設置したほか、追加で新たに相模原線の京王稲田堤(KO-36)1番ホームに転落防止ゴムが設置される予定です。また踏切の防犯カメラの設置や踏切障害物検知装置の設置のほか、新宿~笹塚(KO-04)間のトンネル部などの補強工事、高尾線内での線路脇の斜面防護工事、井の頭線駒場東大前(IN-03)~池ノ上(IN-04)間への防風壁の設置、若葉台検車区および高尾線めじろ台(KO-50)への駅舎補助電源装置導入、新宿新線コンコースおよび仙川ではトイレ改修やエレベーターの設置更新などリニューアルが完了したほか、笹塚およびつつじヶ丘(KO-14)での駅舎照明のLED化が予定されています。