2020年11月9日、西武鉄道が2021年3月に実施するダイヤ改正で夜間作業の時間確保や新型コロナウィルスの影響による終電間際の利用者減少による変化を鑑みて、同社の孤立路線である多摩川線および山口線(レオライナー)を除く各路線の終電時刻の繰り上げを行うことを発表しました。関東の大手私鉄で終電時刻繰り上げを発表するのは小田急電鉄に続いて2社目となります。
▲新宿線系統の主力は2000系。少数派の6000系6101F・6102Fも運用されている。
▲池袋線系統の主力は30000系。地下鉄直通では6000系のほか40000系も運用されている。
時間帯別の利用状況をコロナ前(100%とする)と比較して見てみると、終電間際の池袋線の利用者はおよそ半分の約52%、終電間際の新宿線の利用者は約60%と半分近くも減少しています。この分を繰り上げて列車の運行時間を削減することで、その時間分を夜間作業の時間に回すことができます。西武鉄道の終電繰り上げは上下線とも約20分~30分前後を予定しており、ここでは平日・土曜休日の池袋線池袋(SI-01)・新宿線西武新宿(SS-01)発の下り列車の時刻の詳細が載っていますので見ていきましょう。
池袋線の場合、平日ダイヤで小手指(SI-19)以遠の飯能(SI-26)行き終電は池袋24時09分発の4161レ(飯2505←池2409)、保谷(SI-12)以遠の小手指行き終電は池袋24時44分発の4265レ(指2520←池2444)、保谷(SI-12)行き終電は池袋24時45分発の5755レ(保2508←池2445)でそれぞれ設定があり、5755レのみ8両編成、それ以外は10両編成での運転です。土曜休日ダイヤで小手指以遠の最終となる飯能行き終電は池袋23時52分発の4153レ(飯2448←池2350)、保谷以遠の最終となる小手指行き終電は池袋24時18分発の5241レ(指2500←池2418)、保谷行き終電は池袋24時35分発の5725レ(保2458←池2435)でそれぞれ設定があり、4153レのみ10両編成、それ以外は8両編成での運転です。飯能行き終電は現行ダイヤよりも平日で約17分、土曜休日で約12分の繰り上がりとなり、池袋24時台発の飯能行きの運転はなくなります。小手指行き終電は現行ダイヤよりも平日で約30分、土曜休日で約4分の繰り上がりとなり、平日に終電で保谷以遠の各駅へ移動する際には今後注意が必要といえます。保谷行き終電は現行ダイヤよりも平日で約27分、土曜休日で約17分の繰り上がりとなり、現行ダイヤよりも夜間作業の時間が平日は約30分、土曜休日は約20分も確保できます。
新宿線の場合、平日ダイヤで新所沢(SS-24)以遠の本川越(SS-29)行き終電は西武新宿23時58分発の4617レ(本2502←宿2358・拝島(SS-36)行き終電は小平(SS-19)で同駅24時29分発の5437レ(拝2450←小2429)に4617レから接続)、新所沢行き終電は西武新宿24時44分発の4813レ(新2528←宿2444)、上石神井(SS-13)行き終電は西武新宿24時47分発の5049レ(石2511←宿2447)でそれぞれ設定があり、5049レのみ8両編成、それ以外は10両編成での運転です。土曜休日ダイヤで新所沢以遠の本川越行き終電は西武新宿23時43分発の4603レ(本2444←宿2343・拝島行き終電は小平で同駅24時13分発の5439レ(拝2434←小2413)に4603レから接続)、新所沢行き終電は西武新宿24時07分発の5817レ(新2500←宿2407)、24時30分発の5013レ(石2452←宿2430)でそれぞれ設定があり、本川越行き終電は現行ダイヤよりも平日で約15分、土曜休日で約12分の繰り上がりとなり、新所沢行き終電は現行ダイヤよりも平日で約29分の繰り上がりに対し、土曜休日で約8分の繰り下げとなっています。上石神井行き終電は現行ダイヤよりも平日で約30分、土曜休日で約13分の繰り上がりとなります。土曜休日の新所沢行き終電だけ10分近く繰り下がっているため、上石神井以遠で新所沢までの各駅の下り終電時刻がそれぞれ繰り下がった形です。
終電は繰り上がりとなりますが、連休に近い曜日など『三密』など回避するための混雑対策として終電間際の臨時列車を増発する対応も検討されるようです。小田急電鉄と同様に終電間際の増発列車もあることを念頭に終電間際に賢く移動することも重要ですね。