2017年4月29日

小田急電鉄が2017年度事業計画を発表

2017年4月28日、小田急電鉄が2017年度事業計画の概要を発表しました。投資額は約336億円です。今回は【車両面】と【設備面】に分けてご紹介します。

【車両面】
▲今年度の新造車両は新型ロマンスカー70000形(7両2編成[14両]:愛称未定)で日本車両製造豊川製作所が製造を担当するものと思われる。こうなると最古参の『LSE』7000形7003F・7004Fは来年3月で引退となる。またロマンスカー『EXE』30000形のリニューアル更新工事が引き続き実施され、今年度は日本車両製造豊川製作所に入場中の30052F+30252Fが該当とみられる。
▲通勤形電車では引き続き1000形のリニューアル更新工事が実施される。昨年度は元6両編成と元4両編成を10両固定編成に改造するという初のケースで、1095F(元1056F+元1256F)・1096F(元1052F+元1252F)に施工されたが、今年度はすでに1064Fに施工されている。さらに3000形の中間車両が約6年ぶりに増備され、既存の8両固定編成に組み込んで10両固定編成化することを発表した。

昨年度は車両のリニューアルを中心に行われ、ロマンスカー『EXE』から『EXEα』となった30000形30051F+30251F、1000形では初のケースとなる元6両編成と元4両編成を10両固定編成に大規模改造した1095F(元1056F+元1256F)と1096F(元1052F+元1252F)が該当となりました。新造車両は4000形4066Fにとどまりました。今年度は新型ロマンスカー70000形(7両2編成[計14両]:予想は70001F・70002F)が製造されるほか、ロマンスカー『EXE』30000形のリニューアルが引き続き実施されます。前者については2編成とも日本車両製造豊川製作所にて製造されるものと思われます。後者については現時点で日本車両製造豊川製作所に入場中の30000形30052F+30252Fが対象と思われます。通勤形車両の1000形については今年度も引き続きリニューアル更新工事が実施されますが、すでにリニューアル更新工事が完了した4両編成の1064Fが3000形3264F(日本車両製造3次車)と組んで運用復帰していますので、どの編成が次のリニューアル対象となるかに注目が集まっています。また3000形の中間車両が3095F(元3279F)の4号車から7号車にあたるデハ3345・デハ3245・サハ3295・サハ3195以来で約6年ぶりに製造され既存の6両固定編成ではなく、8両固定編成に組み込んで10両固定編成化することを発表しました。なお1000形とロマンスカー『EXE』30000形のリニューアルや3000形の中間車増備における具体的な両数については一切言及がありませんでした。車両の検査時期などが関係しているものと思われます。

ここからは3000形の中間車組み込みによる10両固定編成化の予想になります。あくまで参考程度にお読みください。同形式の10両固定編成化については、4月29日時点で定期運用から離脱している3000形3665F(日本車両製造7次車)が対象になるものとみており、新たに組み込む中間車両は新2号車および新3号車にあたる車両と推測します。これは8両固定編成である3665Fの電動車と付随車の比率(MT比)や付随車に簡易運転台を備えていることによるものであり、新製当初の同形式は6両固定編成(当時の3251F~3282F)と8両固定編成(3651F~3665F)しかなく、MT比はいずれも3M3Tと4M4Tで1:1と揃えるため(2011年に9次車にあたる電動車・付随車2両ずつの4両を組み込み登場した10両固定編成[3091F~3095F]もそれに倣うため5M5T。1次車・2次車の中間車両は電動車だが、2号車『デハ3500』と4号車『デハ3300』の下り方は付随台車である)、今年度分は8両固定編成に新造車両2両を組み込み10両固定編成とするため、単独の電動車と付随車にあたる車両、すなわち新2号車と新3号車を川崎重工業兵庫工場で製造するものとみています。ちなみに新造される中間車両は既存の3665Fの車内LCD旅客案内表示器が『小田急TV』対応で2画面化されていることやVVVFインバータの全密閉モーター化が実施されていることを考慮すると、9次車をベースに一部の仕様を変更して、車内LCD旅客案内表示器を新製当初から2画面とした10次車になるものと考えられます。改造種車となる3665Fには現存する10両固定編成(つまり元3280Fの3091F、元3281Fの3092F、元3282Fの3093F、元3278Fの3094F、元3279Fの3095F)の続番となる新『3096F』が充てられるものと思われます。新たに組み込まれる中間車両は新2号車の『デハ3446』と新3号車の『サハ3396』とみられ、既存の3665Fは改番となり1号車の『クハ3965』は『クハ3496』に、2号車の『デハ3915』は新4号車の『デハ3346』、3号車の『デハ3815』は新5号車の『デハ3246』、4号車の『サハ3865』は新6号車の『サハ3296』、5号車の『サハ3765』は新7号車の『サハ3196』、6号車の『デハ3715』は新8号車の『デハ3146』、7号車の『デハ3615』は新9号車の『デハ3046』、8号車の『クハ3665』は新10号車の『クハ3096』にそれぞれなるものと思われます。こうなると同じ7次車で8両固定編成を組む3664Fの動きが注目されます。

★3000形3665Fに中間増備車2両(10次車)を組み込んだ場合  ※左側が下り方の1号車★
【現在の8両固定編成】
クハ3965+デハ3915+デハ3815+サハ3865+サハ3765+デハ3715+デハ3615+クハ3665
【10両固定編成化改造】
クハ3496+デハ3446+サハ3396+デハ3346+デハ3246+サハ3296+サハ3196+デハ3146+デハ3046+クハ3096
【改番前後の車番】
クハ3965→クハ3496    デハ3915→デハ3346    デハ3815→デハ3246    サハ3865→サハ3296
サハ3765→サハ3196    デハ3715→デハ3146    デハ3615→デハ3046    クハ3665→クハ3096

【設備面】
▲工事が進む代々木八幡(OH04:写真は車内より撮影)。双方のホームも列車とホームのあいだに隙間が大きくできるため、ホームの延伸を兼ねて島式への変更のための工事を行っている。

設備面では小田原線の東北沢(OH06)~梅ヶ丘(OH09)間の複々線化工事の推進のほか、今年度は緩行線トンネルの完成に伴い、世田谷代田(OH08)の新たな駅ホームの設置や線路・信号機などの設置を推進するほか、各駅停車の10両編成化を進めるために代々木八幡における島式ホームへの構築工事やコンコースの設置工事を行います(現在の同駅では方面別に改札が分断された形となっている)。また登戸(OH18)における上り方の出口専用改札の新設や1番ホームの工事、鶴巻温泉(OH37)におけるペデストリアンデッキの整備などの改良工事を実施します。また終着駅の新宿(OH01)、小田原(OH47)、藤沢(OE13)、片瀬江ノ島(OE16)、唐木田(OT07)の各駅で終端部の車止め付近に車両が停車しない部分に固定柵を設置します。