2017年4月10日

東京地下鉄が2017年度事業計画を発表

東京地下鉄が2017年3月下旬に2017年度事業計画を発表していたことがわかりました。投資額は約1530億円で過去最高規模の金額となります。【車両面】と【設備面】で見ていきます。

【車両面】
▲車両面では銀座線(上野検車区)向け1000系の製造・増備が終了したが、一部編成で施行されている車内LCD旅客案内表示器の3画面化を推進するほか、千代田線(綾瀬検車区)向け16000系5次車の増備と日比谷線(千住検車区)向け13000系の製造・増備は継続となるようだ。

車両面では昨年度で1000系全40編成の製造・増備が終了して01系の置き換えが完了しましたが、1000系の車内LCD旅客案内表示器を2画面から1134F以降の各編成と同じ3画面に増強するほか(ただし1134F以前の一部編成ですでに施行済み)、日比谷線では主力車両の03系を置き換えるため13000系をさらに増備して車内LCD旅客案内表示器を3画面化するほか(現在は13103Fまでが落成済み)、千代田線では6編成残る6000系を置き換えるために16000系をさらに増備して導入完了を目指します(現在は16133Fまでが落成済み)。東西線では混雑緩和のため昨年度から仕様を変更した15000系を増備して導入完了を目指します。余談ですが、1000系特別使用車両の1139Fまたは1140Fを使用したイベントの実施が計画されているようです。

【設備面】
▲ホームドアが本格設置される九段下(Z-06, T-07)の東西線ホームでは中野(T-01)方面ホームの西船橋(T-23)寄り2両分を使用してホームドアの試験が行われている。半蔵門線では押上(Z-14)方面ホームで無人のベビーカーが扉に挟まったまま発車してホーム先端に接触する事故が起きたことを受けてか、前倒しで設置することになったものと思われる。

設備面ではホームドアの設置や一部駅のホーム延伸工事・ホーム増設工事などが挙げられています。今年度は九段下を含む14駅に設置される予定です。九段下では東西線・半蔵門線の両ホームに設置されます。同駅では中野方面の2番ホームの西船橋寄り2両分を使用してホームドアの試験を行っていますが、さまざまな系列(05系、07系、15000系、東葉高速鉄道2000系、東日本旅客鉄道E231系800番台)が乗り入れる東西線でそのタイプのホームドアがそのまま導入されるのかが注目されます。銀座線では上野(G-16)の渋谷(G-01)方面の1番ホームに設置されていますが、今年度は上野の浅草(G-19)方面の2番ホームのほか、外苑前(G-03)、青山一丁目(G-04)、赤坂見附(G-05)、日本橋(G-11)、三越前(G-12)、神田(G-13)、末広町(G-14)、上野広小路(G-15)、稲荷町(G-17)、田原町(G-18)、浅草の各駅に設置されます。銀座線ではすでに1000系に統一されているため、ホームドアは2018年度までに渋谷および新橋(G-08)を除く全駅に設置を完了する予定としています。東西線・半蔵門線では九段下から設置を始め、2019年度までに東西線は先行6駅、半蔵門線は先行7駅(いずれも身体の不自由な乗客が多い駅を考慮して選定となる駅)に設置される予定としています。なお千代田線では支線を除き2018年度から2020年度にかけて、日比谷線では2020年度から2022年度にかけて両路線の全駅に設置をするとしています。

さらにはホーム延伸工事および増設工事の件についても触れられています。千代田線の北綾瀬(C-20)では代々木上原(OH05, C-01)方面からの直通で10両編成が停車できるように、丸ノ内線支線の方南町(Mb-03)では池袋(M-25)方面からの直通で6両編成が停車できるようにそれぞれホーム延伸工事を実施します。また東西線の茅場町(T-11, H-12)ではホームを約40m(2両分)を延伸する工事を実施することで列車停車位置の変更やエスカレーターの新設ができるようになり、乗客の分散により日比谷線への乗り継ぎをスムーズにします。木場(T-13)ではホームとコンコースを拡幅、エスカレーターやエレベーターを増設して乗客を分散させ混雑緩和を図ります。南砂町(T-15)ではホーム1面、線路1線を増設して2面3線のホームとすることで(ラッシュ時間帯における)列車の交互発着および各駅停車の快速待避が可能となるほか、ホームを増やすことでホーム上における混雑緩和やそれによる遅延防止などが期待されます。また飯田橋(T-06)~九段下間に設置されている折り返し線については改良工事を行うこととしており、平面交差せずに折り返し運転および後続列車の同時出発を可能とする予定です。

それ以外では発車標の更新や銀座線・丸ノ内線の標準電圧を600Vから750Vへ昇圧するほか、日比谷線の築地(H-11)と有楽町線の新富町(Y-20)および日比谷線の人形町(H-13)と半蔵門線の水天宮前(Z-10)を乗換駅とします(築地と新富町の両駅、人形町と水天宮前の両駅は近接しており、徒歩で約5分前後でアクセスできるため。人形町では東京都交通局浅草線も乗り入れているため、こちらも半蔵門線との乗り換え路線となる予定)。