2018年9月5日

【新型車両】東日本旅客鉄道横須賀線・総武快速線にE235系を新製投入へ

2018年9月4日、東日本旅客鉄道が横須賀線・総武快速線向けに新型車両『E235系』を新製し投入すると発表しました。2020年度(2020年4月以降)から落成を予定しており、導入数は11両51編成(561両)と4両46編成(184両)の合計745両ということで、E217系をすべて置き換える計算です。
▲【イメージ】山手線向けのE235系0番台(東トウ)をベースに横須賀線・総武快速線向けE235系が登場する。山手線向けを0番台としたときの横須賀線・総武快速線向けの区分番台が気になるが、半自動ドアスイッチの搭載、車内LCD式旅客案内表示器の拡大(21インチ)、同系列で初めてのグリーン車(サロE234形・サロE235形)登場など、注目点は多数ある。なお写真の量産先行車である東トウ01編成は性能確認試運転で横須賀線の一部区間を走行したことがある。
▲新型車両E235系にすべて置き換えられることとなったE217系。運用範囲は乗り入れ先の成田線(空港第2ビル[JO-36]・成田空港[JO-37]方面含む)・総武本線・内房線・外房線・鹿島線も含めるとかなり広範囲だが、今からでも全編成の記録を始めるべきである。

横須賀線・総武快速線向けのE235系は11両51編成と4両46編成の合計745両が導入され、車両の配置先はE217系(ただし新製当初から鎌倉車両センターに集約される前までは幕張車両センター[千マリ]配置の編成も存在した)と同じく全車両が鎌倉車両センター(横クラ)になるものと思われます。E217系をすべて置き換えることが確実なため、E217系の動向が注目されます。今回は主な特徴としてE235系0番台(東トウ)との共通点、0番台と異なる部分(横須賀線・総武快速線向けE235系の特徴として記す)、E217系との違いを下記に箇条書きで示しました。

一部予想を入れますが、E235系は鎌倉車両センター(横クラ)配置を予想しており、グリーン車を含むすべての車両を総合車両製作所横浜事業所で製造するものと予想しています。これは横浜事業所を出場すると横須賀線の逗子(JO-06, JS-06)3番線横の側線に出てくるうえに、性能確認の試運転を兼ねた回送の区間が逗子~大船(JO-09, JS-09)間と短いために、配給輸送列車なしで配置完了となることが想像できるためです。ただし製造車両数が合計で745両ととても多いので、E233系3000番台(横コツ・宮ヤマ)と同じく、効率よくE217系を置き換えていくためにも基本編成に組み込む51編成分のグリーン車(102両、サロE234形・サロE235形)を横浜事業所、普通車のみ(643両)を新津事業所で製造する可能性も否定できません。その場合は引き渡しとなる新潟車両センター(新ニイ)から配給輸送列車の形で配置先の鎌倉車両センターに届けられるのでは・・・とみています。

【E235系0番台と横須賀線・総武快速線向け同系列の共通点】
制御装置はSiC素子を用いたVVVFインバータ制御(0番台量産先行車は2号車・3号車・5号車の3両が東芝製、6号車・8号車・9号車の3両が三菱製、0番台量産車はすべて三菱製)
普通車のすべての車内にデジタルサイネージを設置(荷物棚上部)
ドアエンジンはラック式、ドア上には車内LCD式旅客案内表示器を2画面設置
新製当初より車内監視カメラを車内LCD旅客案内表示器の右側に設置(普通車のみ)
前照灯と車内照明にLEDを採用、普通車車端部(優先席付近)にはフリースペース(車椅子スペース兼ベビーカースペース)を設置
座席の配置はすべてロングシート(E217系では9号車・10号車・11号車のみがセミクロスシート車だが、E235系では9号車・10号車・11号車もロングシート車となる)

【横須賀線・総武快速線向けE235系の特徴】
●久里浜(JO-01)寄りから付属4両編成+基本11両編成の組成となるため、編成は2種類となる
●付属編成のクハE235形、基本編成のクハE234形に2段式の解結装置付きの電気連結器を装備
●ホームドア設置駅が現時点で新小岩(JO-23)のみであるため、旅客用扉への塗装は実施せず車体側面部と車体上部に青色と白色の帯を巻く
●E235系では初めてのグリーン車となる新形式『サロE234形サロE235形』が登場
グリーン車のデッキと室内に車内監視カメラを設置(デッキへの設置はE217系と同じ)
●車内LCD旅客案内表示器の大形化により、17インチ2画面から21インチ2画面に変更
列車情報管理装置『INTEROS』採用、運転台のグラスコックピット化、前方記録カメラ、移動禁止箱の設置
●普通車のデジタルサイネージでは通常は広告画面を表示異常時は情報提供画面に切り替え
●停電などにより駅間に車両が停車したことに備えて非常走行用電源装置を床下機器に搭載
●増結1号車、1号車(いずれもクハE234形)、11号車(成田空港寄りのクハE235形)に車椅子対応大形洋式トイレを設置、基本5号車(サロE235形)には洋式トイレを設置
グリーン車では初めての車内LCD式旅客案内表示器、無料公衆無線LANサービスの提供、各座席へのコンセントの装備
●室内温度保持のためE235系では初めての半自動ドアスイッチを設置

【E217系と横須賀線・総武快速線向けE235系の違い】 ※一部のみ
電動車と付随車の比率の変更(E217系は4M7T・2M2T、E235系は6M5T・2M2T)
制御装置(E217系は現在全編成がIGBT素子、E235系はSiC素子)
●座席配置(E217系は3両がセミクロスシート・それ以外ロングシート、E235系は全車ロングシート)
ドアエンジン(E217系はスクリュー電気式、E235系はラック式)
半自動ドアスイッチの設置(E217系は3/4閉装置)

《ここからは予想が含まれます》
『3/4閉』機能の装備(半自動ドアスイッチの設置で省略も)
●田浦(JO-04)での進行方向前1両と2両目前方ドアの締切(ドアカット)のため、特別なスイッチを装備(ただし始発駅・長時間停車時や久里浜~逗子間は半自動ドア扱いとなる可能性も)
●座席の色と吊革の色の変更(吊革の色は青色か白色か黒色、座席の色は青色か)
●自動放送は新製当初から駅ナンバリング入りで担当はE217系と同じ、半自動ドアスイッチの操作に関する自動放送も実施
●基本編成と付属編成を連結した際の車両間転落防止放送の装備
鎌倉車両センター配置、グリーン車製造の点から総合車両製作所横浜事業所が担当
→車両数の関係で場合により普通車が新津事業所グリーン車が横浜事業所製造の可能性も

E235系について一部では東海道線・宇都宮線・高崎線(上野東京ライン・湘南新宿ライン)向けにも導入されると新聞で報じられており、機器更新工事が進められているE231系1000番台(宮ヤマ・横コツ)の後継となる可能性もあり得ます。