2016年11月21日から東日本旅客鉄道大宮総合車両センターに入場していたE233系元0番台八トタ青670編成(1号車側からクハE233-70+モハE233-70+モハE232-70+モハE233-270+モハE232-270+クハE232-528)が南武線向けE233系8500番台横ナハN36編成(1号車側からクハE233-8570+モハE233-8570+モハE232-8570+モハE233-8770+モハE232-8770+クハE232-8528)となって2017年2月13日に出場し、新たに所属先となる中原電車区まで回送されました。
▲青梅線・五日市線向けE233系0番台(写真)のラストナンバーである八トタ青670編成から改造された南武線向けE233系8500番台横ナハN36編成が古巣となる豊田車両センター付近を経由して新たな所属先となる中原電車区へ向かった。横ナハN36編成は新製当初から配置されている8000番台35編成の続番であるが、編成番号と側面の車番が合致していない。
▲【イメージ】従来より配置されているE233系8000番台(写真右側:横ナハN22編成)。新たに配置された横ナハN36編成と比較すると外観上では列車番号表示器と種別行先案内表示器の配置が異なる、ホーム検知装置センサーや半自動ドアスイッチの有無、先頭車の連結器の形状が異なるなどの違いが見られる。
この8500番台横ナハN36編成は以前の記事で述べたように、従来から中原電車区に配置されている8000番台の35編成と異なり、一部で0番台仕様が残された異端編成となっています。その編成の特筆すべき点として、製造先が現在の総合車両製作所新津事業所ではなく、旧東急車輛製造(現在の総合車両製作所横浜事業所)となっていること、前面部の列車番号表示器と種別行先案内表示器が一体化されたものとなっている、先頭車の連結器の形状が異なる(分割併合に対応したもの)、6号車のクハE232-8528(元クハE232-528)の電気連結器の解結装置の存置、半自動ドアスイッチの存置(ただし生え抜きの8000番台自体に半自動ドアスイッチは装備されておらず、輸送障害時の南武線内においては各車両4箇所のうち3箇所の扉を締め切る『3/4閉機能』を使用するために半自動ドアスイッチ自体は使用せず、半自動ドアスイッチに切り替える回線は断たれているものと思われる)、車椅子兼ベビーカースペースが1号車のみの設置であること(0番台では10両固定編成と同じ位置に車椅子スペース兼ベビーカースペースを設置したために、10両分割編成と同じく、10両編成組成時に中間に入っていた6号車には車椅子スペース兼ベビーカースペースが設置されていない)、車内座席モケットの存置(0番台仕様のまま)が確認できます。ところが種車から変更された点としては、前面部の種別行先案内表示器に英語表記追加(ROM更新)、前面部の帯配置が生え抜きの8000番台と同じものに変更、『移動禁止システム』が新設されたほか、車内LCD旅客案内表示器は元八トタ青670編成時代に装備されていた15インチのものの存置ではなく生え抜きの8000番台と同じく17インチワイドのものに交換されていました。このような特徴を持つ横ナハN36編成とそれ以外の8000番台では顔つきが少し異なります。今後は南武線内全線において性能確認試運転を行い、3月15日より209系2200番台横ナハ53編成に代わって営業運転に入るものと思われ、南武線は浜川崎支線(205系1000番台)を除き、100パーセントの割合でE233系8000番台・8500番台の充当となります。8500番台は元0番台からの改造車両で種車の番号『70』を用いているということで、配置後もおそらく南武線の異端編成として注目されることは間違いないでしょうね。