2024年4月5日

【留置変更もありそう】小田急電鉄のダイヤ修正後の運用について一部考察

2024年3月16日にダイヤ修正が行われた小田急電鉄ですが、現在は少ない機会で運用調査を行っております。まずは運用数をおさらいしたいと思います。
▲10両編成のE運用に入る3000形10両固定編成(写真は3091F)。ただし4000形の固定運用であるC運用に東京地下鉄千代田線直通列車以外の列車で入ることがある。また8000形では10両を組んだ場合にE運用に入るほか、箱根登山鉄道専任編成以外の1000形4両固定編成は3000形の非リニューアル車と組んだ場合に限ってE運用に入る。運用数自体に変化はなくE11運用からE38運用までとE61運用からE72運用までがある。
▲10両編成のC運用に入る4000形(写真は4064F)。C運用は基本的にこの形式による固定の運用だが、千代田線直通列車では東京地下鉄16000系・東日本旅客鉄道E233系2000番台で代走することがある。さらに千代田線直通列車以外の列車を他形式が代走することがある。また運用の都合上から4000形が10両編成のE運用に入ることがある。運用数自体は変わらずにC11運用からC23運用までがある。
▲8両編成のB運用に入る3000形8両固定編成(写真は3651F)。3000形8両固定編成(8編成)と2000形(全9編成)の合計編成数と運用数が合致するため、ダイヤ乱れ時や車両不足などの場合はB運用を10両で代走することがある。1000形4両+4両と2000形は必然的にこの運用に入る。運用数はB11運用からB18運用までとB21運用からB29運用までがある。
▲6両編成のA運用に入る3000形6両固定編成(写真は3263F)。この運用には3000形だけではなく8000形6両固定編成が入ることがある。かつては1000形(当時存在した6両固定編成のみ)もこの運用に入っていた。電気連結器を撤去した3000形6両固定編成のリニューアル車はこの運用に必然的に限定されるため、新百合ヶ丘(OH23)以東の区間に基本的に入線しない。運用数はこちらも変わらず、A11運用からA34運用までがある。

小田急電鉄の運用については、東京地下鉄16000系が所定のS運用と東日本旅客鉄道E233系2000番台が所定のK運用を含まないものとして紹介しています。まずは10両編成の運用から見ていきます。10両編成の運用は4000形が所定のC運用他形式車種を限定しないE運用があり、前者はC11運用からC23運用まで、後者はE11運用からE38運用までとE61運用からE72運用までがあり、合計53運用となります(C運用の13運用とE運用の40運用)。その大半は10両固定編成ですが、8000形(4両+6両)、1000形4両+3000形6両(非リニューアル車両)、8000形4両+3000形6両(1次車・2次車限定)の組成となることがあります。8両編成のB運用はB11運用からB18運用までとB21運用からB29運用までがあり、合計17運用となります。充当は3000形8両固定編成と2000形が中心ですが、予備車両がないため、1000形4両+4両で運用する場合や、一部は10両編成で代走して補填することがあります。6両編成のA運用はA11運用からA34運用までがあり、合計24運用となります。6両固定編成が存在する8000形または3000形での運用になります。リニューアル車は電気連結器撤去の関係からA運用専任となります。箱根登山鉄道専任の1000形4両固定編成の運用は111運用から114運用までがあり、合計4運用となります。専任の4編成で運用されますが、114運用と111運用は兼任が可能であるほか、112運用・113運用の2運用は日中時間帯にも運用があります。このため専任編成の1本が入場したとしても、3編成で回すことが可能になっています。

ロマンスカーは形式によって運用が分けられています。展望座席を備える“GSE”70000形の場合はN31運用・N32運用の2運用、主力車両の“EXE”・“EXEα”30000形の場合は4両固定編成がN41運用からN46運用まで、6両固定編成がN61運用からN66運用までの6運用ずつ、千代田線にも直通する“MSE”60000形の場合は4両固定編成がN21運用からN23運用までの3運用、6両固定編成がN71運用からN75運用までの5運用(ただし平日はN71運用からN74運用までの4運用)があり、車両数に限りがあるため、予備車両がまったくない場合があります。こちらについては運用の変化はありません。

今回はダイヤ修正となりましたが、実際には一部運用がところどころ変わっています。場合によっては留置先が変更されているものもあるようです。まずは6両編成のA運用からです。多摩線シャトル運用のほか(終日にわたる多摩線シャトルは2運用)、江ノ島線藤沢(OE13)~片瀬江ノ島(OE16)間往復のシャトル運用が設定されており、前者は複数運用、後者は2運用が設定されています。ダイヤ修正後の江ノ島線シャトルは平日がA16運用とA31運用、土曜休日がA20運用とA31運用となっています。平日A16運用と土曜休日A20運用はシャトル運用の送り込みと返却を兼ねて藤沢を跨ぐ各駅停車の運用に入ります。A31運用は終日シャトル運用ですが、その前のA30運用が藤沢4番ホーム留置ではなくなったためか、大野総合車両所からの回送での送り込みに変更されました。大野総合車両所出庫となったことで、江ノ島線シャトル運用が前日のA30運用の編成とは限らなくなりました。また土曜休日に1本だけ、日中時間帯にあった本厚木(OH34)始発の急行小田原(OH47)行き(10両編成で運転されていた列車)が無くなったことで、町田(OH27)以西の日中時間帯の急行はすべてA運用となっています。

8両編成のB運用はほとんど予備車がないので、箱根登山鉄道専任(1063F1066F)を除く1000形で4両+4両(主に1067F1069F、場合により1057Fが担当することがある)を組成して補填するか、車両状況により午前中だけの一部の運用を10両編成が代走することがあります。またB運用とE運用の一部が入れ替わっているものがあり、ダイヤ修正前は8両で運転されていた一部の各駅停車がダイヤ修正後に10両編成となっていたり、その逆もあります。土曜休日に至っては、10両編成のE運用の各駅停車が増加したためか、喜多見検車区または海老名検車区に一旦入庫する運用が増えているような印象です。土曜休日B14運用は海老名検車区と喜多見検車区、土曜休日B25運用は海老名検車区に2回の一旦入庫がありますので、状況次第では最初の運用編成と異なる車両が使用される可能性があります。

4000形(ただし代走時はその限りではない)の固定運用として充当されるの10両編成のC運用はダイヤ修正前と変わらない運用数で、千代田線直通列車では『41E』(C11運用)などのように列車番号の末尾にアルファベットの“E”が入ります。平日は送り込みを兼ねた列車を含めた自社完結運用は少なめで(小田原線の急行1本、小田原線の各駅停車2本、多摩線の各駅停車1本)、ほぼ千代田線直通の運用となっていますが、土曜休日は自社完結運用が多いです。土曜休日の13運用のうち4運用(C14運用・C16運用・C20運用・C22運用)はすべて自社完結運用となっており、1運用(C23運用)は逆に自社に乗り入れない運用となっています。ただし4000形は10両編成のC運用だけでなくE運用に入ることもあります。

10両編成のE運用は数は変わりませんが、途中から各駅停車の運用に入ることが多くなった印象です。このためか時刻表では新宿の地下ホーム到着を表すマークが省略されています。また土曜休日E72運用は修正前は前述の本厚木発小田原行き急行の1本だけの短距離運用でしたが、修正後は各駅停車中心の運用に変更されており、相武台前(OH30)20番構内留置線の出庫時間が大幅に早まりましたね。ほぼ変わらないのはE11運用(平日は1110レ3110レのみ、土曜休日は海老名検車区入庫の回送のみ)、E61運用(平日は1116レ3116レのみ、土曜休日は1102レ3102レのみ)だけでしょうか。