2021年6月22日

【電源供給車の変更?】小田急電鉄8000形8065F(4両固定編成)のクハ8165のスカートの一部分に穴が開けられる

2021年6月22日、小田急電鉄8000形8065F(クハ8065+デハ8015+デハ8115+クハ8165)が大野総合車両所を出場し、小田原線内で試運転を実施しました。同編成はすでに大野総合車両所構内に単独留置されていた相方の8265Fと連結されています。この編成のクハ8165のスカート部分に小変化が見られます。
▲下り方先頭車のクハ8165のスカートの一部に穴が開けられた8000形8065F。新たにクヤ31形と連結する新たな電源供給車として選定されたか。2代目5000形に置き換えられて廃車となった1000形1751F・1752F(いずれも元クヤ連結対応編成)から移設されたのだろうか。
▲写真手前のクヤ31形は下り方のみの制御車であるため、電源供給車が必要だ。1000形4両固定編成の廃車除籍が進んでいるほか、1051Fの代役が可能な4両固定編成で下り方に連結器を持つ8000形(8065F)が選ばれたものと思われる。しかしなぜ1000形リニューアル車にはならなかったのだろうか。

今回試運転を行った8065Fはクハ8165のスカート部分に小変化が見受けられました。同編成が大野総合車両所でクハ8165だけ切り離されて何らかの改造工事が実施されていたためか、同車両のスカートの右下部分(海側)に穴が開いています。これはいったい何を意味するのでしょうか。これには増備が進む2代目5000形に置き換えられた1000形4両固定編成やワイドドア車6両固定編成(1751F・1752F)の廃車と関係しています。

廃車除籍処分となった1000形ワイドドア車は現時点で1751F・1752Fの2編成のみですが、いずれもクハ1951・クハ1952のスカートに穴が開いていて連結器を持つため、クヤ31形の連結に対応していました。通常で電源供給車に使用する1051F(4両固定編成)が別事情により電源供給車として使用できないときにその代役として使用されていましたね。1000形ワイドドア車のクヤ31形対応編成の代替として8000形8265F(6両固定編成)とコンビを組む8065Fが大野総合車両所でジャンパ線受設置の改造工事を受け、新たにクヤ31形との連結(すなわち新たなる電源供給車として使用)に対応する工事が実施されました。スカートに穴が開いているのはこのためで2004年のクヤ31形の運用開始以降、1000形以外でクヤ31形との連結に対応する車両は8000形8065Fが初めてのこととなります。これまでクヤ31形の電源供給車として1000形は1051F・1751F・1752Fの3編成が用意されましたが、1051F以外が廃車となったことで1000形1051Fを含めて3編成分の電源供給車を準備するとなると、あと1編成分の改造が必要になりそうです。

8000形8065Fにクヤ31形との連結に対応する改造工事が実施されましたが、廃車除籍処分となった1000形ワイドドア車から流用されている可能性がありますね。通常の定期検測運転の際には1000形1051Fを使用しますが、もしも1051Fが箱根登山鉄道運用を代走したり、1000形6両固定編成ノーマルドアの編成と連結して運用中であったり、何らかの理由で使用できない場合に、代わりの電源供給車として登板する可能性がありそうです。いつになるのかは予想できませんがクヤ31形と8000形8065Fが併結して試運転を実施する可能性はありますね。クヤ31形と8000形8065Fの定期検測運転、今のところ想像だけですが、多少なりとも違和感を感じそう…。