2021年6月23日、小田急電鉄大野総合車両所構内に長らく留置されていた1000形1059F(レーティッシュカラー)の空調装置や車番が撤去され、同編成の廃車除籍処分が確実になりました。1000形の廃車がレーティッシュカラーにまで及んでいるため、その代替で入った1051Fと残る1058F・1060F・1061Fの今後が気になるところではあります。
▲(イメージ)箱根登山鉄道専任のレーティッシュカラーをまとう1000形で初めて廃車除籍処分となった1059F。昨年8月の箱根登山鉄道全線運転再開記念での営業運転から約10ヶ月で廃車という運命を辿ることに。
▲(イメージ)1000形1059Fの運用離脱以降、リニューアルされていない4両固定編成で唯一の通常塗装の1051Fが箱根登山鉄道の運用に入っている。1051Fでは箱根登山鉄道との兼用車両としているが、レーティッシュカラーの1059Fが1051Fに代替された形となっている。
同編成の最終運用は6月14日の平日114運用で、通常の入庫先の海老名検車区ではなく大野総合車両所に回送され、このまま留置が続いていました。廃車除籍となった1000形のワイドドア車とは異なり、休車の看板が掲出されていなかったため、箱根登山鉄道専任の予備編成を兼ねているものと思われていました。しかし空調装置や車番の撤去作業が進められたことで廃車除籍処分が確定し、その代替としてクヤ31形の電源供給車も務める1051Fが箱根登山鉄道運用の穴埋めとして充当されており、レーティッシュカラーの1058F・1060F・1061Fと通常塗装の1051Fで4運用を回していることになります。ただし111運用が深夜のみ、114運用がその直前に運用を終えて入庫するタイミングがあるため、海老名検車区再出庫で111運用とを兼ねることができ、最低3編成でも運用を回せるようになっています。当面はこの状態が続くものと思われますが、今後の車両のやりくりをどうするのかが課題になりそうです。
というのも箱根登山鉄道の専任運用には現在でも1000形でリニューアルされていない編成に限定されており、1051Fとレーティッシュカラー編成のみとなっていますし、4両固定編成でリニューアルされた編成でも相変わらず『登山線入線禁止』のラベルが運転台に貼付されているため、箱根登山鉄道の小田原(OH47)~箱根湯本(OH51)間の車両代替をどうするのかがポイントになってきそうです。一時期、新松田(OH41)で分割併合を頻繁にやっていたことや急行列車(主に6両固定編成)が箱根湯本まで直通していた時代とは変わって、ロマンスカー以外の分割併合がなくなり、1000形の代替として2代目5000形の追加増備があるため、自社の小田原線側はそれで補うことができますが、箱根登山鉄道の小田原~箱根湯本間は1000形の非リニューアル編成以外での代替をどうしていくのかがポイントになりそうです。
あくまでも個人的な予想ではありますが、1000形ワイドドア車の運用は3000形・8000形の6両固定編成で穴埋めをして、2代目5000形の導入で10両固定編成をさらに増やし、3000形6両固定編成の3次車以降の編成と組んでいる1000形4両固定編成のリニューアル車の一部を箱根登山鉄道専任に回す、という手段が有効的なのではないかと思います。1000形のリニューアルも1092F(10両固定編成)で最後となる可能性もあり得ることから、箱根登山鉄道専任の新型車両を導入するという可能性も捨てきれません。予想が膨らみすぎると混乱するのでここで止めておきますが、1000形の4両固定編成で非リニューアル車両が箱根登山鉄道に集結しているため、記録をとっておくことをお勧めします。