2021年6月25日、京浜急行電鉄が今年夏をもって唯一ドイツ・シーメンス製のGTO素子VVVFインバータ制御で残っている『歌う電車』の新1000形1033編成が歌わなくなる(制御装置更新工事で入場し別メーカーのものに交換する)ため、『さよならドレミファインバータ♪』イベントを実施することが発表されました。
▲(イメージ)ドイツ・シーメンス製のGTO素子で最後まで残っているのは新1000形アルミ車の1033編成(下り方から1033~1040の車両)である。実際にドレミファインバータが聞けるのはデハ1033・デハ1036・デハ1037・デハ1040だけである。
これは今年夏で1033編成がファインテック久里浜事業所に入場し、シーメンス製の制御装置を国産の制御装置に更新するための工事を行うためで、2100形では2133編成(ブルスカ)の車体更新工事と制御装置更新工事をもって『歌う電車』としては消滅し、残るはアルミ車体の新1000形のみとなっていました。制御装置更新工事自体はシーメンス製のIGBT素子VVVFインバータ制御となっている編成にも施工され、国産のものに変更されています。アルミ車体のみですが、4両固定編成はシーメンス製から東芝製と東洋電機製造のものに、8両固定編成は三菱電機製と東洋電機製にそれぞれ変更されています。制御装置更新工事の進捗が進み最後まで残っているシーメンス製のGTO素子は1033編成だけであり、4両固定編成はそれよりも先に消滅しています。7月13日に品川(KK-01)の3番ホームからファインテック久里浜事業所まで特別貸切列車として運転し、このイベントの終了をもってそのまま久里浜事業所に入場、制御装置更新工事などを施工するものと思われます。
余談ですが、一昨年の踏切事故に巻き込まれた新1000形1137編成(10次車・1137~1144)は残念ながら昨年3月で廃車除籍処分とされていたことが分かりました。衝突したデハ1137の損傷が激しかったことなどが要因と思われます。